【5月の新発債】地方債はついに2.7%台へ! 4月から利回り上昇の今、地方債と個人向け国債、どちらを選ぶのが正解?
地方債の「標準モデル」で比較する5月の最新利回り、共同債は2.767%に

【5月の新発債】地方債はついに2.7%台へ!4月から利回り上昇の今、地方債と個人向け国債、どちらを選ぶのが正解?
2026年5月14日までに個人向け国債と5月の地方債、共同発行市場公募地方債の利率が決定しました。
日本の長期金利(10年物国債利回り)は、日銀による金融政策の正常化(金利のある世界への移行)を受けて、2024年5月に約11年ぶりとなる1%台に乗せて以降、上昇が続いています。
5月14日には一時2.635%を付け、約29年ぶりの高水準となりました。
ベース金利の上昇に伴い、利回りがかつてないほど魅力的な水準となっていることで、国債や地方債をはじめとする「債券」は、有力な「投資対象」としてますます注目が高まっています。
本記事では、個人投資家の方が利回りの変化を直感的に把握できるよう、地方債の標準的な発行モデルである「国債カーブ+18bp(0.18%)」の上乗せ幅で条件決定した主要銘柄を厳選してピックアップしました。
条件が特殊な銘柄を除き、比較しやすい「標準モデル」に絞ることで、4月から5月にかけてどれほど投資妙味が増したのか、その最新トレンドを紐解いていきます。
今月の債券市場における最新の発行条件をチェックしていきましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
10年物地方債がついに2.7%台、4月から最大0.155%アップ
財務省および各自治体から発表された10年物債券の条件は以下の通りです。

5月の発行条件
半年ごとに適用利率が見直される変動型である個人向け国債は、初回の利回りが1.67%で条件決定しました。
地方債は2.707~2.767%で決まり、個人向けの販売があった個別銘柄では静岡県債、千葉県債がそれぞれ2.707%、2.727%となりました。
地方債は本来、プロの投資家である「機関投資家」が中心のマーケットですが、実はその一部は個人投資家にも販売されるようになっています。
5月分の新発債として13日条件決定の静岡県債や千葉県債が個人でも購入できましたが、一部のネット証券では発売即完売という人気ぶりでした。
14日には、共同発行市場公募地方債(共同債)が2.767%で条件決定し、一部は個人投資家へも販売されています。
共同債は、複数自治体がコスト削減と安定調達のため、地方財政法に基づき2003年から共同で発行する地方債です。最大の特徴は、資金調達の有無に関わらず全参加団体が「連帯債務」を負う強固な支払い体制にあります。
さらに災害時等の支払い遅滞を防ぐ専用ファンドも備えており、安全性への配慮が徹底されています。毎月発行されており、個人にとっても信頼性の高い投資対象といえるでしょう。
【4月債の振り返り】10年債の利回りを整理
4月は長期金利の上昇を受けて個人向け国債、地方債ともに3月債対比で利回りが上昇しました。
個人向け国債は3月債の1.40%→1.55%と、0.15%高くなりました。
地方債は2.560~2.612%(共同債含む)となり、3月債対比で0.3%近く利回りが高くなりました(※)。
個人投資家向けの販売があった一例として、千葉市債と神奈川県債がいずれも2.570%で条件決定しました。
共同債は2.612%となり、3月債の2.259%から0.353%上昇しました。
※ 3月債の標準モデルは国債カーブ+12bp

4月の発行条件
4月から5月にかけての変化をみると、個人向け国債では1.55%→1.67%と、0.12%引き上げられました。
一方、地方債の利回りは全体で0.15%前後の上昇幅となっています。
個別銘柄の最低ラインでみると、4月の2.560%から5月は2.707%(静岡県債 )へと0.147%アップしており、共同債(2.612%→2.767%)は0.155%高くなっています。
地方債と国債、どちらを選ぶか迷ったら
債券の利回りは信用力が高いほど低く、低いほど高くなるため、地方債と国債の利回りは、より信用力が低い地方債のほうが高い利回りとなっています。
もっとも目先の「利回りの良さ」だけで飛びつくのは禁物です。
一見似ているようでも、両者には信用力のほかにも「換金のしやすさ(流動性)」と「金利タイプ(固定金利か、それとも変動金利か)」という、決定的な違いがあるからです。
投資の世界では「安全」と言われる債券ですが、実は銘柄によって「守りの強さ」に微妙な違いがあります。特に国債と地方債を比べる際は、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
「信用力」の違い:国か、自治体か
どちらも極めて安全な資産ですが、厳密には「ランク」があります。
・日本国債(最強の安心感): 日本という国そのものが発行するため、国内で最も信用力が高い「安全資産」の代表格です
・地方債(高いが個別差あり): 日本の制度上、破綻リスクは極めて低い仕組みになっています。ただし、自治体ごとに「財政の健康状態」は異なるため、国債と比べるとわずかながら発行体ごとの差異が存在します
「中途換金」の違い:ここが最大の注意点!
「急にお金が必要になったとき」のルールが大きく異なります。
個人向け国債:「元本割れなし」の安心設計
・発行から1年が経過すれば、いつでも国が額面(元本)で買い取ってくれます
・直近の利子を一部返す必要はありますが、元本そのものが減る心配はありません
地方債:「時価での売却」になる市場リスク
・途中で現金化したい場合は、証券会社を通じて市場で売却することになります
・売る時の市場価格で決まるため、金利状況などによっては「買った時より安い値段」になり、元本を割り込むリスクがあります
「最後まで持ち続ける(満期まで保有する)」なら地方債の利回りは魅力的ですが、「途中で解約する可能性があるお金」なら、元本が保証されている個人向け国債に軍配が上がります。
「いつ使うお金か」によって、この2つを使い分けるのが賢い投資の第一歩と言えるでしょう。
あなたはどっち? 目的別・債券選びの「軸」
「金利がもっと上がるかも!」という波に乗りたいなら個人向け国債(変動10年)を選択するのがよいでしょう。
・狙い:将来の金利上昇による恩恵を逃さない
・メリット: 世の中の金利が上がれば、自分の受け取る利子も自動的にアップします。「今の利率で固定されるのはもったいない」と感じる方に適しています
反対に「今のうちに高い利率をがっちり確保したい」なら、共同債を含む主要自治体の地方債を検討してください。
・狙い:「将来の利益」を今のうちに確定させる
・メリット:地方債は基本的に「固定金利」です。数年前の超低金利時代には考えられなかった「今の高めの利回り」を、満期までずっとキープできます。将来金利が下がっても、高い利息をもらい続けられる安心感があります
債券は必ずしも「一度買ったら終わり」ではありません。
「今は金利上昇に備えて変動国債、数年後に金利がピークだと思ったら地方債で固定する」といった具合に、時期をずらして組み合わせるのも賢い戦略でしょう。
「究極の待ち」で様子見するのも一つの戦略
「金利のピークはまだ先だ」と読むのであれば、あわてて買わずに5月は様子見するのも立派な戦略です。
6月以降、さらに条件の良くなった地方債や、より高い上乗せ金利が期待できる社債が登場するのを「虎視眈々と待つ」という手もあります。
まとめ
2026年5月、日本の長期金利が29年ぶりの高水準(2.6%超)となり、債券投資の魅力が急上昇しています。
最新の条件決定では、個人向け国債(変動10年)が1.67%、地方債は2.7%台に乗るなど、かつてない好条件が揃いました。
複数の自治体が連帯して支払いを保証する「共同発行市場公募地方債(共同債)」では、今月は利回り2.767%と非常に高い水準です。
投資の判断基準は「目的」にあります。金利上昇の恩恵を受け続けたいなら、元本割れのリスクがなく金利が追随する「個人向け国債」が適しています。
一方、今の高い利回りを10年間固定したいなら「地方債」が有力です。ただし、地方債は中途換金時に元本を割り込む可能性がある点には注意が必要です。
「いつ使うお金か」というライフプランに基づき、納得感のある選択をしましょう。さらなる金利上昇を期待して「あえて様子を見る」のも立派な戦略です。
参考資料
・財務省 個人向け国債の発行条件等
・市場公募地方債発行団体連絡協議会 令和8年5月債発行条件等
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願いいたします。
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