元関脇貴闘力さん、栃木にそばとちゃんこ店 閉園の保育園改装で土俵併設、相撲文化継承

飲食店「力貴庵」をオープンした大相撲の元関脇貴闘力さん=2026年1月、栃木県鹿沼市
栃木県鹿沼市上永野で1月、大相撲の元関脇貴闘力(本名・鎌苅忠茂)さん(58)=同県栃木市=がそばやちゃんこ鍋を味わう飲食店「力貴庵」をオープンした。閉園した保育園を改装し、相撲ミュージアムと土俵を併設。相撲文化の継承や力士のセカンドキャリア構築につなげようと奔走する。(共同通信=鷺森葵)
店は、東京から車で約1時間半の山あいにある。周辺は横綱の綱にも使われる麻の産地だ。のれんをくぐると、そば打ち所が出迎え、店内には化粧まわしや優勝額などが展示されている。約1年間そば打ち修業をした貴闘力さんが料理の腕を振るう。「おいしい?」と客に聞いて回り、写真撮影にも応じていた。
栃木市の無職小島義男さん(66)は、上品な味と評価し「田舎に人が集まっていいことだ」と顔をほころばせた。宇都宮市の会社員池田ちひろさん(41)は、元力士の大きさに圧倒されたと語り「相撲ファンだが、展示でより幅広く知れた」と満足げだった。
貴闘力さんは2002年に現役を引退したが、野球賭博に関与したとして2010年に大関だった琴光喜(本名・田宮啓司)さん(49)と共に日本相撲協会を解雇された。現在は焼き肉店などを経営する。
今後は土俵を活用して、体験会を検討している。一緒に働く琴光喜さんは、食を通じて相撲を広める考えを示し「ここから強い子が出たら面白い」と気合を入れる。貴闘力さんも「店に人が集まり、地域活性化につなげたい」と意気込む。
貴闘力さんの取り組みをモデルケースとして、鹿沼市が廃校の利活用に期待を寄せる。少子化に伴い、2033年度までに市立小中の統廃合で14校を廃校とする計画だ。市行政経営課の黒川純司課長補佐は、雇用の創出を狙うとし「使われていない不動産を民間に活用してもらうことで、市の財源負担軽減にもなり、地域活性化の起爆剤になりうる」と述べた。

「力貴庵」で接客する(右から)琴光喜さん、貴闘力さん=2026年1月、栃木県鹿沼市

「力貴庵」のちゃんこ鍋=2026年1月、栃木県鹿沼市

「力貴庵」で食事をする客=2026年1月、栃木県鹿沼市

栃木県鹿沼市・力貴庵
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