井上尚弥の影響力、米国人も「日本がメッカの認識」 6.19世界戦で日本に中量級王者を呼べた理由

井上尚弥【写真:中戸川知世】

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ボクシングの大橋ジムは25日、神奈川・横浜市内で会見し、6月19日に東京・大田区総合体育館でWBO世界ウェルター級2位・佐々木尽(八王子中屋)が王者ブライアン・ノーマンJr.(米国)に世界初挑戦することを発表した。過去に日本人世界王者のいない激戦階級。王者を日本に呼んだ興行主の大橋ジム・大橋秀行会長は交渉の一端を明かした。戦績は23歳の佐々木が19勝(17KO)1敗1分、24歳のノーマンJr.が27勝(21KO)2無効試合。

大橋会長は興行主として感慨深げだった。「勝つのはもちろん、挑戦すら難しい階級。夢のようです」。ミニマム級からミドル級までの13階級では、過去に日本人世界王者がいない唯一の階級。辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹が挑戦したが、いずれも敗れた。佐々木で日本人5人目の挑戦となる。

中重量級が盛んな米国はファイトマネーも高く、これまでは王者がわざわざ日本で試合をするメリットがなかった。交渉の裏側について、大橋会長は「相手陣営が1月の井上尚弥戦を見るために日本に来ていました。その時に(セミファイナルの)佐々木の試合を見ている」と説明。井上が共同プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社のマッチメーカーも一緒にいたという。

相手陣営から法外な要求などはなく、「何度も何度も」と交渉を重ねた末に対戦合意。「佐々木の試合を見て『これなら大丈夫』という手応えがあったのかもしれません。そう来てもらえる方がこちらにはチャンスがあります」と推察した。日本で同級の世界戦開催は1989年12月の尾崎以来36年ぶりだ。

発表会見に出席した大橋ジム・大橋秀行会長【写真:浜田洋平】

大橋会長が佐々木尽に期待する理由「ああいう選手じゃないと勝てない」

一昔前なら米国人王者が海外で、しかも遠い日本で試合をするのは「田舎でやらされるイメージ」もあったという。「ネット配信になってイメージが変わったと思います。以前のように田舎でやらされるという感じではありません。今の日本はメッカという認識もあるのでは」と指摘。資金力のあるネット配信を近年で定着させたのは井上だ。

今回の試合実現に影響を与えたのではという問いに「それもあると思います」と大橋会長。ノーマンJr.がトップランク社所属というのも後押しになり「それも大きいです。井上に繋がりますね」と存在の大きさを実感した様子だった。

この日、佐々木は「宇宙人対宇宙人の戦いになる」と話すなど、実力はもちろん発言でも注目を浴びるボクサー。大橋会長は「度胸がある選手。自分で宇宙人と言っていますが、ああいう選手じゃないとウェルター級では勝てないのだと思います。『精一杯、頑張ります』とだけを言う選手では厳しい。久々にウェルター級でスリリングな試合になるでしょうね」と期待を込めた。

【6月19日の主な対戦カード】

▽WBO世界ウェルター級タイトルマッチ12回戦

王者ブライアン・ノーマンJr.(米国)

VS

同級2位・佐々木尽(八王子中屋)

▽東洋太平洋ウェルター級王座決定戦12回戦

同級8位・田中空(大橋)

VS

同級4位・小畑武尊(ダッシュ東保)

▽日本フェザー級王座決定戦10回戦

同級1位・大久祐哉(金子)

VS

同級2位・阿部麗也(KG大和)

▽IBF世界ライトフライ級王座決定戦12回戦

同級1位クリスチャン・アラネタ(フィリピン)

VS

同級2位タノンサック・シムシー(タイ)

▽76.2キロ契約

森脇唯人(ワールドスポーツ)

VS

ベク・ハソ(モンゴル)

▽フェザー級8回戦

大橋蓮(大橋)

VS

ラン・コウコウ(中国)

▽東日本新人王予選4回戦

山口聖矢(大橋)

VS

木内凌佑(セレス)

THE ANSWER編集部