個人向け国債 vs 定期預金《最新金利》の比較! 5月募集「固定5年1.89%、変動10年1.67%」資産ポートフォリオに国債はアリ?
《固定5年・固定3年・変動10年》選ぶポイントを解説

個人向け国債 vs 定期預金《最新金利》の比較!5月募集「固定5年1.89%、変動10年1.67%」資産ポートフォリオに国債はアリ?
個人向け国債の利回りが上昇してきており、関心が集まっているようです。世界的なインフレや日本銀行の政策転換もあり、国内の金利は上昇し、個人向け国債の利回りも上昇してきました。
個人向け国債は、現在どれほどの利回りが期待できるのでしょうか。同じ金利商品である定期預金の状況とあわせて確認してみましょう。
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【5月募集】個人向け国債「固定5年1.89%」「固定3年1.57%」「変動10年1.67%」
個人向け国債は、10年利付国債の入札を踏まえ毎月発行されるもので、現在は2026年5月分の募集が行われています。最新の条件を押さえましょう。
5月の新発は5年物が1.89% 前年比+1ポイント
個人向け国債の利率は固定5年が1.89%で最高でした。続いて変動10年が1.67%(初回)、固定3年の1.57%と続きます。
【個人向け国債の利率(税引前、2026年5月募集分)】
・変動10年:1.67%(初回)
・固定5年:1.89%
・固定3年:1.57%
出所:財務省「個人向け国債の発行条件等 令和8年5月 13 日」
利率はいずれも上昇傾向です。固定5年の利率は1年前の0.83%から1.06ポイント上昇しました。変動10年の同0.83ポイント上昇、固定3年の同0.91ポイントの上昇と比べ、利率の上昇が最も大きくなっています。

個人向け国債の利率(税引前)
変動10年より固定5年の方が高利回りの理由
利率は2025年の後半から固定5年が変動10年を上回って推移しています。これは計算式の違いが主因です。
変動10年の利率は基準金利に「0.66」を乗じて決定されるため、基準金利が上昇するほど調整が大きくなります。基準金利が1.0%なら-0.34ポイント(利率は0.66%)、2%なら-0.68ポイント(同1.32%)のように、調整は金利水準に比例します。
一方、固定5年および固定3年は、それぞれ「0.05%」と「0.03%」を差し引く絶対的な調整です。基準金利が上昇しても、調整が大きくなることはありません。
金利が全体的に上昇するなか、10年物と5年物の金利差が小さく、結果的に固定5年の方が高利率となっている状況です。
※個人向け国債の利率は0.05%が下限のため、基準金利が一定以下の場合は調整が行われません。
個人向け国債 vs 定期預金「最新金利」の比較!利回りどっちが良い?
続いて、定期預金の金利を確認してみましょう。金利は銀行ごとに異なりますが、日本銀行が集計するデータから平均的な水準を探ります。
10年定期が0.7%超 利回りは個人向け国債に軍配
日本銀行によると、2026年4月の定期預金の金利は10年物で0.73%台となりました。1年前は0.48%台であり、0.25ポイント上昇しています。
【定期預金の平均金利(2026年4月)】
・10年:0.736%
・5年:0.551%
・3年:0.475%
※「300万円未満」、「300万円以上~1000万円未満」、「1000万円以上」の単純平均
出所:日本銀行「時系列統計データ検索サイト 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」
定期預金の金利は2026年に入り一段高くなっています。日本銀行は政策金利を2025年12月に0.50%から0.75%へ引き上げ、メガバンク3行は2026年1月にそろって定期預金金利を改定しました。金利の上昇は、これらが影響したと考えられます。

定期預金金利の平均
もっとも、金利は平均的には1%を下回る状況です。銀行によってはさらに高い金利を設定するケースもあるでしょうが、利回りは個人向け国債の方が高いことが多いでしょう。
定期預金は短期資金に向く
利率で見ると個人向け国債の方が有利です。ただし、1年以内に使う予定があるお金は個人向け国債に向きません。個人向け国債は、購入から1年間は解約できないためです。
一方、定期預金は満期前でも途中解約できることが一般的です。定期預金の途中解約は通常、受け取れる利子が減るものの、元本を割り込むことはありません。
短期資金の運用は、個人向け国債よりも定期預金の方が向いています。
個人向け国債、《固定5年・固定3年・変動10年》選ぶポイントを解説
では、個人向け国債はどれを選べばよいのでしょうか。
固定5年を選びたい理由
2026年5月分の募集の場合、個人向け国債は固定5年が有望です。
債券は通常、期間が長いほど高利回りです。しかし、現在の条件は固定5年の方が変動10年より利率が高くなっています。固定5年を差し置いて、利率が低く期間も長い変動10年を積極的に選ぶ理由は乏しい状況です。
金利がまだ上がると思うなら変動10年が選択肢
ただし、金利動向によっては変動10年の方が高利回りとなる展開もあるでしょう。購入後に利率が高い方へ乗り換える選択肢もありますが、個人向け国債は解約すると直近2回分の利子を失います。今後も金利が上昇していくと考えるなら、当初から変動10年を選びたいところです。
債券は途中売却しても、保有中の利子は「経過利子」として日割りで受け取れます。個人向け国債も同様ですが、原則として直近2回分の利子(手取り相当額)は差し引かれる仕組みです。
例えば個人向け国債を1年と3ヵ月保有した場合、利払いは半年ごとのため、利子は2回受け取っています。この時点で売却した場合、解約金額に3ヵ月分の利子は経過利子として含まれますが、すでに受け取った2回分の利子は差しかれます。
現在は固定5年の方が利率が高い状況ですが、購入後に変動10年の利率が高くなったからといって、安易な乗り換えは危険です。途中解約のペナルティを考えると、利子の総受取額は継続保有した方が大きくなるケースがあるためです。
一方、変動10年なら利率は自動的に上昇します。固定型のように乗り換えることなく利回りが上昇するため、2回分の利子を失うコストも発生しません。金利が継続して上昇していくと考える人は、変動10年を検討しましょう。
個人向け国債、ポートフォリオに組み込む効果「インフレに注意」
個人向け国債は元本に値動きがないため、他の資産との相関もありません。ポートフォリオに加えると、全体のリスクを下げる効果に期待できます。また、定期預金よりは利回りは高く、リターンの減少もある程度は抑制できます。
とはいえ、足元のインフレを考えると、ポートフォリオの中心にはなりづらい状況です。2025年の消費者物価指数(総合)は2020年を100として111.9となり、年率2.27%で物価が上昇しています。インフレは加速しており、前年比では3.2%の上昇でした。
現在の個人向け国債の利率は固定5年の1.89%が最高で、インフレ率を下回ります。お金が増えるペースより、物価の上昇ペースの方が早く、実質的な利回りはマイナスです。
資産形成期においては、個人向け国債は補助的な役割にとどまるでしょう。株式など値動きのある資産で成長を狙いながら、その一部を個人向け国債に振り向けるような使い方が想定されます。
参考資料
・財務省「個人向け国債の発行条件等 令和8年5月 13 日」
・財務省「個人向け国債 発行条件 変動10年の発行条件」
・財務省「個人向け国債 発行条件 固定5年の発行条件」
・財務省「個人向け国債 発行条件 固定3年の発行条件」
・日本銀行「時系列統計データ検索サイト 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」
・日本銀行「2025年12月金融政策決定会合での決定内容」
・株式会社三菱 UFJ 銀行「円定期預金金利の改定について」
・株式会社三井住友銀行「円定期預金の金利変更のお知らせ」
・株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社「円定期預金金利の改定について 」
・財務省「個人向け国債についてのよくある質問」
・総務省「消費者物価指数年報 令和7年 Ⅰ 2025年(令和7年)平均消費者物価指数の動向」
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