F1開幕。レギュレーションの大幅変更、新チーム参戦やパワートレーン変更で混戦模様【F1 2026プレビュー】

2026年3月6日(現地時間)、F1グランプリがオーストラリア・メルボルンで開幕する。2026年シーズンからパワーユニットやシャシのレギュレーションが大幅に変更され、どのチームが速いのか、戦い方がどうかわるのか予想できない状況だが、まずはレギュレーション変更と新たなチーム体制について見ていこう。

パワーユニットだけでなくマシン、空力も刷新

最大の注目点はパワーユニットの大幅変更。2014年から2025年まで使用されてきた1.6L V6ターボハイブリッドのパワーユニットは、ICE(内燃機関)と電気モーターの出力比率が8:2だったが、2026年はICE出力が550kWから350kWに抑えられる一方で、電気モーター出力が120kWから350kWへと約3倍に増加し、ICEと電気モーターの出力比率が5:5に変更された。

また技術的に複雑でコストもかかるMGU-H(熱エネルギー回生システム)は廃止され、パワーユニットの構成がシンプルに。これは新しいマニュファクチャラーがより参加しやすい形で、パワーユニットマニュファクチャラーは2025年までの4社から5社に増加、より競争が激化することになった。

さらに燃料も大きく変更された。植物由来のエタノールを10%混合した従来までの「E10燃料」から、CO2を実質的に増やさない合成燃料を100%使用したカーボンニュートラル燃料「E100燃料」の使用が義務づけられることになった。この燃料はチームの独自開発が可能で、その開発競争もレースの勝敗に大きな影響を与えそうだ。

画像1: パワーユニットだけでなくマシン、空力も刷新

マシンレギュレーションも大きく変わった。車幅は最大2000mmから1900mmに、ホイールベースは最大3600mmから3400mmに短縮され、最低重量はこれまでよりも30kg軽い768kgへと変更。さらにタイヤ幅もフロントで25mm、リアで30mm縮小された。

さらに、可動式リアウィングにより空気抵抗を減らして最高速を高めるDRS(ドラッグリダクションシステム)に代わって、前走車から1秒以内に近づくと追加の電気エネルギーが使える「オーバーテイクモード」が備わる。ただしこれはバッテリー電力を大きく使用することになるうえ、どのような使われ方をするのかはまだわからない。

「アクティブエアロダイナミクス」の導入もレースを変えることになるかもしれない。これはフロントが2エレメント、リアが3エレメントで構成され、ドライバーがその角度を自由に自在に切り替えることができるというもので、ドライバーはいつでも操作することができる。

マシンのレギュレーション変更はオーバーテイクやバトルを増やし、レースをよりエキサイティングにするためのもの。今回の変更によって2026年シーズンはこれまでとは大きく違ったレース展開となりそうだ。

画像2: パワーユニットだけでなくマシン、空力も刷新

キャデラックの新規参入でチーム数が11、台数は22台に増加

次に、2026年に向けてのチーム体制を確認しておこう。上位チームは2026年の大幅レギュレーション変更に合わせて2025年からすでに準備を進めていたこともあり、ドライバーラインナップに大きな変更はない。それでも、レッドブルではマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、アイザック・ハジャーがレーシングブルズから移籍。ハジャーの抜けたレーシングブルズにアービッド・リンドブラッドが加入。それに伴い角田裕毅はレギュラーシートを失い、レッドブルのテスト&リザーブドライバーに就任した。

このほか、アウディがキックザウバーを買収してパワーユニットも開発するワークスチームとして参戦。キャデラックが新たに「キャデラックF1チーム」を立ち上げて新規参入を果たし、チーム数は11に、台数は22台に増加する。

キャデラック/フェラーリ

ルノーがパワーユニットマニュファクチャラーとしての供給を終了したが、「ホンダ」がアストンマーティンと組んで完全復帰し、「アウディ」がワークス参入、レッドブルパワートレーンズが2025年までのホンダとの技術提携を下に「レッドブル・フォード」としてレッドブルとレーシングブルズにユニットを供給することになる。従来から変わらない「メルセデス」と「フェラーリ」を加えた、5社による戦いとなる。

なお、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)がハースのタイトルパートナーに就任したことを受けて、テスト&リザーブドライバーに平川亮が起用されている。

シーズン開幕前から、メルセデスのエンジン圧縮比疑惑をはじめとするさまざまな話題で盛り上がっているが、果たしてどれが真実なのか、どれほど大きな影響を与えるのか、どのチームもレギュレーションの抜け道を模索している状況で、まだシーズンがどうなるのか不透明。そんな状況のまま、オーストラリアGPはもうすぐ開幕する。

2026年シーズン F1世界選手権 チーム体制

【マクラーレン】

マシン:MCL40

パワーユニット:メルセデス

1.ランドノリス

81.オスカー・ピアストリ

【メルセデス】

マシン:W17

パワーユニット:メルセデス

63.ジョージ・ラッセル

12.アンドレア・キミ・アントネッリ

【レッドブル】マシン:RB22

パワーユニット:レッドブル フォード

1.マックス・フェルスタッペン

6.アイザック・ハジャー

【フェラーリ】

マシン:SF-26

パワーユニット:フェラーリ

16.シャルル・ルクレール

44.ルイス・ハミルトン

【ウィリアムズ】

マシン:FW48

パワーユニット:メルセデス

23.アレクサンダー・アルボン

55.カルロス・サインツ

【レーシングブルズ】

マシン:VCARB03

パワーユニット:レッドブル フォード

30.リアム・ローソン

41.アービッド・リンドブラッド

(リザーブドライバー:角田裕毅)

【アストンマーティン】

マシン:AMR26

パワーユニット:ホンダ

14.フェルナンド・アロンソ

18.ランス・ストロール

【ハース】

マシン:VF-26

パワーユニット:フェラーリ

31.エステバン・オコン

87.オリバー・ベアマン

(リザーブドライバー:平川亮)

【アウディ】

マシン:R26

パワーユニット:アウディ

27.ニコ・ヒュルケンベルグ

5.ガブリエル・ボルトレート

【アルピーヌ】

マシン:A526

パワーユニット:メルセデス

10.ピエール・ガスリー

43.フランコ・コルピント

【キャデラック】

マシン:名称未発表

パワーユニット:フェラーリ

11.セルジオ・ペレス

77.ヴァルテリ・ボッタス