厚生年金、2か月に1度「60万円(月額30万円)」支給される人は何割? 2026年度の年金はモデル夫婦で「月23.7万円」に増額へ
- 【2026年度】「標準的な夫婦世帯」は月額23万7279円に引き上げ(前年度比+4495円)
- 【比較】働き方による年金額の5つのモデルケース
- ケース①:男性・厚生年金期間中心(20年以上)の年金目安
- ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の年金目安
- ケース③:女性・厚生年金期間中心(20年以上)の年金目安
- ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の年金目安
- ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者期間)中心(20年以上)の年金目安
- 【厚生年金】「月額30万円以上」を受給する人はどれくらいいる?
- 厚生年金の「受給額ごとの割合」を見る
- 年金制度に関する代表的な誤解3つ
- ①年金制度はいずれ破綻するのか
- ②将来、保険料はさらに上がり続けるのか
- ③年金は元が取れないのか
- 老後設計について一度見直してみよう
保険料は上がり続ける?年金制度に関する、よくある3つの勘違い

厚生年金、2か月に1度「60万円(月額30万円)」支給される人は何割?2026年度の年金はモデル夫婦で「月23.7万円」に増額へ
2026年4月から年金額が改定され、標準的な夫婦世帯の受給額が増額となりました。
物価や賃金の動向を反映した今回の見直しは、家計への影響という点でも注目されています。
しかし、平均的な年金額が引き上げられたとしても、実際の受給額は個人ごとに大きく異なり、必ずしも安心できる水準とは限りません。
また、年金制度に対しては「破綻するのではないか」「保険料は上がり続けるのではないか」といった不安や誤解も根強く存在しています。
本記事では、最新の年金額の改定内容や受給額の分布、さらに制度に関する代表的な誤解を整理し、年金の実態を分かりやすく解説します。
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【2026年度】「標準的な夫婦世帯」は月額23万7279円に引き上げ(前年度比+4495円)

令和8年度の年金額の例
2026年1月に、令和8年度の年金額の見直し内容が発表されました。
▼令和8年度 年金額の例(月額)
・国民年金(満額・1人分):7万608円(前年度比+1300円)
・厚生年金(標準的な夫婦世帯):23万7279円(前年度比+4495円)
※厚生年金は、平均的な収入(平均標準報酬額45.5万円)で40年間就業した夫と、専業主婦の基礎年金を合算したモデルケースです。
物価や賃金の動きを反映し、今回の改定ではいずれも増額となっています。
【比較】働き方による年金額の5つのモデルケース
前章では2026年度の厚生年金のモデルケースを取り上げましたが、これはあくまで一例に過ぎず、実際の受給額は加入状況や収入によって人それぞれ異なります。
そこで本章では、厚生労働省の資料を参考に、働き方別の厚生年金額の目安を見ていきます。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
ケース①:男性・厚生年金期間中心(20年以上)の年金目安
《年金月額》17万6793円
平均厚生年金期間:39.8年
平均収入:50万9000円(※賞与含む月額換算。年収換算で約610万円)
内訳:基礎年金6万9951円/厚生年金 10万6842円
ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の年金目安
《年金月額》6万3513円
平均厚生年金期間:7.6年
平均収入:36万4000円
内訳:基礎年金 4万8896円/厚生年金 1万4617円
ケース③:女性・厚生年金期間中心(20年以上)の年金目安
《年金月額》13万4640円
平均厚生年金期間:33.4年
平均収入:35万6000円
内訳:基礎年金 7万1881円/厚生年金 6万2759円
ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の年金目安
《年金月額》6万1771円
平均厚生年金期間:6.5年
平均収入:25万1000円
内訳:基礎年金 5万3119円/厚生年金 8652円
ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者期間)中心(20年以上)の年金目安
《年金月額》7万8249円
平均厚生年金期間:6.7年
平均収入:26万3000円
内訳:基礎年金 6万9016円/厚生年金 9234円
たとえば、厚生年金に長期間加入している男性の場合、月額は17万6793円となり、基礎年金と厚生年金を合わせて比較的高い水準となっています。
一方で、国民年金が中心となる男性では月額6万3513円にとどまり、同じ男性でも受給額に大きな差があることが分かります。
女性についても同様の傾向が見られ、厚生年金中心のケースでは月額13万4640円となる一方、国民年金中心では6万円台前半にとどまります。
また、第3号被保険者期間が中心のケースでは7万8249円となっており、加入形態によって受給額に違いが生じています。
このように、年金額は制度の違いや加入期間、収入などの条件によって大きく変わります。
では、実際のシニア世代はどの程度の年金を受け取っているのでしょうか。
次章では、厚生年金の受給額の分布データをもとに、どの水準の年金を受け取っている人が多いのかを確認していきます。
【厚生年金】「月額30万円以上」を受給する人はどれくらいいる?
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金を含む厚生年金の平均月額(男女計)は15万289円です。
では、受給額の分布を見ていきましょう。
厚生年金の「受給額ごとの割合」を見る

厚生年金の受給額
・10万円未満の割合:19.0%
・10万円以上の割合:81.0%
・15万円以上の割合:49.8%
・20万円以上の割合:18.8%
・20万円未満の割合:81.2%
・30万円以上の割合:0.12%
「月額30万円以上」の割合は0.12%にとどまっており、800人に1人程度という非常に限られた水準です。
平均が15万円台であることを踏まえると、月30万円を超える年金受給はごく一部のケースといえます。
年金制度に関する代表的な誤解3つ
ここでは、年金についてよくある誤解を3つ取り上げて解説します。
①年金制度はいずれ破綻するのか
日本の公的年金には「マクロ経済スライド」という仕組みが採用されています。
これは、少子高齢化の進行や平均寿命の延びに応じて、給付水準を自動的に調整するものです。

マクロ経済スライドを導入
このように、制度にはあらかじめ財政バランスを維持する仕組みが組み込まれているため、突然給付が停止するような性質のものではありません。
重要なのは「破綻するかどうか」ではなく、どの水準で持続していくかという点です。
②将来、保険料はさらに上がり続けるのか
厚生年金の保険料率は、2017年に18.3%で固定されています。
そのため、制度上は無制限に引き上げられるものではありません。

働く人が増えている
また、女性や高齢者の就労拡大により保険料収入が増加し、積立金も想定より約70兆円多くなる見込みです。

積立金残高は約70兆円を上回る
負担が一方的に増え続けるわけではない点も理解しておく必要があります。
③年金は元が取れないのか
公的年金は単なる積立ではなく、以下のような社会保険としての役割を持っています。
・老齢年金(長生きリスクへの備え)
・障害年金(病気やけがへの保障)
・遺族年金(家族の生活保障)

世代と世代の支えあい
さらに、所得再分配の仕組みにより、現役時代の収入差ほど受給額に差が広がらないよう設計されています。

公的年金の所得再分配機能
そのため、「元が取れるかどうか」という単純な比較だけでは、本来の役割を十分に捉えることはできません。
老後設計について一度見直してみよう
本記事では、年金額の改定内容や受給額の分布、制度に関する代表的な誤解について解説しました。
年金制度には給付水準を調整する仕組みや保険料率の上限があり、「制度が破綻する」「負担が際限なく増える」といった見方には誤解も含まれています。
制度の仕組みと実態を理解したうえで、自身の将来設計に反映させていくことが重要です。
この機会に、老後資金の見通しを改めて整理してみてはいかがでしょうか。
参考資料
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料①」
・厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②ー年金額の分布推計ー」
・厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果 ー」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
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