根尾昂だけではない 石川昂弥、森敬斗、松川虎生… 背水の陣を迎えた「ドラ1戦士」たち

 各球団でFAやトレード、新外国人選手の獲得など、来季に向けた新戦力の整備が進む。一方、ドラフト1位で入団して活躍を期待されながら結果を出せず、来季が「背水の陣」となる選手たちがいる。

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 期待通りの結果を出せていないが、依然として抜群の人気を誇るのが中日の根尾昂だ。2018年のドラフトで4球団競合の末に中日入り。入団した際は遊撃手として将来を嘱望されたが、外野手への配置換えを経て投手に転向。さらに先発から中継ぎへと役割が変わり、昨年の1軍登板は4試合、5回2/3のみで、防御率7.94。シーズンの大半をファームで過ごし、シーズン後に高知・春野で行われた秋季キャンプのメンバーからも外れた。今年は高卒8年目で、もう若手と言える年齢ではない。リリーバーとして1軍に定着するためには春季キャンプ、オープン戦で好投を続けて首脳陣の信頼を取り戻すしかない。

 中日では19年ドラフトで3球団が競合した石川昂弥も、定位置どころか1軍を確約されない立場になっている。昨年は就任1年目の井上一樹監督に開幕から4番に抜擢されたが、打撃不振で結果を残せず、4月中旬にファーム降格。その後も昇格、降格を繰り返し、本塁打はシーズン終盤の9月3日の阪神戦でようやく1号を放ったが、翌4日に左脇腹を痛めて戦列を離れた。昨年は結局、22試合出場で打率.139、1本塁打、5打点と結果を残せていない。三塁のレギュラー争いも熾烈で、昨年は故障に泣かされた福永裕基、高卒1年目から非凡な打撃センスを見せた森駿太、ベテランの高橋周平のほか、楽天を退団して古巣の中日への復帰が決まった阿部寿樹もいる。新たに獲得したメジャー通算164本塁打のミゲル・サノは本職が一塁のため、ジェイソン・ボスラーが三塁を守る布陣も考えられる。

「石川のネックは故障の多さです。非凡な才能を持っていても、試合に出られるコンディションでなければ競争のスタートラインに立てない。本人も痛感しているでしょう。打撃面で言えば、昨年の春先は打席の中で迷いがあるように感じられた。期待の大きさの表れですが、4番は荷が重かったのかもしれません。もう一度はい上がってほしいですね」(スポーツ紙デスク)

■身体能力は一線級の森敬斗

 石川と同じ19年ドラフトで、DeNAが単独1位で指名したのが桐蔭学園の遊撃手・森敬斗だった。チームの将来を背負う逸材として期待されたが、思い描いた成長曲線を描いていない。24年に自己最多の71試合に出場し、日本シリーズでは打率.300、出塁率.440と下位打線で核になり26年ぶり日本一の原動力になったが、期待された昨年は打撃不振や故障で出場が28試合と激減。打率.153、0本塁打と精彩を欠き、フェニックスリーグでは出場機会を増やすためにセンターを守った。かつて、DeNAで森を指導したコーチは歯がゆさを口にする。

「ドラフトで同期入団の長岡秀樹(ヤクルト)、紅林弘太郎(オリックス)が球界を代表する遊撃に飛躍しましたが、身体能力の点で森は決して引けを取らない。足が速く、肩が強いし、バットコントロールも巧い。でも、数字に表れない点を含めて攻守にミスが多いので、計算しづらい選手になってしまっている。手厳しい言い方をすれば、センスに頼って野球をしているように映る。野球に向き合う姿勢を見つめ直す必要があると思いますね。このまま終わってしまってはもったいない」

 DeNAの遊撃は石上泰輝、林琢真、京田陽太が守り、定位置を固定できていない。一方でセンターは攻守の要だった桑原将志が西武にFA移籍した。森はどちらのポジションで勝負するのか。相川亮二・新監督の起用法が注目される。

■完全試合を受けた松川は出場が激減

 サブロー監督が就任して最下位からの巻き返しを目指すロッテは、存在感が薄れている21年のドラフト1位、松川虎生が不退転の決意で臨む。高卒1年目の22年に高卒捕手として史上3人目の開幕スタメンを飾り、4月10日のオリックス戦では佐々木朗希とバッテリーを組んで完全試合を達成。この年は76試合に出場し、華麗なデビューを果たした。だが、23年以降は9試合、2試合、6試合出場と1軍で姿が見られなくなっている。

「ロッテの捕手陣は、昨年ブレークした寺地隆成、侍ジャパンに選出された経験がある佐藤都志也、ベテランの田村龍弘がいる。寺地、佐藤は打撃が武器の捕手なので、松川は守備面でのアピールがカギを握ります。監督が代わることで、各ポジションの起用法が変わる可能性があるので、松川は目の色を変えて奮起して欲しい」(ロッテOB)

■実績はあるが昨年は2試合登板のみの堀

 実績のある選手も結果を残せなければ、チーム内で序列が下がってしまう。16年ドラフト1位で日本ハム入りした堀瑞輝は、左のセットアッパーとして19年から4年連続40試合以上登板。21年は60試合登板で39ホールド、防御率2.39をマークし、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。だが、近年は登板機会が激減している。23年は5試合、24年は10試合、昨年はわずか2試合登板で防御率16.20と戦力になれなかった。

 日本ハムを取材するライターは「ファームでは33試合登板で防御率1.65と格の違いを見せています。不調の原因は新庄剛志監督が過去に指摘していたようにメンタル面だと思います。セットアッパーで稼働していた時期はストライクゾーンにどんどん投げ込んで勝負していましたが、近年は結果を出さなければいけないという焦りから腕が振れなくなり、ボール球が先行する苦しい投球になっている。日本ハムがV奪回のカギを握るのは、左腕のリリーフです。堀が復活すれば大きなプラスになります」と期待を込める。

 ドラフト1位で入団した才能豊かな選手たちでも、活躍するのは一握りという厳しい世界だ。試練を乗り越え、今年こそプロの舞台で輝きを放つことができるか。

(ライター・今川秀悟)

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