「なんで忘れちゃうの!」父が大好きな妹が怒鳴ると、彼は初めて手を上げた/家族を忘れた父親との23年間(14)

父は初めて手をあげた

記憶を失った父とどう向き合うべきだったのか…。

胸をえぐる実話のエピソード。

1996年夏。高校1年生のエミさんは、サラリーマンの父、専業主婦の母、中学2年生の妹と平穏に暮らしていました。しかしある日、父・ヒロシは脳にできた腫瘍が破裂した影響で、半身まひや失語症の障害を負ってしまいます。さらに記憶能力が大幅に欠如し、家族の顔さえ分からなくなっていくのでした。

突然の事態に戸惑いながらも回復を信じ父親を支える家族たちは、一緒に暮らすにつれて徐々に厳しい現実を突きつけられていきます。思春期、就職、結婚、出産と、人生のステージが進むにつれ、エミさんは「父とどう向き合うべきなのか」に葛藤が生まれていき…。

脳に障害を負った父親を支える家族の、葛藤のエピソードをお送りします。

※本記事は吉田いらこ著の書籍『家族を忘れた父親との23年間』から一部抜粋・編集しました。

登場人物

手をあげた父

10分に1回頼んでくる

今日は泣くパターンか

飲んでないって言ってるでしょ!

こんなやり方でいいのかな…

いい加減にしてよ

なんで忘れちゃうの!

父に手をあげられたことはなかった

子どものことが大好きな人だった

著=吉田いらこ/『家族を忘れた父親との23年間』