スピードスケート・高木美帆が挑む1500メートル金メダルの悲願。インタビューで見えた「強さの秘密」
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開幕
2026年2月6日から22日まで開催される冬季オリンピック ミラノ・コルティナ大会が開幕した。開幕早々、日本代表選手の活躍が連日報じられている。日本に最初のメダルをもたらしたのは、スキージャンプ女子ノーマルヒルで銅メダルをとった丸山希選手。スノーボード男子ビッグエアでは木村葵来選手が金メダル、木俣椋真が銀メダルの快挙を成し遂げた。
フィギュアでは団体予選から三浦璃来選手と木原龍一選手の「りくりゅうペア」、女子シングルの坂本花織選手、鍵山優真選手が1位となる高得点をたたき出し、アメリカ団体との1点差で2位につけて決勝に向かい、見事に銀メダルを手にした。
多くの選手の中でも多くの注目を集めるのが、今回で4回目の五輪代表となった女子スピードスケートの高木美帆選手だ(高は本来ははしご高)。
FRaUwebでは夏に高木選手にオリンピックに先んじてのインタビューを行っている。改めて振り返りたい。
最年少の15歳で初選出、3回代表となった絶対王者
高木選手は、2010年冬季オリンピック バンクーバー大会で、スピードスケート史上最年少の15歳で日本代表に初選出。その後、2014年のソチは代表入りを逃したが、2018年の平昌、2022年の北京とこれまでに3回の冬季オリンピックに出場、パシュート、1000m、1500mで「史上初」「記録を塗り替える」メダル獲得を次々と成し遂げてきた。北京冬季オリンピックでは3000mにも出場して6位に入賞し、日本人選手史上最多のメダルを獲得している。
メダルの数だけではない。女子1500mの世界記録保持者にして、1000mと3000mの日本記録保持者。2024年3月31日のワールドカップ第4戦で女子1000mを1分13秒56で制してW杯通算35勝目(1000m11勝、1500m23勝、3000m1勝)を挙げ、日本歴代最多記録を更新した。

2022年の北京冬季オリンピックでの1000メートル。日本スピードスケート女子に初の金メダルをもたらした Photo by Kaoru Watanabe/JMPA
2025年3月15日には、ノルウェーのハーマルで開催された世界距離別スピードスケート選手権大会で女子1000mに出場し、1分14秒75で優勝。個人種目で日本女子初の連覇を達成した。女子パシュートでも2020年2月14日のソルトレークシティーで前回のインツェルに続き優勝し、連覇している。世界記録をもちながら、オリンピックでは銀メダルにとどまっている1500メートルでの悲願の金メダルも期待されている。

Photo by Kaoru Watanabe/JMPA
強さの秘密に迫った3回のインタビュー
その強さの秘密に迫るために、おこなったインタビューの第1回では「幼少期からの育ち方」を聞いた。 スケートとサッカー、ダンスを習っていたという高木選手は、小学校5年生のとき、ハムストリングス(太ももの裏側、大腿ニ頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)を意識して歩くことなど、「考えてトレーニングする」ことを指導され、今につながっていると語っている。

第2回では、ソチの代表入りを逃したからこそその後につながったという「オリンピックの思い出」を語った。彼女にとってのオリンピック、過去の大会で得たもの・得られなかったものについても語ってくれた。

最終回の第3回は進化し続ける理由、そして2026年に向けて、オリンピック8ヵ月前の率直な言葉を聞いた。「今の望みは、具体的に言えば1500mのオリンピックの金メダルだったり、純粋に『速く滑りたい』ということになります」としっかり言い切っていた。

インタビューを通して感じたのは、高木選手が冷静な視点と熱い思いを併せ持っているということ。そして、高木選手がこうして「史上初」の栄光を山のように受け取ってきたのは、自身の身体能力の高さに甘んじず、「自分の頭で考え、壮絶な努力し続けてきたから」という現実だ。小学5年生のころから、ハムストリングスを意識して階段を歩いた問エピソードからもわかるように、普段から考えて行動することで確実に自身が進化することを知ったのだ。
高木美帆選手はミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、1000メートル、1500メートル、そして団体パシュートの代表選手だ。出場が予想されるスピードスケートのスケジュールは以下の通りとなっている。
2月10日(日本時間1時30分~)女子1000m決勝
2月15日(日本時間0時00分~)女子団体パシュート準々決勝
2月17日(日本時間22時52分~)女子団体パシュート準決勝・決勝
2月21日(日本時間0時30分~)女子1500m決勝
絶対王者と言われる32歳の今も、考え続けている高木選手。「現状維持で待っているのは退化」と語った高木選手の進化を、同じ時代に同じ国で生きている喜びとともに見届けたい。
文/FRaUweb新町真弓