ミラノ五輪 りくりゅう閉会式で「地上リフト」に歓声 史上最多24個メダルに中国羨望

閉会式で行進する日本選手団。三浦璃来を持ち上げる木原龍一が見られた=22日午後、イタリア・ベローナ
世界遺産、イタリア・ベローナの円形闘技場「アレーナ・ディ・ベローナ」に、冬の祭典の終幕を告げるファンファーレが響き渡った。現地時間22日夜(日本時間23日早朝)、第25回冬季オリンピック・ミラノ・コルティナ大会は、幻想的な閉会式でその幕を閉じた。
地上でもリフトの「りくりゅう」に胸アツ

閉会式で行進する旗手の坂本花織と森重航=22日午後、イタリア・ベローナ
日本選手団は旗手をフィギュアスケート女子銀メダルの坂本花織とスピードスケート男子の森重航2人が務めた。1つの国旗を振りながら登場すると、今大会、フィギュアスケート・ペアで日本勢初となる歴史的な金メダルに輝いた「りくりゅう」こと三浦璃来と木原龍一のパフォーマンスが会場をくぎづけにした。

フィギュアスケート エキシビションでも魅了したペアの三浦璃来、木原龍一組
各国選手がスマートフォンで記念撮影を楽しむ中、木原は三浦を片手で高々と持ち上げる「地上リフト」を披露。三浦はその高い視点から会場の熱狂を動画に収め、金メダリストの貫録と遊び心を見せつけた。二人の絆が氷上ならぬ陸(りく)の上でも固く結ばれていることを証明するこのシーンに、会場からは惜しみない喝采が送られた。

スノボ女子スロープスタイルで金メダルを手にする深田茉莉
木原は「ミスから心が折れそうになったが、仲間の励ましで立ち直れた」と感謝を語り、三浦は「自分たちを信じ、最後まで諦めずに滑り切れた」と激闘を振り返った。
中国SNSが「いつ日本を上回れるのか」と嘆く、日本の圧倒的メダル数
今回のミラノ・コルティナ五輪で、日本選手団は冬季五輪史上最多を更新する計24個(金5・銀7・銅12)のメダルを獲得した。この「メダルラッシュ」に、激しい羨望の眼差しを向けているのが隣国の中国だ。
中国勢は今大会、金5を含む計15個のメダルを獲得し、海外開催の冬季五輪としては史上最高成績を収めた。しかし、メダル総数では日本に大きく水を開けられ、国別ランキングでも日本の10位に対し中国は12位。中国のSNS上では、競技の裾野が広い日本に対し「いつになったら日本を上回ることができるのか」といった羨望と自虐混じりの投稿が相次いだ。
「蝶々夫人」で登場の日本出身女優・市川純
「躍動する美」をテーマに掲げた式典は、独創的な演出で観客を魅了した。オペラの名作『椿姫』や『アイーダ』が彩る中、オープニングでピンクの着物姿で舞ったのは、熊本出身の女優・市川純だ。
8歳からローマで暮らし、現地で「世界で最も成功した日本人100人」にも選ばれる彼女は、2025年大阪・関西万博のイタリアアンバサダーも務める。日伊文化交流の懸け橋として披露された彼女の熱演は、聖火が消えゆくスタジアムに華やかな日本の美を添えた。
橋本聖子会長が涙した「継承」の物語
JOCの橋本聖子会長は大会を振り返る会見で、スピードスケート女子で通算10個のメダルを獲得した高木美帆を「彼女がいなければ今の競技は成り立たない」と涙ながらに称賛。また、スノーボード陣の躍進を、かつてのレジェンド国母和宏の服装問題を述懐しながら、それが平野歩夢、そして今大会のメダリストへと続く「途切れない系譜」の結果であると総括した。
JOCの公式交流サイト(SNS)の動画再生回数が計2億回と過去最高を記録したことにも触れ、「多くの反響を呼んだことに感謝している」と述べた。一方で、選手への誹謗中傷への削除要請が約1900件に上るなど、デジタル時代の課題も浮き彫りに。伊東秀仁団長は「ベテランと勢いのある若手がうまく噛み合った」と大会を総括した。
(zakⅡ編集部)