フィギュアの歴代世界最高得点は…マリニンでも坂本花織でも「りくりゅう」でもない
日本時間7日未明に開幕したミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、大きな注目が集まるフィギュアスケート。進化を続ける競技だが、各種目の世界歴代最高得点を調べると、意外にも今大会の金メダル候補とされる注目選手がトップではなかった。(デジタル編集部)

GPファイナル男子SPで演技するイリア・マリニン(昨年12月4日、名古屋市のIGアリーナで)=武藤要撮影
1月26日時点で、国際スケート連合(ISU)公認の男子の歴代最高得点は、前回北京大会を制したネイサン・チェン(米)が2019年に記録した335・30点。今大会の金メダル最右翼で、成功者がただ一人しかないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)をはじめ、全6種類の4回転ジャンプを跳ぶイリア・マリニン(米)だが、まだチェンに及ばない。昨年11月のスケートカナダで333・81点の自己ベストをマークしたが、1・49点及ばなかった。ショートプログラム(SP)が104・84点で、チェンが歴代最高を記録した際の110・38点を大きく下回ったのが響いた。

ちなみに、日本のエース鍵山優真(オリエンタルバイオ)が昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでマークした302・41点は、五輪を連覇した羽生結弦の最高得点300・97点を上回った。

世界選手権で優勝し、笑顔の三浦璃来(手前)、木原龍一組(2025年3月27日、米ボストンで)=武藤要撮影
ペアの歴代最高は、北京五輪で隋文静、韓聡組(中国)が記録した239・88点。今大会で日本勢初のメダルが期待される世界王者の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)の自己ベストは昨年4月の226・05点。今季の世界最高も「りくりゅう」ペアの225・21点に過ぎず、歴代最高とは差がある。
女子の場合はさらに差が大きい。世界歴代最高得点はカミラ・ワリエワ(ロシア)の272・71点。今季の世界最高は坂本花織(シスメックス)の227・18点で、その差は45・53点に上る。北京五輪シーズンの2021年11月、当時15歳だったワリエワは、GPシリーズのロシア杯フリーで、2種類の4回転ジャンプ3本を組み込んだ高難度プログラムを披露するなどして最高得点をマーク。SPでも歴代最高を記録していた。フリーの技術点はその大会の男子全員を上回る109・02点。ちなみに今季の女子フリー最高得点はNHK杯の坂本で、技術点は76・74点だった。ワリエワは北京五輪の前半にドーピング疑惑が発覚。後半に行われた女子は4位で、坂本が銅メダルを獲得した。

全日本選手権女子SPの演技を終えて拳を握る坂本花織(昨年12月19日)=武藤要撮影
アイスダンスの歴代最高は、北京五輪4位のマディソン・チョック、エバン・ベーツ組(米)が23年4月にマークした232・32点。今季最高は1月の欧州選手権で記録さされたはロランス・フルニエボードリー、ギヨーム・シゼロン組(仏)の222・43点。
フィギュアの採点基準は、しばしば改正が行われていて、異なる時代を一概に比較できない面もある。ただ、得点比較はファンの楽しみの一つだろう。果たして今大会で歴代最高得点の更新はみられるだろうか。