ワイシャツ代わりのはずが「休日のおじさん」に見える…ユニクロの"ビジネスTシャツ"選びでやりがちな勘違い
「ワイシャツ代わり」として、ビジネスTシャツを着ることが一般的になってきました。夏のオフィスカジュアルとして人気ですが、二の足を踏む方もいらっしゃるのでは。
【写真】ユニクロでもこんなに違うTシャツ
というのもノージャケットのTシャツ姿は、たとえビジネス仕様であっても「だらしない」という誤解が蔓延しているから。これは「生地感の問題だ」と捉えています。つまり選び方を間違えなければ、ユニクロでもOKなのです。
そこで今回は、ワイシャツ選びとは異なるビジネスTシャツ選びの鉄則と、一枚でも成立するユニクロのおすすめをお届けします。
ビジネスシーンに向いていない「ユニクロTシャツの正体」
ビジネスTは、襟がないため着用感はラクですが、一歩間違えれば、休日ファッションのようになってしまうのは周知のとおり。だからこそ生地感にこだわるわけですが、「この線引きがハッキリしない」という事情もあります。
私の考察では、ビジネスTがだらしなく見える場合は、Tシャツという「言葉の誤解」が原因と分析しています。たとえばユニクロUのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ5分袖は、ビジネスTとして成立するのでしょうか。
正直なところ、こちらは感動ジャケットのようなウォッシャブルスーツに合わせるときのみ成立します。つまりTシャツ一枚では、休日姿と差をつけられないのです。

感動ジャケットに合うエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ5分袖(写真:筆者撮影)
洗濯シワがつきづらく、表面の光沢感により綺麗めに見えるユニクロUのTシャツは、コットンの手触り感あるカジュアルなものとは別物。ですがビジネス仕様のような上品さがあるとは言えません。
では一枚で着ていても品良く見えるビジネスTの生地感とは何か。のべ5500人のファッション相談に乗ってきた私の定義では、「サマーニットの生地感こそ、一枚でも成立するビジネスTの条件」です。
つまりビジネスTと言っても、ジャケット着用を前提としたオンオフ兼用のものと、「一枚でも品よく見えるもの」は別物だということ。この目線でビジネスTを見渡したとき、ユニクロで着用可能なTシャツは明らかになるのです。
一枚で着られるユニクロのビジネスT
「ポロシャツ感覚でラクに着られるTシャツがほしい」。私もエグゼクティブのクライアントから、頻繁にこのようなご要望をいただきます。実は、この「ポロシャツ感覚」こそが、一枚で着られるビジネスTシャツの本質を突いています。
「襟のないTシャツのデザインでありながら、ポロシャツのようなしっかりとしたニット編みである」という条件を満たしたものです。そして、この条件を満たしているユニクロ商品が、「ウォッシャブルミラノリブニットTシャツ」です。

ノージャケットでも着られるウォッシャブルミラノリブニットTシャツ(写真:筆者撮影)
長袖版のウォッシャブルミラノリブクルーネックセーターをご存じの方も多いでしょう。現在は、そのミラノリブの雰囲気をTシャツ感覚で取り入れられる半袖タイプも展開されています。
一般的なTシャツと比較すると「生地に厚みがあって暑いのではないか」と懸念されるかもしれません。しかし、この「厚み」こそが、一枚でも品よく見せてくれるのです。ハリのあるミラノリブの編み地は、40代特有のお腹周りのたるみや、胸の突起といった生々しい生活感を拾いません。

(写真:筆者撮影)
カラーバリエーションも豊富ですが、ビジネス用途に絞るなら、白・黒などの無彩色にくわえ、ネイビーやベージュなどの落ち着いた色が好ましいでしょう。この「生地感と色選び」の法則は、ユニクロに限らず、紳士服量販店でのビジネスTシャツ選びにも通じます。
「洋服の青山」におけるビジネスTシャツの販売数が伸びているという青山商事の発表からも、その人気はうかがいしれます。いずれの場合も、「ビジネスTシャツという商品名だから大丈夫」ではなく、ノージャケットの着こなしも視野に入れるならば、最適解も変わることを覚えておいてください。
ニット編みとは異なるビジネスT
ではカットソー素材やジャージー素材のような一般的なTシャツ生地で、一枚で着られるビジネス仕様のものは存在しないのでしょうか。結論から言えば、存在します。
たとえば、ファーストリテイリング傘下のブランド「Theory(セオリー)」のRelay Jersey Ryder Teeは、レーヨン・ナイロン・ポリウレタンをブレンドした素材で作られており、Tシャツというより「半袖の高級カットソー」と呼ぶにふさわしい逸品です。

首元がしっかりしたセオリーのTシャツ。左は1年使用したもの。右は新品(写真:筆者撮影)
私自身、およそ1年使用していますが、自宅で洗ってもシワが気になりにくく、首元のヨレに対する耐久性も高い印象です。もちろん価格もそれなりですが、高品質という選択肢として検討の余地があるはず。微光沢と「肉厚なストレッチ」という質感が相まって、ジャケットのインナーとしてはもちろん、一枚着としても完璧な清潔感を放ちます。
しかし、ここにも大人が陥りやすい盲点があります。それは、外国仕様かと思うほど「着丈が長い」という点です。

しっかりめのジャケットにも負けないセオリーのTシャツ(写真:筆者撮影)
だらしなさを決定づける「着丈の差」という罠
スラックスにタックイン(裾入れ)するワイシャツとは違い、もちろんビジネスTシャツは「裾を出して着る」のが基本です。そのため着丈の長さは、印象に影響を及ぼします。とくにノージャケットのビジネスTでは、「長い=重い」という印象から、だらしなく見えるのです。
どんなに高級でツヤのある生地であっても、着丈が長いと、一気に「休日のリラックスウェア」のようなだらしなさが漂います。そのままでは使いづらい場合は、「お直し(丈詰め)」をして、ベルトループがちょうど隠れる程度に調整することがおすすめ。
そして丈感という意味でも、サマーニットのビジネスTは秀逸です。裾がリブになっているため、内側に折り返しても、生地が戻ってきづらいから。
ビジネスにおける服選びは、単なる「おしゃれ」ではなく、本来のあなたの知性や実績を、ノイズなく、相手に伝えるためのツールです。「一枚でも休日に見えない生地感」と「適切な着丈」。
この2つのロジックを味方につけることで、不当な誤解を受けるリスクは劇的に解消されます。40℃以上の「酷暑日」が新たに定められた今年の夏は、この鉄則を胸に、快適で品格のあるビジネスTの着こなしを実践してみてください。