40代から急増する『隠れ高血糖』。食後1時間の眠気が教える血管の悲鳴|医師が解説

健診は正常。でも体は正直「隠れ高血糖」の落とし穴

健康診断でよく見るのは、以下。

・空腹時血糖

・HbA1c

この2つが正常だと、「血糖は問題なし」と言われます。でも、ここに大きな盲点があります。それは、食後の血糖値をほとんど見ていないこと。

隠れ高血糖の人は、

空腹時 → 正常

HbA1c → 正常

なのに、食後30分〜1時間で血糖値が急上昇します。

たとえばこんな人。

【事例①】45歳・男性・営業職

健診では毎年「異常なし」。でも昼にラーメン+半チャーハンを食べると、1時間後には猛烈な眠気。車の運転中にヒヤッとすることも。精密検査で食後血糖を測ると、食後1時間で200mg/dL超え。

→立派な“隠れ高血糖”でした。

40代になると、以下の影響で、こうしたタイプが一気に増えてきます。

  • 筋肉量が減る
  • インスリンの効きが落ちる

食後1時間の眠気=血管が悲鳴を上げている瞬間

「眠くなるくらい、大したことないでしょ」。そう思われがちですが、実はこの時間帯、血管が一番ダメージを受けています。

血糖値が急に上がると、以下が起こります。

  • 血管の内側(内皮)が傷つく
  • 炎症が起きる
  • 動脈硬化が進む

しかも厄介なのは、自覚症状が眠気くらいしかないこと。

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【事例②】42歳・女性・デスクワーク

午後の眠気対策でコーヒーを一日5杯。甘いお菓子で「シャキッと」するのが習慣。実はそれが、血糖スパイクの急降下を毎日繰り返す原因に。

→数年後、頸動脈エコーで「動脈硬化が年齢より進んでいる」と指摘されました。

眠気は、「今、血糖の上げ下げが激しすぎるよ」という脳からの警告でもあります。

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今日からできる対策。完璧じゃなくていい

隠れ高血糖は、生活を少し変えるだけで改善しやすいのも特徴です。

まずはここから。

  • 最初に野菜やたんぱく質を食べる
  • 炭水化物を一気にかき込まない
  • 食後に5〜10分歩く
  • 昼食を「丼・麺単品」で済ませない

【事例③】48歳・男性

昼食後の眠気がひどく、午後は仕事にならない状態。

→白米大盛りをやめ、「先にサラダ+ゆっくり食べる」に変えただけで、2週間後には眠気がかなり軽減。

それでも眠気が強い人、または下記に該当する人は、医師に「食後血糖が気になります」とひと言伝えてみてください。

・家族に糖尿病がいる

・お腹まわりが急に出てきた

・夕方に強いだるさがある

まとめ

40代から増える「隠れ高血糖」は、健診だけでは見逃されがちです。

その代表的なサインが、食後1時間の強烈な眠気。

それは単なる食べすぎではなく、血糖値の急上昇・急降下による、血管へのダメージのサインかもしれません。

眠気をコーヒーでごまかす前に、

・食べ方を少し変える

・体の声に耳を傾ける

それだけで、10年後の血管は大きく変わります。体は、もう答えを出しています。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

甲斐沼 孟

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。