食品パッケージに“異変”──ポテチの袋が「白黒」になるワケ ナフサ供給に不安…今後の影響どこまで?【#みんなのギモン】
カルビーのポテトチップスのパッケージが白黒になることが、話題を呼んでいます。他のメーカーや、インク業界以外にも影響が広がってきています。背景には、中東情勢の緊迫化に伴う、ナフサの供給不安があります。影響はいつまで続くのでしょうか?
そこで今回の#みんなのギモンでは、「ナフサ不安 なぜ白黒包装?」をテーマに解説します。
■「石油原料節約パッケージ」の表記

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山﨑誠アナウンサー
「ナフサの調達を巡り、企業などが対応に追われています。12日に驚きの発表がありました。大手菓子メーカーのカルビーが、主力商品のポテトチップスの白黒のパッケージを発表しました。(パッケージの)左上には、『石油原料節約パッケージ』と記されています」
斎藤佑樹キャスター
「かっこいいパッケージだなと思いますけどね」
森圭介アナウンサー
「これはこれで素敵ですけど、ずらっと並んだ時にカラフルなのがいいという方もいるでしょうからね」
山﨑アナウンサー
「色によって商品を認識していた方とか、ブランディングが進んでいた部分はあったかもしれません。5月25日の週から店頭で順次切り替えていくということです」
鈴江奈々アナウンサー
「だいぶがらっとイメージは違いますけれど、中身は一緒なので、味はもちろん一緒なわけですよね」
瀧口麻衣アナウンサー
「スタイリッシュな感じはしますよね」
山﨑アナウンサー
「中身は一緒ですけれども、印象は変わりますよね。右下のキャラクターがいなくなるのは50年ぶりだといいます」
鈴江アナウンサー
「それだけ異例の事態ということですよね」
山﨑アナウンサー
「ポテトチップスだけではなく、かっぱえびせんやフルグラなど14の商品で順次白黒になるということです」
■白黒包装、大手小売企業の反応は?

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山﨑アナウンサー
「カルビーは、中東情勢の緊迫化に伴う一部の原材料の調達が不安定化してきたことを受けたものだと説明しています。この原材料というのは、ナフサから作られるインクと、その溶剤のことです」
「商品を消費者に届ける小売店がどのように受け止めているか。大手小売企業からは『パッケージのわくわく感があるからおいしさが伝わるのに』と、売り上げが落ちてしまわないか心配する声も出ています」
「その一方で、『ブラックフライデーでもないのに、白黒というのは今までない。最初は珍しさで買ってもらえるのでは』というような声も出ているんですね」
■伊藤ハム「白黒も選択肢の1つ」

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森アナウンサー
「どんなパッケージなのか見に行く方は多いでしょうけど、これが長期化した場合にどういう影響が出てくるのかということですよね」
山﨑アナウンサー
「短期的には注目されるかもしれませんけどね。パッケージの変更については他のメーカーも検討しているということです」
「伊藤ハムは商品を安定供給するため、パッケージの仕様変更やインクの数の見直しなど、あらゆる対応策を視野に検討しているといいます。いくつかある対応策の中で、白黒も選択肢の1つだとしています」
■接着剤のメーカーも取り合いに

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山﨑アナウンサー
「パッケージのインクが今注目されていますが、インク業界はどういう状況なのか。印刷インキ工業会によると、食品パッケージなどのインクは、ナフサから作られる有機溶剤が大量に必要になります」
「同じ原料を使う接着剤も同じ原料です。調達が困難なため、各塗料メーカーのほか接着剤のメーカーも取り合いになっている状態だといいます」
「(カルビーの場合)色を絞ることで、有機溶剤を使う量を減らせます。特に白は、有機溶剤など石油由来の材料が比較的少なく済みます」
「さらにカルビーのポテトチップスではパッケージに5色使っていますが、印刷インキ工業会によると、フィルムに色をつけていくときは1色ずつボイラーの熱で乾かす工程があるそうなので、2色であればその工程も少なくて済み、燃料費の節約にもつながります」
■政府「必要な量は確保されている」

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瀧口アナウンサー
「白黒というのはレアですから、注目度は高まると思います。インクやナフサの供給が今後どうなっていくのかは気になります」
山﨑アナウンサー
「いつまでなのか、他の商品に広がっていかないのか、その影響が気になります。佐藤官房副長官は12日、中東以外からのナフサの輸入が増えていることなどから、政府としては必要な量は確保されているというふうに強調しました」
佐藤官房副長官
「印刷用インクあるいはナフサについて、現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されていると認識しています」
斎藤キャスター
「確保しているのに届いてない、ということなんです?」
山﨑アナウンサー
「そうです。政府としては供給量は足りているが、流通経路で供給の偏りや目詰まりが起きているため、そこを確実に解消したいとしています」
■実際、ナフサは足りているのか?

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山﨑アナウンサー
「では、流通の目詰まりとは何なのか。一例として、石油化学メーカーからナフサ由来の原料を供給し、専門の溶剤メーカーが商品のパッケージの原料となるシンナーなどの有機溶剤を作り、別のメーカーがインクパッケージなどを商品化する流れがあるとします」
「石油化学メーカーが中東情勢の悪化を受けて供給の不安を伝達します。それを聞いた溶剤を作るメーカーは『もしかすると供給の不安があるのか。今後足りなくなる可能性があって大変』と、出荷する量を抑えておこうと供給量を減らします」
「こうした目詰まりによって、パッケージを作るメーカーなどが材料を確保できない状態になっていると政府は説明しています」
「それぞれの現場からすると、どれくらいこの先続くのか見通しもまだまだ分からない部分があるので仕方のないことですが、政府としては石油やナフサをきちんと確保するから、供給を抑えるのはやめるように要請しています」
森アナウンサー
「供給の目詰まりというと“令和の米騒動”と言われたときを思い出します。売るものがなくなってしまうのは困るので、こういった不安をどれだけ政府が払拭できるかがポイントになりそうですよね」
■インク以外も…ナフサ供給に不安

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山﨑アナウンサー
「ナフサが調達できず、インク以外にも影響が広がってきています。食品メーカーや飲食店などで構成される国民生活産業・消費者団体連合会が4月、ナフサの供給について、658社に緊急アンケートを実施しました」
「102社から回答を得ました。すでに事業への何かしらの影響が発生していると回答した企業が約44.1%、さらに今後3か月以内に影響が予想されると回答した企業は31.4%でした」
「その対応としては、最も多かった回答が『値上げ』で72.5%。次いで『一部の製品の供給制限』で47.1%、そして『内容量・仕様の見直し』で42.2%となっています。影響が広がり続ける中、政府にはさらなる対応を進めてほしいと思います」
(2026年5月12日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)