「沈む核爆弾になる恐れ」北朝鮮の核潜水艦、ロシア製老朽原子炉転用疑惑! 専門家が最悪シナリオ警告
ロシア退役潜水艦の加圧水型原子炉を転用

引用:朝鮮中央テレビ
北朝鮮は昨年12月25日、8,700トン級とされる「核動力戦略誘導弾潜水艦」を初めて公開した。朝鮮労働党機関紙・労働新聞など国営メディアは、金正恩国務委員長が建造現場を現地指導したと伝え、艦体全体の写真を掲載した。実際の視察時期は明らかにされていないものの、公開写真は12月24日午前に撮影された可能性があるとみられている。同日、金委員長は咸鏡南道・宣徳飛行場で新型長距離地対空ミサイルの試験発射も視察していた。
異例の建造ペース、構造面への懸念も
公開された写真が事実であれば、北朝鮮の新型核潜水艦は少なくとも外観上はほぼ完成段階に近づいているとみられる。船体の組み立ては終了し、司令塔上部には通信・電子装備を備えたマストも設置されている。内部艤装工事は残っているとみられるが、早ければ年内にも進水する可能性があるとの見方も出ている。
建造速度は北朝鮮が成果を誇示する際に用いる「ビナロン速度」と形容されるほど速いとされる。一方で、過去には過度な工期短縮が品質低下につながった例もあり、今回の潜水艦についても構造的な問題を懸念する声が専門家の間で出ている。
北朝鮮は2021年の朝鮮労働党第8回大会で核潜水艦の建造を公式に表明していた。新浦周辺ではそれ以前から大型潜水艦建造用ドックの整備が進められていたが、2023年9月まで同ドックには通常型の「金君玉英雄艦」が存在していたとされる。これを踏まえると、新型核潜水艦の実質的な建造期間は約2年強にとどまる可能性があり、放射線遮蔽設備の構築や原子炉の搭載までをこの期間で完了させたとすれば、現実的に説明が難しい。
北朝鮮は艦艇用原子炉を開発・運用した実績を持たない。寧辺の原子炉はすべて陸上施設であり、潜水艦用原子炉とは技術的要件が大きく異なる。通常であれば、原子炉試作機の製造や地上試験施設での長期検証が必要だが、新浦周辺ではそのような兆候は確認されていない。

引用:ロシア・ルビーン海洋工学中央設計局
特異な設計、ミサイル搭載量も制限的
北朝鮮が公開した潜水艦の外観は、米国やロシア、中国の戦略原子力潜水艦とは大きく異なっている。通常、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は大型であるため、耐圧船体内に専用のミサイル区画を設ける設計が一般的とされる。
一方、北朝鮮の潜水艦は司令塔部分を大きく拡張し、その内部にミサイル発射管を収めているように見える。この方式は重心が高くなり復原性が低下しやすいうえ、搭載可能なミサイル数も制限される。実際、このような設計は1950年代の旧ソ連潜水艦以降はほとんど採用されていない。
中国の実験用潜水艦032型(清級)との類似性を指摘する声もある。清級は大型発射管を備えるものの、SLBMの搭載数は最大2発程度にとどまった。北朝鮮が保有する「北極星5型」などの大型SLBMを考慮すると、新型核潜水艦が搭載できるミサイルは多くても3、4発程度に限られる可能性があるとみられている。

引用:朝鮮中央テレビ
ロシア製退役原子炉転用の可能性
最大の懸念点は原子炉の安全性だ。北朝鮮が独自に潜水艦用原子炉を完成させた可能性は低いとの見方が強い。韓国軍当局はロシアが2025年初頭に潜水艦推進用の原子力モジュールを北朝鮮に提供したと明らかにしている。
提供された可能性が指摘されているのは、旧ソ連・ロシアのデルタⅣ級戦略原潜に搭載されていたVM-4SG型、またはOK-650型の加圧水型原子炉だ。2024年12月、スペイン沖で沈没したロシア貨物船に北朝鮮向けとみられる原子炉2基が積載されていたとの情報もこれを裏付けている。
これらが原子炉がデルタIV級退役潜水艦から取り外された原子炉であれば、設計寿命を超過している可能性が高いとされる。加圧水型原子炉の運用経験が乏しい北朝鮮が老朽化した原子炉を安全に管理できるのかについては疑問が残っている。
日本・韓国への影響と対応課題
総合的にみると、北朝鮮の新型核潜水艦は安全性や長期運用能力、ミサイル搭載数の面で制約を抱えている。長期間潜航しながら戦略哨戒任務を遂行するのは難しいとの見方が多い。
それでも、この潜水艦が潜航可能であり、核ミサイルを水中から発射できる能力を有している点は看過できない。水中発射型ミサイルは事前探知が難しく、韓国や日本にとって深刻な脅威となり得る。北朝鮮が少なくとも複数隻の核ミサイル発射能力を確保しつつあるとの見方も出ている。
これに対応するには、常時の対潜監視・追跡能力の強化が不可欠とされる。韓国では原子力潜水艦の保有や米国の攻撃型原潜との共同運用など、現実的な選択肢を検討すべき段階に入ったとの指摘もある。核潜水艦戦力の整備は今後の地域安全保障に直結する課題となりそうだ。
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