高木美帆が記者会見「滑らないこと寂しい」…ただ当面は「スケート界にかかわる予定ない」

 今季限りでの引退を表明したスピードスケート女子の高木美帆(31)(TOKIOインカラミ)が6日、都内で記者会見を開き、「リンクで滑らないことを考えると寂しい」と心境を語った。今後については、全く未定とした。(デジタル編集部)

引退会見でスケートシューズを手に記念撮影する高木美帆さん(6日、東京都中央区で)=関口寛人撮影

 上下白いパンツスーツで会場に登場した高木。競技中と異なり、薄化粧にイヤリングをつけ、記者会見に臨んだ。

 冒頭、「今のところ(引退を撤回し)復活したいという思いはない」と笑顔で話した高木。同じ所属のスノーボード平野歩夢が花束を持って登場するサプライズには「本当にビックリして頭が真っ白」と話した。

 世界選手権での最後のレースからほぼ1か月。現在の心境については記者会見の初めには、「寂しいなとか、ぽっかり穴が開いているとは感じていない。しんみりした時間を過ごしたということもなく、いまだに実感が沸いていないことも感じている」などと話した。ただ、最後には、「リンクで滑らないことを考えると寂しい」とも自ら口にした。

最も印象残るレースは…

 最も印象に残るレースについては「一つを選ぶのは難しい」としながら「1500メートルで世界記録を樹立したレースは「最も高揚した気持ちを味わえた」とした。

引退会見で笑顔を見せる高木美帆さん(6日、東京都中央区で)=関口寛人撮影

 引退して1か月の変化としては、「食事の時間をあまり気にしなくていいようになった。1時間、2時間、昼食の時間が遅くなってもトレーニングに影響しないなど、時間に追われていることがなくなった」とした。ただ、「せっかく作った体形を崩したくないという思いもあって、朝起きたらストレッチをして代謝を上げてみようとか思っている」と柔らかな表情で話した。

 今後については「本当に全く未定」としながら、「私のなかでいくつか興味を持っていることがある。思うままに進んでいきたい」とも。一例として、集中力や脳と体の関係などを挙げた。

気持ちが疲れている

 さらに、現在は「割りと(心や体が)疲弊している部分がある。次のキャリアを考えたときに勝負の世界に身を置くことに対して、心がネガティブな反応を示している。幸せなスケート人生を送れたとは思っているが、気持ちが疲れている。スケート界にかかわるお話をいただいたとしても、その予定はない」と話した。

 高木は15歳だった2010年バンクーバー五輪にスピードスケートの日本勢として史上最年少で代表入り。14年ソチ大会は出場を逃したが、18年平昌大会は、団体追い抜きで金、1500メートルで銀、1000メートルで銅メダルを獲得した。

ミラノ・コルティナ五輪のスピードスケート女子1000メートルで銅メダルを獲得し、日の丸を掲げて歓声に応える高木美帆

 続く22年北京大会では、1000メートルで金、500メートル、1500メートル、団体追い抜きで銀メダルに輝き、冬季の日本勢として史上最多の1大会の4個のメダルを獲得した。

 さらに今年2月のミラノ・コルティナ大会では500メートル、1000メートル、団体追い抜きで銅メダルに輝き、合計のメダル数を10個に伸ばし、夏冬を通じて日本女子の最多メダル記録を更新した。

 五輪以外では、18年2月に世界選手権(オールラウンド)で日本勢初の総合優勝。19年3月には1500メートルで1分49秒83の世界新記録をマークした。ワールドカップでは日本人最多の個人種目通算38勝を挙げている。