【有馬記念】GⅠ12勝の名伯楽・白井寿昭元調教師が出走全頭を馬体診断!

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白井氏は出走各馬の馬体を入念にチェックした

1998年の日本ダービー馬スペシャルウィークなどを育てた元JRA調教師・白井寿昭氏(80)が、出走予定馬16頭をジャッジした。多くの活躍馬を管理した伯楽の視点を、予想の参考にしてください。

グランプリにふさわしい好馬体が並びました。本来ならば写真だけでなく、歩いている姿をチェックし、実馬を触って、またがって確認したいところですが、なかなかそれは難しいですからね。ここに駒を進めてくるぐらいですから、どの馬も完成度、仕上がり、バランスの良さなど、注目すべき点が多かったです。

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アドマイヤテラ=栗東トレーニングセンター(撮影・安部光翁)

特に気になったのは、連覇を目指すレガレイラです。バランスの良さはもちろんですが、つなぎの角度もちょうどよく、トモの筋肉量も豊富で、胸囲もしっかり。各パーツのレベルは高く、心肺機能も高そう。持っている能力さえ発揮できれば、というところでしょう。

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アラタ

毛づや、体調の良さが目についたのはミュージアムマイルです。日本ダービー6着で距離の面でどうかという向きもありますが、馬体的には距離延長は問題ありません。むしろ延びてよさそうです。3歳馬でまだ成長の余地はあるでしょうが、それでも好勝負が期待できそうです。

グランプリ春秋連覇が懸かるメイショウタバルは胴は短めですが、胸囲があって胸が深く、そのぶん心肺機能も高いのでしょう。宝塚記念を勝っていることからも距離は問題なし。顔つきも精悍(せいかん)でかっこいいですね。ダノンデサイルはキコウが抜け、馬体の完成度は高そう。無駄肉がなく、純粋にいい馬だなと感じました。カイバもしっかりと食べそうなグッと張ったアゴも好みです。

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エキサイトバイオ

アドマイヤテラ

芦毛で肌の艶などわかりづらいところはありますが、キ甲が伸び、筋肉量も豊富です。飛節の角度もいいですね。全体的なバランスも取れています。

アラタ

活力のある目つきをしていていいですね。問題はないでしょうが、トモ(後肢)の方がやや低い感じで、もう少し張りはほしいです。つなぎは若干短め。

エキサイトバイオ

少しトモ(後肢)高で、馬体的には伸びしろがまだあります。筋肉の張りは見るからに素晴らしい。気持ちの入ったしっかりとした顔つきも好印象です。

エルトンバローズ

胴が詰まっている感じで、今回は距離がどうかな、というところ。馬体的にはもう少しゆとりがほしいですね。体つきは、無駄肉がなく仕上がっています。

コスモキュランダ

前駆に比べ、少しトモ(後肢)が低いですね。中距離ぐらいで良さそうな馬体に感じます。お腹が切れ上がっており、馬体的に牝馬のような印象も受けます。

サンライズジパング

ダートも走っている馬ですが、いかにもダートという印象は受けません。それでも筋肉量は豊富。胴が詰まって、背中は短い。均整はとれています。

ジャスティンパレス

均整のとれた好馬体。胴が長く、ゆったりしています。トモ(後肢)の筋肉も頼もしい。目つきもしっかりしていて、年齢も感じさせません。

シュヴァリエローズ

長くて柔らかそうな繫ぎに目がいきますね。特徴的な繫ぎをしています。長めの距離に適していそう。シルエットはすっきりしていて悪くありません。

シンエンペラー

均整が取れており、キ甲も十分発達。トモ(後肢)の筋肉も立派ですね。距離は延びて良さそう。顔つきも集中力があって精神面も充実している印象です。

タスティエーラ

顎から首筋にかけてのラインがきれいで富士山のよう。そこからトモ(後肢)にかけての流線も◎。やる気みなぎる目つきでつなぎの角度もいいですね。

ダノンデサイル

あばらがうっすらと浮き出て、すっきりしています。トモ(後肢)の盛り上がりは目立ってはいませんが、つくべきところに筋肉がついていて好印象です。

マイネルエンペラー

まだゆとりがあって、お腹周りを含めて、もうひと絞りできそうな印象を受けます。柔らかそうな繫ぎをしており、長めの首差しにも目がいきます。

ミステリーウェイ

首は長め。しなやかさがあるような感じ。筋肉隆々というタイプでなく、そのぶん、距離は長めの方が良さそうですね。全体的にまとまっています。

ミュージアムマイル

黒光りしていて毛づやがよく、体調の良さを感じます。馬体を見る限り、距離はこれぐらいあってもよさそう。スラッとした好馬体といえるでしょう。

メイショウタバル

胴は短めですが、宝塚記念を勝っており、距離は問題ないでしょう。胸も深い。トモ(後肢)の筋肉も豊富。繫ぎの角度もちょうどもいいですね。

レガレイラ

キ甲が発達し、完成度は高い。牝馬とは思えないほど顎がしっかりしており、さすが牡馬を相手に活躍している馬です。全体的なバランスもいいですね。

◆キ甲(きこう)

馬の肩側、首の付け根部分のこと。若いときは平らで目立たないが、成長すると盛り上がって目立つようになる。その状態を「キ甲が抜ける」という。

◆繋ぎ(つなぎ)

蹄と球節の間の部分。立っていて短いとダート向き、寝ていて長いと芝向きといわれるが、立ちすぎていても寝すぎていてもよくない。

◆飛節(ひせつ)

馬の後肢の関節の一つで、後方に突き出して見える部分のこと。人間の足首からかかとに相当する。

■白井 寿昭(しらい・としあき) 1945(昭和20)年1月13日生まれ、80歳。大阪府出身。立命館大を卒業後、68年に京都・上田武司厩舎で厩務員となる。調教助手を経て78年に調教師免許を取得。翌79年に栗東で開業。95年オークス(ダンスパートナー)でGI初勝利。98年にスペシャルウィークで日本ダービーを制覇。芝&ダートでGIを勝ったアグネスデジタルなど数多くの活躍馬を手掛けた。99年最多賞金獲得調教師。2015年に定年引退。JRA通算6933戦775勝(うち重賞はGI12勝を含む42勝)。