大量タトゥー、スプリットタン…全身60%を“身体改造”した女性「自己肯定感が上がった」自己表現を貫くワケ

大量タトゥー、スプリットタン…全身60%を“身体改造”した女性「自己肯定感が上がった」自己表現を貫くワケ
SNS上でのタトゥー写真の投稿を巡り賛否の声が上がるなど、日本国内において身体に手を加える自己表現への抵抗感は根強い。その一方で、若者を中心にタトゥーや舌を2つに割る「スプリットタン」といった身体改造を選択する人もいる。「ABEMA Prime」では、周囲から理解されにくい外見が持つ意味や、社会や家族との折り合い方について、当事者を交えて議論した。
■全身60%以上を“改造”総額300万円以上

21歳から身体改造を続けている黄泉竈食(よもつへぐい)たまきさん、現在28歳。新宿・歌舞伎町のバーで働いている。総額300万円以上(タトゥー200万円以上、身体改造100万円以上)を費やし、顔や首など衣服で隠れない部分を含めた全身の60%以上に身体改造を施している。
番組出演の前日にも、右太ももへタトゥーを入れたと明かし、「イチジクと蛇。(左太ももの)ザクロと蛇と対にした。両方とも、子孫繁栄や富の象徴で、それをイメージした」と説明した。
タトゥーのほか、スプリットタンやピアスの拡張、左手の甲にクモ型のシリコンを挿入している。きっかけは実家に本が多い環境で育ち、谷崎潤一郎の小説『刺青(しせい)』に触れたことだったという。「身体改造をすることで、一種の象徴的な存在になれるのではないか」と語り、自身の形を探すために続けているとした。
身体改造に伴う肉体的な痛みについては「その痛みで自分自身を捉えるというか、自分自身を見つめ直すきっかけにはなる」と語る。あえて理解されにくい外見を選ぶ動機には、内面の大きな変化があった。「自分自身、もともとが本当に人見知り。人と話せない状態だったが、タトゥーを入れたことで自分の自己肯定感が上がり、自信もついた。人ともちゃんとコミュニケーションが取れるようになった」と述べた。
これに対し、コラムニスト・河崎環氏は「自己肯定感が上がるというのが、とても熱い。自分に模様を入れて自己肯定感が上がるならば『じゃあ入れよう』という話になる」と理解を示した。また、OVER ALLs代表・赤澤岳人氏も「好きな格好して、自分の人生を好きに生きる。その代わりに職業の幅が狭まることもあるかもしれないが、そんなことは(本人は)もうわかっていることだろうし、とてもいいことだと思う」との見解を述べた。
■周囲から不信感も貫く自己表現

日本トレンドリサーチの調査では、接客をする従業員のタトゥーに対して54.8%が「良くないと思う」と回答しており、威圧感や不信感が理由に挙がっている。たまきさん自身も、電車内で避けられるなど日常的に周囲の視線に直面している。
身近な家族との間でも、かつてデコルテのタトゥーを母親に見られた際、「え?それタトゥーシール?」と聞かれ「本物だよ」と答えたところ、「どうして入れちゃったの…将来どうするの?どうして見えるところに彫っているの?」と泣かれたエピソードがある。
母親からは「これ以上増やさないで」と言われたが、たまきさんは「でも私は『自分の表現だからいつか慣れてね』って言った。あなたの体・所有物ではないよ、という部分はある」と自身の意志を伝えたという。
現在は、母親に会う際は首が隠れる服を着る、温泉に行く際は個室露天風呂を予約するなどの配慮を行っている。「苦手な方に対しての配慮はしているつもり」と語り、社会との折り合いをつけている現状を示した。
EXIT・兼近大樹は、批判を寄せる側の心理構造について次のように指摘した。
「自分の所属してきたコミュニティから出たことがない人にありがちな批判の仕方。自分とは違う見た目の人を見た時に、それに対して『なんでそんなことすんの』とか『それかっこよくねえ、だせえな』とか言い出す。自分のコミュニティしか知らないし、そこで生きてきてるから、それぞれ評価されるものが違う。そこから逸脱したものを簡単に『ダサい』と言っている人を見ると、まだコミュニティを出たことがないんだと感じてしまう」。
その上で、日本社会における「一般」の定義と、自身が直面する現実を重ね合わせて語った。
「日本社会において、サラリーマンは黒髪・スーツが『一般』と思われている。(ピンク髪の)自分は、電車に乗ったら見られるし、コソコソ言われたりもするし、写真も撮られる。目立って迷惑をかけている自覚もあるから、混んでいる時は無理してタクシーに乗ったりもする。自分も白いTシャツにGパン、黒髪にすっぴんでも誰かに求められて愛されるならその方がいいが、でもそれでは誰にも表現で勝てないし、能力でも勝てない。ならば、自分でできる何かで戦っていくしかないのだから『それは許せよ』と思う」。
最後にたまきさんは「いろんな偏見とかはあるとは思うが、自己表現としてやっている人もたくさんいるので、生温かい目で見守ってほしい」と呼びかけていた。
(『ABEMA Prime』より)
【映像】たまきさん(28)、全身タトゥー&スプリットタン(実際の様子)
【画像】たまきさん(28)、全身タトゥー&スプリットタン(実際の様子)
【映像】「美人」すぎて悩むという奥峰さん(20代)