規格戦争の勝者と敗者。140年分を並べたら、同じ5つの条件で明暗が分かれていた

この記事で学べること, 天才エジソンは、犬に電流を流した, 松下幸之助は、蓋を開けて一言つぶやいた, 消費者の97%に嫌われても突っ走った男たち, 1社が抜けたら、46日で全滅した, 特許を手放したら、世界標準になった, まとめ:規格戦争で明暗を分けた5つの条件

規格戦争の勝者と敗者。140年分を並べたら、同じ5つの条件で明暗が分かれていた

この記事で学べること

「うちの技術は優れてるのに、なんで選ばれへんの?」

140年分の規格戦争を並べたら、勝敗を分けた5つの条件が見えてきた。

味方を増やすか、敵を作るか:犬44匹に電流を流してネガキャンした天才と、万博の一夜で全部持っていった実力派

✓ 消費者が求める方向はどっちだったか:画質で勝ってたのにシェア100%→25%に転落した規格と、録画時間で逆転した規格

✓ 味方の増やし方の違い:ゲーム機1,050万台を「別の入り口」にして勝った規格と、正面突破だけで46日で全滅した規格

手放す vs 独占の明暗:特許使用料ゼロ円で年間1兆回使われるようになった技術と、囲い込んでEU規制で終わった技術

✓ 味方ゼロで始めるとどうなるか:消費者の97%に反対されて1.14億ドル溶かした「使い捨てDVD」

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天才エジソンは、犬に電流を流した

1880年代。エジソンは追い詰められてた。

自分が推す直流(DC)は、発電所から1km以内しか届かん。

ライバルが推す交流(AC)は長距離送電ができる。技術的にはACの方が上やった。

エジソンが選んだのは、技術を磨くことやなかった。

44匹と子牛6頭に公開で電流を流した。

AC電気椅子の開発まで支援して、「ACは命に関わる電流だ」とキャンペーンを打った。

恐怖で相手の仲間を減らそうとした。

でも1893年、シカゴ万博で決着がつく。

ウェスティングハウスが圧倒的な入札価格でAC照明の契約を獲得。

万博会場が交流電力で美しく照らされた瞬間、電力会社も都市も一斉にAC側についた。

エジソンもAC事業を取り込む形でGEに合併。

GEは米国電力事業の75%を掌握したけど、それはACの力。

ニューヨーク最後のDC送電が止まったのは2007年

ACは技術で勝ってた。でもそれだけやない。

シカゴ万博で実力を見せて、一気に味方を増やした。

エジソンはネガキャンで相手の味方を減らそうとして、結局自分も飲み込まれた。

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松下幸之助は、蓋を開けて一言つぶやいた

ACの時代から約90年後。技術で勝ってたのに負けた規格が現れる。

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1975年、ソニーがベータマックスを発売。

シェア100%。画質はVHSより上。

でもソニーの盛田昭夫さんは録画時間を1時間にした。

「テレビ番組を録るだけやから十分」と。

ビクターはアメリカの声を聞いてた。

「映画は2時間あるやん」

VHSは2時間録画で設計された。

勝負を決めたのは松下幸之助さん。

VHSとベータを並べて蓋を開けた。

部品が少ないVHSを見て一言。

「1,000円でも100円でも安く作れるほうをとる」

松下が動いたら日立、三菱、シャープが一斉にVHS陣営へ。

量産が始まって価格が下がる。価格が下がるから売れる。売れるからレンタル屋もVHSを並べる。

ビクターはVHSのライセンスもオープンにした。

「技術を独占するな。仲間を増やせ」

1987年、VHS対ベータ = 9対1。

52億ドル市場の90%がVHS。

1988年、ソニーが自社でVHS機を出した。

ベータを作った会社がVHSを売り始めるって、もう白旗よね。

ベータは「画質」っていうメーカーが見せたい方向で勝ってた。

VHSは「録画時間」っていうお客さんが求めてた方向で勝ってた。

お客さんの方を向いた技術に、仲間が集まった。

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消費者の97%に嫌われても突っ走った男たち

VHSは消費者の声を聞いて仲間を増やした。

その15年後、消費者の声を完全に無視した商品が現れる。

1998年、家電量販店Circuit Cityが「使い捨てDVD」を発売した。

名前はDIVX。1枚4.50ドルで48時間しか見られん。

その後は追加料金を払うか捨てるか。

「レンタル返却が面倒」って声から生まれた商品やった。

でも消費者が求めてたのは「返却が楽なこと」やなくて「所有すること」。

786人に聞いたら97%が反対。

「無料でもいらない」が86%

Blockbuster等の主要チェーンは取り扱い全拒否。

専用プレーヤーは通常の2倍の価格やのに、普通のDVDは再生できん。

買った客が「壊れてる」って持ち込んでくる始末。

1年で撤退。損失1億1,400万ドル

Circuit City自体も2009年に潰れた。

エジソンは「恐怖」で相手の味方を減らそうとした。

DIVXは「メーカーの都合」を消費者に押し付けた。

やり方は違うけど、結果は同じ。味方を増やす代わりに敵を作った。

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1社が抜けたら、46日で全滅した

DIVXは味方がゼロで負けた。

でも味方が多ければ安心かっていうと、そうでもない。

2006年、次世代DVD戦争。Blu-ray vs HD DVD。

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ソニーはPS3にBlu-rayドライブを載せてた。

ゲーム機がそのまま再生機になる。えぐい作戦やん。

2007年時点でHD DVDが75万世帯の時、PS3は既に1,050万台出てた。

Blockbusterが250店舗でテストしたら高画質レンタルの70%がBlu-ray。

2008年1月4日、Warner Bros.がHD DVD陣営から離脱。

ここからドミノが止まらん。

Woolworths820店舗がHD DVD棚を撤去。

Best BuyがBlu-ray推奨に切り替え。

Netflix、HD DVD在庫を段階的に廃止。

Walmart、HD DVD販売を停止。

2月19日、東芝がHD DVD撤退。

Warnerが抜けてからたった46日

東芝の技術が劣ってたわけやない。

味方が1社抜けただけで、残りも一斉にいなくなった。

Blu-rayが勝てたのは、PS3っていう「別の入り口」で先にユーザーを確保してたから。

正面突破だけのHD DVDとは、足場の厚みが違った。

味方は「数」だけやない。「どう繋ぎ止めるか」が勝負を分ける。

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特許を手放したら、世界標準になった

味方を最大化する方法は何か。

答えはシンプルやった。「手放す」。

QRコード。年間1兆回スキャンされてる。

特許使用料はゼロ円。

開発したのはデンソーウェーブの原昌宏さん。

きっかけは工場の作業員の一言。

「バーコード10個読むの疲れる」

1994年、バーコードの200倍の情報量を持つコードを作った。

技術的には圧倒的に上やった。

でもデンソーウェーブはそこで止まらんかった。特許を持ってたのに使用料を取らなかった。

原さんの言葉がすごい。

「特許使用料を取っていたら、ここまで普及しなかったかもしれない」

技術で圧倒し、さらに特許を手放して仲間を最大化した。

決済に使われるなんて完全に想定外。

工場の部品管理用に作ったコードが、今や世界中の決済、物流、広告で使われてる。

じゃあ逆に、独占で稼ぎ続けようとしたらどうなるか。

2012年、AppleがLightningコネクタを発売。iPhone専用の独自規格。

サードパーティがケーブルを作るには、Appleに認証料を払わなあかん。

この囲い込みで年間推定100億ドル以上の収益を得てた。

でも2022年、EU議会がUSB-C統一法案を可決。

年間4億台以上のスマホに影響する規制。

Appleは2023年のiPhone 15で、渋々USB-Cに切り替えた。

QRコードは手放して世界標準になった。

Lightningは囲い込んでEU規制で終わった。

ベータの囲い込みは「市場」に負けた。Lightningは「規制」に負けた。

時代が変わっても、結末は同じ。

今、新スマホの85%以上がUSB-C。

EUの試算では、統一で年間1.1万トンの電子廃棄物が減るらしい。

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まとめ:規格戦争で明暗を分けた5つの条件

規格戦争は技術で始まる。でも技術だけでは終わらない。

140年分の事例を並べたら、勝者と敗者の共通点がはっきり見えた。

1. 消費者が求める方向に技術を合わせたか、自分が見せたい方向に固執したか

・VHS:お客さんが求めてた「2時間録画」に合わせた → 勝ち

・ベータ:メーカーが推したい「高画質」に固執した → 負け

明日からできること

自社の商品を「お客さんが本当に求めてること」で1行に書き直してみる。技術スペックやなくて、生活シーンで。

2. 独占を手放したか、囲い込んだか

・QRコード:特許ゼロ円で仲間を最大化 → 年間1兆回

・Lightning:独自認証で仲間を制限 → EU規制で強制終了

明日からできること

自社で囲い込んでるもの(ツール、データ、ノウハウ)を1つ挙げて「開放したらどうなるか」をシミュレーションしてみる。

3. 「別の入り口」で味方を増やしたか、正面突破だけだったか

・Blu-ray:PS3で先にユーザーを確保 → 1,050万台

・HD DVD:正面突破のみ → 75万世帯で止まった

明日からできること

自社の商品を「別の入り口」で届ける方法を1つ考える。既存の顧客接点やパートナーで代用できるものはないか。

4. 味方を繋ぎ止めたか、1社の離脱で崩壊したか

・VHS:松下→日立→三菱→シャープと仲間が雪崩で増えた

・HD DVD:Warner 1社が抜けたら46日で全滅

明日からできること

自社の提携先を全部書き出して「この1社が抜けたら致命傷か?」を確認する。

5. 実力で味方を増やしたか、ネガキャンで相手の味方を減らそうとしたか

・AC:シカゴ万博で実力を見せて支持者を増やした → 100年以上の標準

・DC:犬に電流を流して恐怖で支持者を奪おうとした → 万博の一夜で消えた

明日からできること

ライバルの悪口に使ってる時間とエネルギーを、自社の強みを証明する場に振り向ける。

この5つの条件、今まさに同じ法則で勝負がついてる。

テスラは充電規格をオープン化。Ford、GM、トヨタ、ホンダ。北米の全主要メーカーが採用して事実上の標準になった。

AIの世界でも、Anthropicが接続規格をオープンソースで公開。OpenAIもGoogleも採用した。ライバル同士がオープン標準を作ってる。

VHSのオープンライセンス、QRコードの特許無料化と同じ構図。140年間、変わっていない。

この記事で学べること, 天才エジソンは、犬に電流を流した, 松下幸之助は、蓋を開けて一言つぶやいた, 消費者の97%に嫌われても突っ走った男たち, 1社が抜けたら、46日で全滅した, 特許を手放したら、世界標準になった, まとめ:規格戦争で明暗を分けた5つの条件

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規格戦争は技術で始まる。でも味方の数で終わる。

あなたのビジネスで、味方は増えてるやろか。

それとも気づかんうちに、味方を減らす行動をとってないやろか。

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