台風4号が北上中 今、気象予報士が注目しているのは台風の影響だけじゃない

今回、トラック諸島近海で発生した台風4号は、日本への直接の影響があるかどうかだけでなく、いま赤道付近の大気で何が起きているのかを考える材料にもなっています。

台風4号が北上中 今、気象予報士が注目しているのは台風の影響だけじゃない

●台風4号が北上中

台風4号が北上中

台風4号は、今日12日正午、トラック諸島近海を非常に強い勢力で北上しています。

今後も北上し、17日には小笠原近海に進む見込みです。今後、最新の台風情報をご確認ください。

●日本への影響とは別のところで台風4号が注目される理由がある

今回、トラック諸島近海で台風4号が発生した頃、赤道を挟んだ南半球にも、台風4号と対になるようにサイクロンが進んでいた点は、気象予報士として気になるところです。

赤道をまたいで南北に対になった熱帯低気圧は、太平洋でときどき見られ、双子低気圧と呼ばれています。

こうした現象は、週間~2週間の天気だけでなく、今後のエルニーニョ現象の動向を考えるうえでも、気象予報士が注目しているポイントです。

●赤道付近で何が起きているか ①赤道付近で、対流と風が同時に変わり始めている

赤道付近で何が起きているか ①赤道付近で、対流と風が同時に変わり始めている

西太平洋赤道域では、対流活動を示す指標の一つである OLR に負の偏差が見られ、対流活動が活発になっています。

同じ領域の下層(850hPa)では、西風が平年より強まっています。

●②熱帯の対流活動が大気全体に与える影響

②熱帯の対流活動が大気全体に与える影響

赤道付近で強い対流が起こると、その影響で、上層と下層で風の流れのパターンが変わることが知られています。こうした大気の反応は、「松野ギル応答」と呼ばれています。

上層では赤道を挟んで高気圧性の流れが、下層では低気圧性の流れの対ができやすくなります。

台風4号と、赤道を挟んで対になっていたサイクロンの2つの熱帯低気圧は、こうした下層の風の流れの中に位置していました。

●③西風バーストに繋がる可能性はあるのか

③西風バーストに繋がる可能性はあるのか

下層(850hPa)の実際の風を見ると、赤道付近の西太平洋から中部太平洋にかけて、西風が数日以上続いていることが分かります。

こうした現象の一つとして、赤道域で西風が広い範囲にわたって持続する場合、「西風バースト」と呼ばれることがあり、エルニーニョ現象の発生過程で重要な役割を果たす場合があると考えられています。

①~③は、一直線の因果関係ではなく、いくつかの要因が重なった結果として現れる現象です。現時点では、今後どこまで持続・発達するかを確認している段階です。