侍ジャパン・佐藤輝明が天覧タイムリー「積極的に行くのは自分の持ち味」代打でWBC初安打&初「お茶たてポーズ」

八回、佐藤が適時二塁打。オーストラリアを突き放した(撮影・今野顕)
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は8日、東京ドームでオーストラリアと対戦し、4-3で3連勝とした。七回に吉田正尚外野手(32)=レッドソックス=の2ランで逆転。2―1の八回1死一、三塁で佐藤輝明内野手(26)=阪神=が代打登場し、左翼線にWBC初安打となる適時二塁打を放った。日本の1次リーグC組1位が確定し、準々決勝進出が決定。同戦は天皇ご一家が観戦される「天覧試合」となった。

佐藤輝明の2026年WBCアットバット
虎を代表して日の丸を背負うサムライが、ひと振りで結果を出した。名前がコールされると、東京ドームのボルテージは最高潮に達する。佐藤が初球を仕留めた。
「点を取りたいという気持ちでバッターボックスに向かいました。積極的に行くのは自分の持ち味なので、そこが出せてよかったなと思います」
観戦された天皇陛下の前で、値千金の適時打を放った。野球のプロ選手が出場する試合では60年ぶり3度目の天覧試合。1点を先制されるも、七回に吉田の2ランで逆転。追加点が欲しい八回1死一、三塁で、佐藤が代打で起用された。
逆方向に力強くはじき返した打球は、左翼線にポトリと落ちた。WBC4打席目で初安打&打点。初めての〝お茶たてポーズ〟を披露した。「自分が打つのは初めてだったので、よかった」。結果的に1点差試合で貴重な1点となった。
「『ナイスバッティング』と言ってもらえてよかった」
適時打の後、大谷(ドジャース)から声をかけられ、白い歯がこぼれた。メジャーリーガーとの共闘がかけがえのない時間になっている。打撃練習では毎日、大谷の前の班でまわる。世界最高の選手から学ぶ日々だ。

佐藤に迷いなし。抜群の集中力を見せた=東京ドーム(撮影・松永渉平)
「2回目に優勝したときのイチローさんのタイムリーとか、見ていたので。子供ながらに、かっこいいなと思いながら見ていました」
2009年のWBCで日本中を熱くさせた一打を、佐藤少年も目に焼き付けていた。「まねとかしていましたよ」と、その日からバットを手に取り、日の丸を背負う日を思い描いた。それから17年。今度は自らの一打が日本を熱狂させた。
昨季は40本塁打、102打点でセ・リーグ2冠を獲得し、MVPに輝いた。まぎれもなく、日本球界を代表する選手だ。そんな佐藤でさえ、メジャーリーガーが参加する今大会ではベンチスタートとなったが、代打の一打席にかけてきた。
「しっかり中(ベンチ裏)で準備して。難しさはありますけど、できるだけ、いつもと変わらず行くというのが大事かなと思います」
試合中もベンチ裏に下がり、一瞬への準備を重ねた。守備でも本職の三塁に加えて外野も守るなど万全の状態を作った。
この日の試合前に台湾が韓国に延長十回タイブレークの末に5-4で勝ち、10日のチェコ戦を残し、日本の1次リーグC組2位以内と準々決勝進出が決定。しかしオーストラリアに負ければ2位確定だった。準々決勝の日本戦は米フロリダ州マイアミで14日(日本時間15日)に行われ、ベネズエラかドミニカ共和国と対戦する可能性が高い。

佐藤輝は二塁上で〝お茶たてポーズ〟を披露した=東京ドーム(撮影・佐藤徳昭)
「負けられない戦いはこの3試合もやってきた。向こう(マイアミ)に行って、頑張ります」
佐藤が闘志を燃やした。イチローが放ったような日本を救う一打を再現する。侍ジャパンに4度目の優勝をもたらす。(中屋友那)