来月6月15日支給! 厚生年金+基礎年金「ひとりで月額15万円(年額180万円)」に届く人はどれくらいいる?
6月支給分から増える!国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%のプラス改定に

来月6月15日支給!厚生年金+基礎年金「ひとりで月額15万円(年額180万円)」に届く人はどれくらいいる?
「老後の生活、毎月いくらあれば安心して暮らせるのだろうか」と、考えたことはありませんか。
新緑がまぶしい季節となり、年金の話題が気になる方もいらっしゃるかもしれません。総務省が公表した最新の調査結果を基に、高齢者世帯の家計の実態を見ていきましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯では、1カ月あたりの消費支出が平均で14万9286円です。
一方、可処分所得(税金などを差し引いた手取り収入)は12万1469円で、毎月約2万8000円の赤字という計算になります。
このデータから、老後生活の一つの目安として「月額15万円」というラインが見えてきます。
では、実際に公的年金だけでこの金額を受け取っている人は、どのくらいの割合いるのでしょうか。公的な資料を基に、年金受給の現実について詳しく解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の「2階建て構造」とは?国民年金と厚生年金の仕組みを解説
日本の公的年金制度は、基礎部分である「国民年金(基礎年金)」と、会社員や公務員が上乗せで加入する「厚生年金」から成り立っており、その仕組みは「2階建て構造」と表現されます。
ここでは、それぞれの年金制度の基本的な特徴について確認します。
国民年金・厚生年金の基本的な仕組み

1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」の概要
・加入対象:日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が、原則として加入対象です。
・保険料:加入者全員が同じ金額を納めますが、その額は年度ごとに見直されます(※1)。
・受給額:保険料を40年間(480カ月)すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)が支給されます。未納期間が存在すると、その期間に応じて年金額は満額から減らされます。
※1 国民年金保険料:2026年度の月額は1万7920円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度の月額は7万608円です。
2階部分にあたる「厚生年金」の概要
・加入対象:会社員や公務員が国民年金に加えて加入する制度です。パートタイマーなど短時間労働者であっても、特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の条件を満たす場合は加入対象となります。
・保険料:給与や賞与など、収入額に応じて保険料が決定されます(上限設定あり)(※4)。
・受給額:加入期間や納付した保険料の総額によって、個人ごとに支給額が変わります。
厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入する制度です。そのため、加入対象者や保険料の決まり方、受給額の計算方法が国民年金とは異なり、将来受け取る年金額は個人の加入履歴や現役時代の収入によって大きく変わってきます。
また、公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金の動きに合わせて毎年改定されるという点も、理解しておくべき重要なポイントです。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を掛けて計算されます。
【2026年度】年金額はプラス改定!国民年金1.9%・厚生年金2.0%の増額へ
公的年金の支給額は、毎年、物価や現役世代の賃金変動を反映して改定されます。2026年度においては、国民年金(基礎年金)が前年度と比べて1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の増額となり、4年連続でのプラス改定が決まりました。

2026年度の年金額
・国民年金(老齢基礎年金・満額):月額7万608円(1人分 ※1)
・厚生年金:月額23万7279円(夫婦2人分のモデルケース※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
国民年金のみの加入者だと、満額(※3)でも月々の支給額は約7万円にとどまります。受給開始を遅らせる「繰下げ受給」(※4)を最大限活用し、75歳から受け取り始めても、月額は13万円に達しない計算です。
※3 国民年金(老齢基礎年金)の満額:国民年金保険料を480カ月納付した場合に、65歳から受け取れる年金額を指します。
※4 繰下げ受給:老齢年金の受給開始年齢を66歳から75歳までの間に遅らせる制度です。「繰下げ月数×0.7%」の増額率が適用され、75歳で受給を開始した場合の増額率は84%になります。
厚生年金の受給額「月15万円」の壁。受給者の割合はどのくらい?
厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金受給者の平均月額(男女合計)は15万289円です。この金額には、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の額も含まれています。
受給額別の人数分布は、以下の通りです。
【データで見る】厚生年金(国民年金含む)の受給額別・人数分布

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・1万円未満:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上~:1万9283人
厚生年金の支給額が月15万円以上の方は全体の49.8%であり、半数に満たないことがわかります。厚生年金に加入していない自営業者などを含めると、この比率はさらに下がると推測されます。
まとめ:老後資金の準備に向けて
今回は公的年金の現状について見てきました。公的年金だけで老後の生活を送ることに、不安を感じる方も少なくないでしょう。そうした背景から、近年では「資産運用」によって老後資金を準備する世帯が増加しています。
特に、NISAやiDeCoのような国の税制優遇制度は、少額から始められるため投資初心者にも取り組みやすい選択肢といえるでしょう。老後資金の準備は、時間を味方につけてコツコツと継続することが大切です。早めに計画を立ててみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
関連記事
【老後のふつう】65歳以上夫婦の貯蓄・生活費・年金はいくら?毎月赤字になるシニア家計のリアル
【子育て世帯】住民税非課税じゃなくてももらえる!課税世帯が使える給付金・手当と税金が安くなる特権
【2026年度は3.2%増額で支給へ】申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」の条件と手続きする封筒の見分け方