バイク初心者必見! フロントフォークの仕組みとは?

サスペンションの基本的な構造

 車やバイクに搭載されているサスペンションと言えば、スプリングとショックアブソーバー(ダンパー)の組み合わせというのが一般的で、もちろんバイクでもリアサスペンションは同様の組み合わせとなっている事がほとんどですが、現在、多くの車種で一般的となっているフロントフォーク(テレスコピックフォーク)はそうとは限りません。

 そこで、バイクのフロントフォークの仕組みやメンテナンス方法、さらにはセッティングの仕方まで解説します。

スプリングとショックアブソーバーが組み合わせられた一般的なサスペンション

スプリングとショックアブソーバーが組み合わせられた一般的なサスペンション

【画像】バイクのフロントサスペンションを画像で見る(10枚)

 乗り物の車輪に必ずと言っていいほど装着されているのが、サスペンションです。なぜならボディに車輪が直接付いていると、乗り心地が非常に悪いだけでなく、直進安定性が悪くなったりコーナーでの踏ん張りが効かなくなってしまうためです。逆を言うと、サスペンションのセッティングによって、乗り味や性能を変えることが可能になります。

 そんなサスペンションの一般的な構造として、スプリングは必ず装着されているというのはイメージできると思いますが、スプリング=バネというのは、伸びたり縮んだりすることでクッションのような役割を果たす重要なパーツです。

 一見するとスプリングだけでも機能するように思えますが、それだけだと一度跳ねるとなかなか収まりが付かず、いつまでもボヨンボヨンと揺れてしまい、走ることすらできなくなってしまいます。

スプリングとショックアブソーバーが組み合わせられた一般的なサスペンション

スプリングとショックアブソーバーが組み合わせられた一般的なサスペンション

 そこでスプリングに組み合わせて装着されるのがショックアブソーバーです。「アブソーブ」とは吸収するという意味で、筒の中にオイルやガスが入っていて、軸にバルブが付いていて流れを規制することで、ショックを吸収する仕組みとなっています。

 ショックアブソーバーを付けることで車体に伝わる振動を吸収する働きがありますが、こちらはスプリングのようにクッション性があるわけではありません。つまりスプリングとショックアブソーバーを組み合わせることで、お互いのデメリットを補完し合い、安定した性能を発揮することかできる訳です。

 バイクのリアサスペンションをよく見てみると、スプリングの内側に筒が入っていますが、これがショックアブソーバーです。ひと目見るだけで、スプリングとワンセットになっているのが理解できるでしょう。

バイクのフロントサスペンションはどうなっている?

 バイクのフロントにも、もちろんサスペンションは装着されていて、実際に乗ってみるとその効果は体感できます。しかし、フロントフロントフォークは前述したような形にはなっていません。

 では、フロントフォークはどういう構造になっているのでしょうか?

バイクのフロントサスペンションはショックアブソーバーの中にスプリングが入っているイメージ

バイクのフロントサスペンションはショックアブソーバーの中にスプリングが入っているイメージ

 フロントフォークも、スプリングとショックアブソーバーが組み合わせられているという点に変わりなく、簡単に言ってしまうと現在、多くのモデル採用されているチェリアーニ式と呼ばれるテレスコピックフォークではショックアブソーバーの中にスプリングが入っています(インナーチューブの外側にフォークスプリングが付くピストンメタル式も存在します)。

 具体的にはショックアブソーバーに当たるのがアウターチューブとインナーチューブで金属製の筒のような形状をしています。この中にオイルが入っていて、流れを規制することでショックを吸収する仕組みで、スプリングはチューブの中に入っています。

 一般的なスプリングの内側にショックアブソーバーを入れた形式ではなく、一体なぜ前後で違った形が採用されているのかというと、サイズと重量の問題が理由といわれています。

 スプリングを外に出すとその分タイヤの幅に制限が出てしまう事に加え、常に動いているサスペンションにとって大きくて重たくなる事は、重大なハンディになりかねません。

 これらの理由を踏まえ幅に限りのあるフロントの場合であっても、全長はかなり長くすることができるので、スプリングを細くすることも可能になります。そのためスプリングをショックアブソーバーの中に入れても問題なく機能する為、現在のような形式が採用されています。

分解できるのでセッティングも容易

 バイクの場合、フロントサスペンションはリアに比べて荷重の変化が大きくなります。そのため、好みも含めたセッティング変更もしやすい構造とも言えます。

 もちろんリアもセッティングを変えることはできますが、多くのモデルではスプリングへのプリロード(あらかじめスプリングにかける負荷)を変えることで初期の硬さを変更できるだけで、ショックアブソーバーについてはかなり高性能なタイプ以外は変更できません。

 フロントフォークにおいても車種にもよりますが上端にネジが付いていて、これを回すことで中のスプリングのプリロードを変更することが可能になります。さらに高性能なフロントフォークでは、スプリングへのプリロード以外にも伸び、縮みの減衰力(ショックアブソーバーがスプリングの振動を吸収し、動きを抑える力)をセッティングできるものもあります。

 また、フロントフォークの場合は比較、容易に分解できる構造のため、スプリング自体を交換したりオイルの粘度を変えることで、好みのセッティングにすることができます。

バイクのフロントサスペンションは上部のネジで調整可能

バイクのフロントサスペンションは上部のネジで調整可能

 オーバーホールも同様で、その際にオイルの粘度を変更して、さらに自分好みに味付けを変更することも可能になります。

 一方、純正のリヤサスペンションの場合、スプリングの交換は容易にできてもショックアブソーバーは溶接やカシメで組み立てられているので分解は困難です。

 不可能ではないですが、ノウハウが必要なために専門の業者に依頼する必要があるなど、一般的ではありません。そのため、セッティングを変更するというよりはショックごと交換するほうが、費用も手間もセーブすることができるでしょう。

 社外のチューニングパーツとして売られているものであればオーバーホールが可能なものもあるので、走りにこだわるのではあれば、そういった商品を選んでみるのもいいかもしれません。

 もちろん、サスペンションのセッティングには経験がノウハウが必要となるため、初めて触る際にはバイクショップなどに相談してみることをオススメします。