もはや7番アイアンも不要?女子プロの使用者も多い「ショートハイブリッド」がスコアアップに直結する理由

同じロフト角ならばショートハイブリッドを選ぶ女子プロ

 現在のアイアン市場は「飛び系」が主流になっています。一部のアスリート向けプロモデルでは、昔と比べてもロフトに大きな変化はありませんが、アイアン全体として見ると7番アイアンの平均ロフト角は30度を切ろうとしていて、以前より立ってきています。

飛び系アイアン全盛なのに、アイアンと同等の飛距離のショートハイブリッド(5~7番ユーティリティー)が人気の理由とは

 ちなみに飛び系アイアンの元祖ともいえるダンロップ「ゼクシオ(XXIO)」の最新モデル「ゼクシオ 14」の7番アイアンはロフト角28度、兄弟モデル「ゼクシオ 14+」の7番アイアンは28.5度になりましたが、ともに飛距離性能はもちろん弾道高さもしっかり出るモデルとして好評を博しています。

 今では主要メーカー各社から、やさしく飛距離が出るアイアンが発売されています。ところが国内女子ツアーのトッププロたちはアイアンの本数を減らし、そのぶんショートハイブリッド(5~7番ユーティリティー)を数多くキャディバッグに入れるようになりました。

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 中には5番、6番だけでなく、7番アイアンすら入れていない選手もいます。彼女たちは「長い番手のアイアンよりショートハイブリッドがいい」と判断したわけです。

飛び系アイアンの代表格・ダンロップ「ゼクシオ(XXIO) 14」の7番アイアンのロフトは28度

 ショートハイブリッドは中古市場でも人気で、どのモデルでも品薄状態が続いているそうです。ミート率が極めて高い女子プロにとってメリットがあるなら、アマチュアゴルファーがマネするのは自然な流れでしょう。

ミート率が低くても恩恵を受けやすいショートハイブリッド

「ゼクシオ 14」を例に挙げると、7番アイアンよりも7番ハイブリッドの方がロフトが大きい(30度)のですが、シャフトが軽くて長さもあるためヘッドスピードもボールスピードも平均的に出ます。

アイアンに比べてショートハイブリッドはFP(フェースプログレッション)が大きいため、ダフリ&トップのミスに強く、幅広いゴルファーが恩恵を受けられる

 加えてハイブリッドの場合、ネックよりもフェースが前に出ているためシャンクの心配もなく、上下左右のミスヒットに対する寛容性が非常に大きいのが特長です。

 ヘッド特性でいうと、FP(フェースプログレッション)が大きくなるハイブリッドはグースネックのアイアンに比べてダウンブローにインパクトしやすく、ダフリ&トップも出にくくなります。

 要するにアバウトにスイングしたりミスヒットしようとも「アイアンでのナイスショット以上の結果」を得やすく、プロダムでなくミート率が低いゴルファーでも恩恵を受けやすいのがショートハイブリッドなのです。

ハイブリッドはコース状況で活躍の場が変わる

 ほぼ同等の飛距離が打てるアイアンとショートハイブリッドだとしても、ヘッド形状が大きく異なる両者では使い勝手が変わります。

 ショートハイブリッドはアイアンよりヘッド自体は大きいのですが、インパクト時の接地面積は少なく、そのぶん芝の抵抗に負けずに振り抜きやすい特長があります。

ソール接地が少ないハイブリッドの方がインパクト時の芝の抵抗は少ない

 また、「高打ち出し&低スピン」弾道のショートハイブリッドは、さまざまなライによるスピン量の増減差も少なくなります。ゴルファー自身の腕前の差もコース状況の差も弾道結果に表れにくく、ショットの再現性が高いのがショートハイブリッドといえるでしょう。

 ただし、どんな状況下でも高い弾道になるハイブリッドは、「強風時」の番手選びが難しくなります。その点は、ボール位置やハンドファーストの度合いで打ち出し角を調整できるアイアンのほうが使いやすいと感じる人も多いでしょう。

 またフェースがラウンドしている(丸みがある)ハイブリッドでは、大きくトゥやヒールに外して打ったときの方向性にバラツキが出やすいです。対して平らなフェースのアイアンは、左右のバラツキはあまり出ません。

 高さと飛距離が出せるヘッドスピードの速いゴルファーがショートハイブリッドよりアイアンを好む傾向があるのは、クラブ特性によるものなのです。

 こうしたメリット・デメリットを理解したうえで、状況や調子によってショートハイブリッドとアイアンのどちらをキャディーバッグに入れるか選べるようにしておくことをお勧めします。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティ「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

猿場トール

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