賜杯を逃した豊昇龍、抑えきれない悔しさ…支度部屋から何かをたたくような音が響いて 秋場所千秋楽
大相撲秋場所千秋楽は28日、東京・両国国技館で行われ、大の里が豊昇龍との横綱同士の優勝決定戦を制し、2場所ぶり5度目の優勝を飾った。昇進して2場所目で横綱として初めての賜杯を手にした。
本割では1差で追っていた豊昇龍に押し出され、13勝2敗で並んだ。
横綱同士の優勝決定戦は2009年秋場所で朝青龍が白鵬を下して以来、16年ぶりだった。
九州場所は11月9日から福岡国際センターで行われる。
◆集中第一、優勝への決意を語ってこなかった秋場所
横綱として意地は見せた。それでも賜杯には届かなかった。決定戦で敗れた豊昇龍。支度部屋の風呂場では悔しさを爆発させ、何かをたたくような大きな衝撃音が響いた。

優勝決定戦で大の里に敗れ、悔しそうな表情の豊昇龍=両国国技館で(七森祐也撮影)
本割では力強さを発揮。ただでは賜杯を譲らず、館内に熱気を生んだ。決定戦を控えた支度部屋。表情を引き締めて気合を込めたが、連勝はならなかった。風呂から上がると、報道陣に自ら手で「×」サインをつくり、取材に応じないまま国技館を後にした。
今年の初場所後に横綱に昇進してから、皆勤は2場所目。今場所は「集中する」と唱え続け、優勝への決意を語ることはなかった。一日一番に全てを懸ける日々。結果で、休場が多いという批判の声を払拭しようとしていた。
ただ、終盤に場所前に痛めていた腰痛が再発。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「2週間力を出すのが力士の務め。横綱なら、なおさら。どこか足りないのかもしれない」と指摘した。
秋場所後は、母国モンゴルでの横綱昇進パーティーに参加する予定。英気を養い、次こそ優勝という結果を残す。(丸山耀平)
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◆安青錦、4場所連続2桁勝利にも浮つかず

技能賞を受賞した安青錦=両国国技館で(戸田泰雅撮影)
新小結の安青錦は若元春に対し、左四つから内無双を切ろうとしたところを前に詰められて寄り切りで敗れた。新入幕から4場所連続で11勝を挙げて場所を終え、「来場所につながる」と前向きに受け止めた。
大関候補として名前が挙がり始めているが、上の番付への手応えは「特に。番付は関係ない」と語るにとどめた。今場所は三役で2桁勝利とし、大関昇進へ足固めの場所に。番付編成を預かる審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)は、「昇進への扉(の取っ手)は握った。いい相撲を取っているし、来場所以降も期待できる」と述べた。
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◆優勝争いに絡んだ隆の勝「頑張ってよかった」

隆の勝(右)が押し出しで若隆景を破る=両国国技館で(戸田泰雅撮影)
終盤まで優勝争いに残った平幕の隆の勝。千秋楽は結び前の一番で関脇若隆景と対戦し、突っ張りやいなしで体勢を崩してから、最後は前に出て押し出した。幕内で12勝は、昨年7月の名古屋場所以来で自身最多。5度目の敢闘賞も獲得し、「頑張ってよかった」と笑顔を見せた。
上位戦が組まれた最後も白星で飾り、「(15日間で)良かったことも悔いの残ることもある」と振り返る。三役へ返り咲く可能性がある来場所に向けて、「(自身の武器とする)突きの威力を上げたい」と意欲を示した。
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