ブームは終了?それとも定着? “ゼロトルク”パターの現在地
人気ブランド発売で認知拡大も 「異形」への違和感は残る
PGAツアーで使用選手が増えたことをきっかけに注目を集めた「ゼロトルクパター」。その先駆けとも言えるL.A.B. GOLFの最大の特徴は、ストローク中のフェース開閉が極めて少ないことです。
近年では、テーラーメイドやオデッセイといった人気ブランドからも関連モデルが登場したことで、「ゼロトルク=入るパター」という認知が一気に広がりました。

大ブレイクの「ゼロトルク」パターの現在地はどうなった?
その一方で、シャフトが斜めに装着された独特のアドレスビューや専用グリップなど、従来のパターとは異なる“異形”のデザインに違和感を覚えたゴルファーも少なくありません。
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ゴルフクラブの歴史を振り返ると、「性能は高いが見た目にクセがあるクラブ」は、一度大きなブームを迎えた後に市場から姿を消し、しばらくして再び注目されるという流れを繰り返してきました。

テーラーメイド、オデッセイなど人気ブランドからゼロトルク「=入るパター」が発売され認知が拡大したが、一方で「異形」要素に違和感を持つ人も多かった
最近はゼロトルクパターの話題が少し落ち着いたようにも感じられます。しかし実際には、ユーザーが感じていた“異形”というネガティブな要素を改善しながら、新たなカテゴリーとして定着しつつあるようです。
すっきり構えられるモデルが登場し多様化へ
現在のゼロトルクパターは、いわば第二世代から第三世代へ移行する段階に入っています。
従来モデルのような極端なハンドファーストを必要とせず、アドレス時にすっきり構えられるモデルも増えてきました。見た目や振り心地は従来型のパターに近い一方で、ゼロトルクならではの高い直進性を維持しています。
さらに近年は重心角のバリエーションも広がり、「ハーフトルク」や「ロートルク」と呼ばれるモデルも登場。フェース開閉量を適度に残しながら安定性を高める設計が増えています。

現在はすっきり構えられるモデルやトルクの大きさを選べるモデルなど多様化している
実際、筆者の周囲でもゼロトルクパターを使うゴルファーは増えており、コースで結果を出している人も少なくありません。「買ってよかった」という声を聞く機会も多くなりました。
スコアメイクにおいてパッティングは非常に重要な要素です。技術だけでなく、距離感を出しやすく方向性に優れた道具と出会えるかどうかも大きなポイントになります。
グリーン上で自信が持てるようになれば、「もっと寄せなければならない」というプレッシャーも減り、ショットやアプローチにもよい影響を与えます。
少なくともゴルフにおいては、「弘法筆を選ばず」にこだわり過ぎず、道具の力を借りることも上達の一つの方法と言えるでしょう。
ゼロトルクが合うタイプのゴルファーとは?
では、ゼロトルクパターはどのようなゴルファーに向いているのでしょうか。
簡単に言えば、アドレス時にはフェースをターゲットへ向けられるものの、ストローク中のフェース向きが安定せず、特にショートパットで方向性に悩んでいるゴルファーには大きな効果が期待できます。
また、手首を使い過ぎてしまい、インパクト時のロフトが安定しない人にも向いています。ゼロトルクパターは、アドレス時のシャフト角を保ったままインパクトを迎えやすいため、打点や転がりが安定しやすい傾向があります。

様々な素材のフェースインサート採用モデルも登場し、打感やタッチの好みに合わせて選べるようになった
一方で、フェースを開閉させながらアーク軌道でストロークし、タッチやフィーリングを重視するゴルファーには窮屈に感じられるかもしれません。
すでに大型マレットパターを使い、オートマチックなストロークを好むゴルファーには相性がよい反面、感覚的にフェースを操作したいプレーヤーには合わないケースもあります。
つまり、ゼロトルクパターは万能なパターではなく、ゴルファーの悩みに対して新たな選択肢を提供する道具だということです。各メーカーが従来型パターと併売しているのも、そのためでしょう。
とはいえ現在では、さまざまな素材のフェースインサートを採用したモデルも登場し、選択肢は大幅に広がっています。
ゼロトルクパターは一時的な流行にとどまらず、現代ゴルファーのニーズに応える主要カテゴリーの一つとして、着実に定着しつつあるようです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティ「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
猿場トール
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