田中将大がラスト登板で200勝…野村克也さんに「時間かかりすぎだ、バカと言われそう」

6回2失点で勝利投手となり、日米通算200勝を達成した田中将(30日)=片岡航希撮影
巨人の田中将が30日の中日戦に先発し、6回2失点で勝利投手となり、日米通算200勝の大台に到達した。日米通算での達成者は野茂英雄(米ドジャースなど)、黒田博樹(米ヤンキースなど)、ダルビッシュ有(現米パドレス)に続き、史上4人目となった。
巨人4―2中日
巨人が競り勝った。一回に中山の2点二塁打などで3点を先取。田中将が6回2失点と粘り、七回から4投手の継投で逃げ切った。中日は四回以降1安打止まり。
「変化を恐れていたら進化できない」
巨人の田中将は「勝つためにやるべきことをやれば、(200勝という)結果は後からついてくる」と信じて疑わなかった。想像を超えるほどの困難も、必死になって乗り越えてきた。

田中将の年度別成績
この日の最大の山場は、1点リードの五回一死一塁、前の打席で2ランを浴びた細川を迎えた場面だ。絶対に失投が許されない中、ストライクゾーンに変化球を続け、最後はスプリットで三ゴロ併殺に仕留めた。六回は中軸を三者凡退に抑えて先発の役割を全うした。

巨人在籍時に200勝達成した投手
「生存本能が強い」。昨年に一足早く日米通算200勝にたどり着いたダルビッシュ(米パドレス)は、2学年下の田中将の特長をこう表現する。
北海道・駒大苫小牧高で同世代の打者をねじ伏せた剛腕は、楽天の新人時代に野村克也監督(当時)と出会い、外角低めへの制球力を極めた。米ヤンキースで苦戦した2017年には高めの直球の割合を増やし、タフな精神力も養った。同じ時代を生きてきたダルビッシュが「(田中将のように)変化していくこと、適応していくことは生き続けることに直結する」と評する言葉には重みがある。
プロ19年目の今季もやはり、変わることをいとわなかった。長い二軍生活では、ひたむきに効率の良い投球フォームや最善のトレーニング方法を追求した。「変化を恐れていたら進化はできないし、停滞したら終わり。うまくいくことばかりではないけれど、色々トライしていかないと。そこは若い時だろうが、年を取ってからだろうが変わらない」
シーズンのラストチャンスで打ち立てた金字塔は、野球人としての生き方が間違っていなかったことの証しでもある。(井上雄太)
「ゲームをコントロールするのが醍醐味」
田中将の試合後の主な一問一答は次の通り。
――達成した心境は。
「感無量。自宅に帰ったらもっと実感がわくと思う。まだ今はちょっとフワフワしている感じ」
――プロ入り当時の恩師、野村克也さん(故人)に今の思いをどう伝えたいか。
「『やりましたよ』と。(野村さんからは)『時間がかかりすぎだ、バカ』と言われそうですけど」
――200勝全てを先発で挙げた。やりがいは。
「やっぱり先発投手がゲームを左右する、ウェートを占める率が大きい。ゲームをコントロールすることが 醍醐(だいご) 味だと思う」
――日米通算19年、自身を支えてきたものは。
「根底にあるのは、自分がもっとうまくなりたい、相手バッターを抑えたいという気持ちですかね」
――次の目標は。
「ここがゴールだと思っていない。まだ日本一になるチャンスがあるので、自分自身が勢いに乗ってポストシーズンを戦っていきたい」
巨人・阿部監督 「ドキドキして見ていたけど、(田中将は)最近数試合はずっとゲームを作れていたので信じた。絶対に勝たせなきゃいけないというプレッシャーの中で、よくみんな頑張ってくれた」