75歳以上、後期高齢者医療制度の「医療費窓口負担割合」いちばん重い「3割」となる”現役並み所得”とは?所得・収入要件を見る

「後期高齢者医療制度」の窓口負担割合は《1割~3割》の3区分。制度のイロハを分かりやすく解説!

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さわやかな初夏の風が心地よい一方で、季節の変わり目で体調管理に気を遣う時期ですね。現役を引退されたシニア世代にとっても、医療機関にかかる機会が増える中で、公的医療保険の負担は切実な問題です。

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出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

昨今の物価高騰は家計に深く影を落としています。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査によると、60歳〜70歳代の「ゆとりがない世帯」のうち、「物価上昇等により費用が増えていく」ことに不安を感じる割合は、単身世帯・二人以上世帯いずれにおいても5割を超えています(51.0%〜57.9%)。

また、今後の生活において「高齢者への医療費用の個人負担が増える」と懸念する声は、70歳代・二人以上世帯で30.0%に上り、介護費用の負担増(同18.7%)への不安とあわせて、シニア層の切実な実態が浮き彫りになっています。

特に75歳からは「後期高齢者医療制度」へ移行し、窓口負担は所得に応じて1割(原則:全体の約7割)、2割(一定以上の所得:同約2割)、3割(現役並み所得:同約1割未満)と細分化されます。

さらに、先月(2026年4月)からは公的医療保険料に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収も開始されており、シニア世代の家計を取り巻く環境は大きな変化の節目を迎えています。

本記事では、家計の備えとして知っておきたい「後期高齢者医療制度」の仕組みと、負担割合(1割・2割・3割)を決めるボーダーラインとなる所得の目安について確認します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

75歳以上の人が原則加入対象の「後期高齢者医療制度」とは?

後期高齢者医療制度は、公的医療保険の一つであり、原則として75歳以上の人が対象となります。

ただし、65歳以上74歳以下であっても、一定の障害があると認定された場合には、この制度に加入することができます。

さらに、75歳に到達すると、就労状況に関係なく、それまで加入していた国民健康保険や健康保険組合、共済組合などから切り替わり、自動的に後期高齢者医療制度へ移行します。

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後期高齢者医療制度とは?

年齢や所得の水準によって医療費の自己負担割合は変わりますが、後期高齢者医療制度に移行すると、医療機関の窓口ではどの程度の負担になるのでしょうか。

【後期高齢者医療制度】窓口負担割合は「1割・2割・3割」のいずれか

後期高齢者医療制度では、被保険者の所得区分に応じて、医療機関の窓口での自己負担割合が「1割・2割・3割」のいずれかに定められています。

一般的な所得の方:1割

一般所得者のうち一定以上の所得がある方:2割

現役並みの所得がある方:3割

では、医療費の窓口負担が最も高い「3割」になる人の所得はどのくらいなのでしょうか。

後期高齢者医療制度の「医療費窓口負担割合」いちばん重い「3割」となる”現役並み所得”とは?

後期高齢者医療制度における医療費の窓口負担割合は、所得の水準によって区分されています。

その判定の基準となる所得額の目安は、以下のとおりです。

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後期高齢者医療制度「窓口負担割合」の判定基準

窓口での医療費負担が1割:一般の所得者

下記の2割、3割に該当しない場合

窓口での医療費負担が2割:一定以上の所得がある方

次の①と②の両方に該当する場合

・①同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上の方がいる。

・②同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が以下に該当する。

・1人の場合は200万円以上

・2人以上の場合は合計320万円以上

窓口での医療費負担が3割:現役並み所得者

・同じ世帯の被保険者の中に課税所得が145万円以上の方がいる場合

・上記に加えて、以下の収入等の要件を満たす人

※ご注意:「2割負担」の配慮措置はすでに終了しています

2022年の制度改正で2割負担が導入された際、外来医療費の負担増加額を「月3000円まで」に抑える配慮措置が設けられていました。しかし、この措置は2025年9月末をもって終了しています。現在は原則通りの2割負担となっているため、該当する方はより一層の家計管理が求められます。

後期高齢者医療資格確認書をお持ちの場合は、記載内容を確認することで窓口での負担割合を把握できます。

また、マイナ保険証を利用している場合は、マイナポータルから確認することが可能です。

まとめにかえて

今回は、「後期高齢者医療制度」の窓口負担割合のルールについて確認しました。

J-FLECの世論調査の結果が示す通り、多くのシニア世代が将来的な支出増に不安を抱いています。公的年金を主な収入源とする生活において、ご自身の医療費の負担区分を正しく把握しておくことは、日々の安心感に直結します。

少子高齢化を背景に、シニア世代の医療費負担は今後も変化していく可能性があります。「いつ、どのくらい負担するのか」という見通しを立てておくことは、季節の変わり目も心穏やかに過ごすための第一歩です。

老後に向けた資産形成や家計の見直しを行う際は、こうした医療費負担の仕組みをしっかりと織り込み、長期的な視点で準備を進めていきましょう。

参考資料

・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」

・政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」

・厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」

・こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室「子ども・子育て支援金制度について」

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