大谷翔平を抑えて本塁打王のシュワーバーが、お祭りでファンを沸かせた「3連発」

 米大リーグは28日(日本時間29日)にレギュラーシーズンが終わり、自己最多のシーズン55号本塁打で締めくくったドジャースの大谷翔平を抑えて56本でナ・リーグの本塁打王となったのが、フィリーズのカイル・シュワーバー外野手だ。3年ぶりの本塁打王タイトルで、打点(132)との二冠も達成したが、今夏にはメジャーの祭典でファンが拍手喝さいの大仕事もやってのけていた。

オールスター延長戦の本塁打競争で3スイングすべて柵越えを放ったシュワーバー(7月15日、ジョージア州アトランタで)=木佐貫冬星撮影

 シュワーバーはメジャー11年目で右投げ左打ちの32歳。2014年のドラフト1巡目でカブスに指名されてプロ入りし、ナショナルズ、レッドソックスを経て22年からフィリーズでプレーする。11年間の通算本塁打は340本で、三振も多いが、四球も今季はメジャー全体で5番目に多い108個(大谷は109個)で、直近3シーズンでも全体で毎年5番目以内に入るなど、選球眼にも磨きをかけてきた。昨季は主に1番・指名打者として38本塁打を打ち、そのうち先頭打者本塁打が15本。「恐怖のリードオフマン」として相手投手から恐れられている。

打ち出すと止まらない…

 「打ち出すと止まらない」ことでも知られ、ナショナルズ時代の21年6月には月間16本塁打。今年8月28日(同29日)のブレーブス戦では、メジャー史上21人目となる1試合4本塁打も記録している。

本数は3スイング中の本塁打数

 今季の開幕戦は4番に座り、シーズン中盤からは主に2番に入ったが、3、4月は本塁打9本、5月は10本、6月は6本。夏場に入って7、8月はともに12本と加速したシュワーバーが千両役者ぶりを発揮したのが、今年7月15日(同16日)にジョージア州アトランタで行われたオールスター戦だった。

 試合は6―6の同点で九回を終了。勝者を決めるために規定により特別ルールの本塁打競争が実施された。

 米メディアによると、オールスター戦が本塁打競争で決着するのは史上初めてのこと。両監督がメンバーの中から選んだ各3選手がリーグ交互に打席に入って3スイングずつバットを振り、合計の本塁打数が多いチームが勝利するというルールだ。

シーズン自己最多の55号ソロを放った大谷(右)(28日)=飯島啓太撮影

 ここで、後攻のナ・リーグ2番手で登場したシュワーバーが大活躍した。合計本数1―3の劣勢の状況で打席に入り、最初のスイングでバックスクリーンにたたき込むと、2本目を右中間に特大の一発。2連発で3-3のタイとすると、最後の3スイング目も右翼スタンドに放り込み、ナ・リーグが4-3と逆転した。

 重圧をかけられて硬くなったア・リーグの3人目アランダ(レイズ)は1本も打てずに勝負は4―3で決着。大谷もジャッジ(ヤンキース)も登場しなかった延長ホームランダービーだが、最後は大きな盛り上がりで球宴が幕を閉じた。この試合で五回に大谷の代打で登場して指名打者に入っていたシュワーバーが最優秀選手に選ばれた。

 二刀流で初めてのポストシーズンを迎える大谷のドジャースは30日(同10月1日)に始まるワイルドカードシリーズ(3回戦制)のレッズ戦を勝ち上がれば、4日(同5日)からの地区シリーズでフィリーズと対戦する。まれにみるハイレベルのタイトル争いを演じた両雄の競演が、ポストシーズンで再び見られるか--。(デジタル編集部)