阪神・ルーカス、大谷級スイーパー炸裂! 初登板・甲子園で3回0封「自分には合うマウンドで投げやすかった」開幕5戦目へ前進!

甲子園初登板で快投したルーカス。開幕ローテ、任せろ!(撮影・水島啓輔)
(オープン戦、阪神2-1西武、10日、甲子園)これが魔球だ! 阪神は西武に2-1で勝利。先発として甲子園初登板を果たしたイーストン・ルーカス投手(29)=前ブルージェイズ=は3回2安打無失点。自慢のスイーパーで2三振を奪った。打者が腰を引くほどの変化量は米大リーグ、ドジャースの大谷クラス。開幕ローテーション入りが決定的な左腕は日本の公式球がマッチしていると強調した。
長い左腕を鞭のように使う。繰り出される変化球はまさに魔球だ。虎党の声援を一身に浴びながら初めて甲子園のマウンドに上がったルーカスは、NPB球によって進化したスイーパーを武器に西武打線を圧倒した。
「うまく使えたね。実際の曲がり幅は数字を見ていないからわからないけど、感じとしては日本のボールの方が握りやすくて投げやすいと感じる。しっかり効果がある球種だと思うから、より精度を上げていけるように頑張りたい」
初回から圧巻のパフォーマンスだった。先頭の桑原を右飛に打ち取ると、西川には2ストライクから決め球にスイーパーを選択。体を目掛けて投げ込まれた一投に打者は思わず腰を引いたが、途中で軌道を大きく変えてストライクゾーンの真ん中低めにズドン。「ああいうリアクションが出ることは決して悪くない」とうなずいた一球に、西川も天を見上げるしかできなかった。さらに続く渡部にもバックドアで投げ込んで2者連続で見逃し三振。二、三回はピンチを背負いながらも要所を斬って無失点投球とした。
スライダーと比べて横方向への変化量が極めて大きく、沈みこまない軌道が特徴のスイーパー。ルーカスが操るスイーパーの威力は45センチ前後の変化量を誇る大谷級だ。日米通算81勝を挙げる大谷にとって、スイーパーは投球の軸を担う球種。2023年のWBC決勝では米国のトラウトを空振り三振に斬って、14年ぶりの世界一の瞬間を演出した球だ。ルーカスの投球スタイルは最速156キロの直球とスイーパーのコンビネーションを生かすもの。「混ぜ合わせて使えば機能する」と確固たる自信を胸に秘める。

西川が腰を引いて見逃し三振。これがルーカスのスイーパーだ
この日の投球は開幕5戦目、4月1日のDeNA戦(京セラ)の先発を手繰り寄せた。開幕ローテは開幕投手の村上と才木が確実。開幕カードでの先発は大竹、高橋が有力でルーカス、伊原、伊藤将、ラグズデール(前ブレーブス)と候補が続く。藤川監督は「悩みはないです」ときっぱり。ルーカスについては「順調に次の登板に向かうことができることを願っています」とうなずいた。
昨季、米大リーグで3勝を挙げた左腕は海を渡り、タテジマユニホームに袖を通した。初めて踏んだ本拠地のマウンドも「自分には合うマウンドで投げやすかった」と好印象。「今のところ、大きく変えるべき部分を見つけたわけではない」。魔球で打者を斬り、チームを球団初のリーグ連覇、そして日本一に導く。(萩原翔)
■スイーパー スライダーの一種で、横の変化量が極めて大きく、縦の落差が少ないことが特徴。英語のスイープ(sweep、一掃する)が由来。2022年頃から米国を中心に呼び名が広がり、大谷(ドジャース)や今永(カブス)らが得意球とする
■イーストン・ルーカス(Easton Lucas) 1996年9月23日生まれ、29歳。米国出身。2019年のMLBドラフト14巡目(全体411位)でマーリンズから指名され、同年12月にオリオールズ移籍。23年7月に藤浪とのトレードでアスレチックスに移籍し、9月にメジャーデビュー。24年途中にタイガースをへてブルージェイズに移籍。昨季は6試合登板で3勝3敗、防御率6・66。メジャー通算20試合(先発5試合)で4勝3敗、防御率8・02。年俸120万ドル(約1億8840万円)。191センチ、94キロ。左投げ左打ち。背番号「42」

23年のWBC決勝。大谷がトラウトからスイーパーで空振り三振を奪い、優勝を決めた