「ナフサ不足を認めたら?」と質問した記者に赤沢大臣が猛反論「まったく認識が違う」「現実的でないことを常識だと言う事自体、問題じゃないか」

「ナフサ不足を認めたら?」と質問した記者に赤沢大臣が猛反論「まったく認識が違う」「現実的でないことを常識だと言う事自体、問題じゃないか」

9日の赤沢亮正経済産業大臣の記者会見で「全体としてナフサは足りていないので協力していきましょうというメッセージを出しては?」と質問した記者に、大臣が猛反論した。

週刊誌の記者が「ナフサの目詰まり問題ですが、目詰まりの対策は1番川上のナフサクラッキング設備の稼働率をうんと上げて、川の上流からどんどん流してあげれば、川中、川下にも流れていくと。これは石油化学工業の、いろはの『い』だと思うんですけど。稼働率が上げられないっていうのは、全体としてナフサが足りていないので、稼働率が上げられない。川の上流から流れてこないので、中小の、川中・川下のダムのところは貯めますんで、そこで目詰まりが起きると。大臣、もう稼働率を上げられないので、全体としてナフサは足りていないと。ついては、流通の川上から川下まで協力してみなさん助け合っていきましょうというメッセージを石油化学工業業界に出すのはお考えでしょうか。あわせてやっぱり総理がナフサは足りているって言っちゃってますので、これがおかしな影響を与えているというところもあるので、場合によっては総理にも進言して、全体としてナフサはまず足りていないんだと。ついては協力しましょうというメッセージを業界のほうに出すお考えはありますでしょうか」と質問した。

これに対し赤沢大臣は「まったく認識を異にします。事実関係としても間違えていると思います」と一蹴した。

続けて「起きている問題をしっかり認識してもらうことが必要で、何かナフサを上流から豊かに流せば下に流れていって、需要を満たすみたいなことを言いましたけど、まったくズレてると思います。それはもう端的に言ってしまえば、必要な量をこれまでと同じだけ国の中にあっても、例えば皆さんがいつもの10倍発注した時に、その需要を満たすにはいつもの何倍いると思いますか。10倍供給することって現実的ですか?数倍でもまったく非現実的だと思います。いろんなことをすっ飛ばしておっしゃいましたけど、そういう何か、あまり現実的でないことを、何か常識だとか言うこと自体、ちょっと問題じゃないかと思いますね」と記者に苦言を呈した。

そして「ナフサについて言えば、むしろ、そっちが常識ですけど、原油を精製した時にナフサが10出てきます。ガソリンが29、軽油が24。ほぼ割合は決まって全部出てくるわけです。ナフサを増産しろって話は、そのナフサの10をやった時に、ガソリンでは29、軽油では24どんどん出てきて、それを精製した元売りはどこに備蓄するんですか。どこに貯めておくんですか。それに必要な量を、例えば何倍も生産した時にタンクないですよ、国内に。どうされるんですか? そういうこと全部すっ飛ばして、何かそれが常識だと言ってみて、それはやっぱり違うんじゃないでしょうか。もう少し現実的な物の考え方をして指摘をされるのが望ましいんじゃないかな。言論自由の国ですから、マスコミの方が何を言われようが、私はそれについていちいちコメントしませんけど、今みたいにナフサをただ上流からいっぱい流せばっていうのは、どうやって流すんですか?っていうことについて、大変な苦労があるわけです。これまったく当たってないご指摘だと思います」と反論した。

赤沢大臣が語るナフサ“国内の供給量”の真相

その上で「原油や石油製品は、繰り返しになりますが、我が国全体として必要となる量は確保できております。それは3つありますよね。ナフサについて言えば、端的に言えば原油を精製した時に100精製すれば10ぐらい出てきます。それに加えて外国から輸入をしてくる。それから国内の川中在庫と言われるものを取り崩すやり方。その3つを合わせて、ナフサについては、今まだ原油の量について国内で必要な量は足りてますので、通常通りの精製を心がけ、加えて在庫の取り崩しとか必要に応じて輸入を増やすと。現にナフサの製造量については、3月以降定期修理が集中をするので、基本的に生産量が落ちているんですが、それが徐々に、少なくとも夏ぐらいまでには回復をしてくる。それまでの間は川中在庫を取り崩したり、輸入を増やしたり。代替調達が順調にいったので、川中在庫も1.8カ月分あったものが、0.1カ月分減っただけという状況になっています」と説明した。

そして「大事なのはやっぱり、私が、量は足りているという発信を続けることです。それが事実ですから。続けた上で、国内の皆さんが今以上に不安になって、今以上に買い占めに走るとか、そういうことが起きないように、私自身は事実に基づく発信を続けています。ここで全体量として足りないんだなんていう認識を、事実と違うにも関わらず持たれた途端に、今以上に買い占めはひどくなりますし、そういうことが起きないように責任者として、責任ある行動をとっています」と答えた。

さらに、化学業界に安定供給について協力を何度も要請しているとし、「5月末には、川中・川下製品である塗料、シンナー、印刷インキ、塩ビ管、断熱材、ユニットバスなど8つの業界団体からも、足元の供給量は安定増加し、今後も継続的に供給できる見通しであることが発信をされています。引き続き関係業界とも連携しつつ、供給の偏りや流通の目詰まり解消に全力で取り組んでまいります」と述べた。

「パニックは起きない」記者の再質問に大臣は

これに対し記者が「イランの紛争が始まってから3カ月くらい経って、全体としてナフサは足りていないと。流通の皆さん、各業者さん協力してっていうメッセージをむしろ発信した方が、3カ月経ってナフサは不足してますって言ったところで、別にパニックは起きないと思えるんですけど」と質問。

赤沢大臣は「それはまったく認識が違います。というのは、やっぱり商売やってる方達が見通しを立ててやっていく。会社預かってるわけですから、社員の生活も預かってますし、ものすごく真剣になるわけです」と答えた。

そして「例えば川上で起きたことを申し上げると、シンナーについて言えば、メーカーの方が材料、トルエンを入れてくれるところから『4月は例年通り、5月は未定』という連絡を受けた。例年通りずっと入ってくるはずが5月未定って聞いた途端に、4月についてもう供給量を半分に絞ってしまった。川下はもう50%しか供給が出てこないので大変な騒ぎになることが起きています。そのシンナーメーカーが何を考えたかっていうのは、分かることなんですけど、主要なお得意さんから言われた時に出せないってことは困るんで、その分5月についても何とか主要なお得意様には出せるように、供給量を4月から絞って5月用を何とか取っておく。これ商売上、十分合理的なことだと思う。私はそのことを非難する気はまったくなくて。だけど川下の主要なお客さんでないと分類された人たちはもうそれで大混乱になるわけです。また、現にあるのは、今度は川下で、私に対して『大臣、心配しないでくれ、大丈夫だ、俺は接着剤いつもの10倍頼んだ』って人が出てくるわけです」と事例を紹介。

続けて「そういうことが現に起きてる時に、それでも私が『全体量足りてますよ』と。要は『目詰まりさえ解消すれば全ての人んところに行き着くんですよ』と、説明をしてもそれが起きてるんです。不安ってそういうものです。記者さんが『今、足りてないと言ってもパニックは起きない』とおっしゃるけど、私にはまったく理解ができません。今でも起きてるようなことが、これ以上に起きた時にどうするんですか?繰り返しになりますが、全体量が足りてても、皆さんが不安に駆られてふだんの数倍発注したら絶対にこれは回らないんですよ。あなたが言ってる、大増産して上から流して、数倍ふだんより発注が出てる時に満たすようなことを供給する側もそれやったら、その後にできてしまったガソリンとか軽油の在庫も抱えてどうするんだって話になりますし、ちょっとあり得ないことなので、やっぱり現実的に解決をしていくしかない。繰り返しますが、全体量が足りてるというのは、何か事実と違うのに意図的に言ってることではありませんので、事実を繰り返し報道させていただくということです」と説明した。(ABEMA NEWS)

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