【新NISA】元本600万円なら「5年全力投資」と「20年少額積立」どっちが増える? 15年後の資産額を比較してみた
自分に最適な投資の仕方を選ぶコツ

【新NISA】元本600万円なら「5年全力投資」と「20年少額積立」どっちが増える?15年後の資産額を比較してみた
5月の連休中、ご家族とゆっくり過ごす時間のなかで、「将来のためにもっと計画的に資産を作っていきたい」と改めて思いを巡らせた方も多いのではないでしょうか。
2024年に新NISA制度が始まり、将来に向けた資産形成として積立投資をスタートさせた人も多いのではないでしょうか。
しかし、続けるうちに、毎月決められた積立額を捻出することが難しくなる場合もケースも少なくありません。さらには、投資を開始する前から、「途中で積立を辞めたら意味がないだろうか」「続かないのであれば、金額を抑えて長期的に続ける方が良いのか」と、積立方法を悩む場合もあります。
実は、積立投資は、途中で積立を止めてしまっても「そのまま放置する」ことで、順調に資産価値が上昇すれば大きく複利効果が働きます。
今回は、最終的な投資元本として同じ「600万円」を用意する場合を想定し、「最初の5年間で全力投資してあとは放置した人」と、「20年かけてコツコツ少額積立をした人」とで、最終的な資産額にどれほどの差が生まれるのかをシミュレーションします。ぜひ、今後の資産形成の参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
投資シミュレーション
まずは、最初の5年間だけ全力投資をして、その後15年間は放置をする投資と、20年間少額積立をする投資で、「元本・積立期間・利回り」が同じ場合どのような差が生じるかをシミュレーションしていきます。
5年間だけ全力投資
まずは、「5年だけ全力で投資して、その後は放置」というケースです。

5年間の投資シミュレーション
【5年後の投資結果】
・元本:600万円
・利益:78万円
・5年後資産額:678万円
毎月10万円を積み立て、年利5%で運用できたと仮定すると、5年後の資産額は約678万円となり、78万円の利益が生じる結果となります。
さらに、この5年後の資産額である678万円を、売却せずに新NISA口座に置いたまま、積立は停止して15年間放置します。この期間も5%で運用をすることを仮定すると、1年ごとの資産残高に1.05を乗じて15年間計算することで、最終的な資産額が計算されます。
結果として、15年後の資産額はなんと約1409万円となります。
元本600万円に対して、利益が約809万円。追加で一切の入金をしていないにもかかわらず、お金が自ら働き、資産を大きく育ててくれたことになります。
20年間少額積立
次に、毎月の負担を低く設定し、長期的に積み立てる「月2.5万円を20年間」のケースを見てみましょう。

20年間の投資シミュレーション
【20年後の投資結果】
・元本:600万円
・利益:415万円
・20年後資産額:1015万円
月2.5万円を20年間積み立てた場合、投資元本の合計は先ほどと変わらず600万円です。これを同じく年利回り5%で運用し続けた場合、最終的な資産額は約1015万円となり、約415万円の利益が生じます。
「月10万円を5年間積み立ててから15年間放置」と比較して、なんとその差が約400万円にも上る結果となりました。
同じ元本額、同じ運用期間、同じ利回りであるにもかかわらず、大差が生じたのはどうしてなのか、次に詳しく説明をしていきます。
大差がついた要因
今回、2つのケースで大きな差が生じる分岐点となったポイントは「運用する資産額が大きくなるスピード」です。最終的な元本としては600万円でどちらも変わりありませんが、1つ目のシミュレーションでは5年目に元本600万円に到達しています。
複利効果は、運用する元本が大きければ大きいほど、そして運用期間が長ければ長いほど、その効果を発揮します。1つ目のケースでは、5年という早い段階で投資元本をすべて投入し、その大きな塊全体に対して15年という長期間にわたり利益が発生し続けました。
その結果、今回のシミュレーションのように安定した5%の利回りで運用できた場合、お金が雪だるま式に増えることになり、20年間少額で積み立てた場合と比較して比べ物にならないほど利益が大きくなったのです。

複利の効果
「10万5年」だけが正解なのか?
今回のシミュレーション結果を見ると、同じ元本600万円を投じるのであれば、なるべく短期間で資産を積み上げていくのが最善と考える人も多いのではないでしょうか。
実は、そのように断言できない部分も存在します。なぜならば、短期間で積立額を想定の上限にしてしまうことで、価格変動による元本割れのリスクを大きくしてしまう可能性があるのです。
今回のシミュレーションでは、保有期間の20年間を通して、安定的に利回り5%で運用することを想定したものです。
しかし、実際の投資は、資産価値が常に変動するため、安定的に上がり続けることはほとんどありません。
そのため、例えば積立購入した5年間が資産価値が非常に高い状態で、その後資産価値が暴落して一向に上がらなかった場合、高値で購入した資産の価値が大きく下がってしまうため、元本割れにより損失を被る可能性があるのです。

定額・長期のメリット
それぞれのメリットデメリット
このように、「短期集中+放置」と「長期少額積立」には、それぞれメリットデメリットがあります。ここからは、どちらを選択すれば良いか、判断するための基準を整理していきます。
「安全性」を重視するなら長期間の定額積立
高値でまとめて買ってしまうような価格変動リスクを最小限に抑えたい方には、一定額を長期的に積み立てる方法がマストです。
20年以上の長期積立であれば、相場が高い時には少なく、安い時には多く買うことができるため、購入資産の単価を標準化してリスクを抑えつつ、着実に資産形成を進めることができます。また、初めの5年間で比較すれば、月の出費が抑えられるため、急なライフイベントの出費にも対応しやすいという安心感があります。
「リターン」を狙うなら短期集中も
一方で、手元にある程度の余剰資金があり、一時的な相場の下落にも精神的に耐えられるのであれば、複利の力を最大限に活かすために、早期に資金を投入する短期集中も選択肢とすることが可能です。
短期集中で運用資産を早い段階で大きくすることにより、安定的に資産が成長した際に複利の力を大きく受けられるため、今回のシミュレーション結果のように、最終的な資産額が大きく育ってくれる期待を持つことが可能です。
おわりに
新NISAを活用した積立投資において、「積立をやめたらそこで終わり」ということはありません。積立をストップしたとしても、NISA口座に資産を残して運用を継続していれば、そこから先は、順調に資産価値が上がることで、複利の力によってお金を育てることができます。
重要なのは、シミュレーションの最大値だけを追い求めるのではなく、それぞれのメリットデメリットを理解した上で、自分が心穏やかに継続できる、最適な投資スタイルを見つけることです。
参考資料
・金融庁「つみたてシミュレーター」
・金融庁「「貯める・増やす」 ~ 資産形成〜」
・金融庁「資産形成の基本」
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