「オルカン最強説」は本当か? 一世を風靡した「レバナス」と比べてみた意外な結果…2倍差で勝ったのはどっち?

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス, 2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?, 「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由, 「レバナス」の「毒と薬」, 3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

「オルカン最強説」は本当か? 一世を風靡した「レバナス」と比べてみた意外な結果…2倍差で勝ったのはどっち!?

NISAの普及もあり、話題にのぼることが多くなった投資信託。でも、一体どうやって選べばよいのでしょうか? 投信ライターの德永浩氏が、ちまたでなにかと比べられる2本の投資信託を比較・分析してそれぞれの特徴や強み、知っておくべきポイントを考察します。

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2018年1月に「つみたてNISA」が産声を上げたタイミングを考えると、それぞれ2018年10月に新規設定された「レバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100)」(大和アセットマネジメント)と「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」(三菱UFJアセットマネジメント)は、長期資産形成を目的とした「つみたて投資」を強く意識して設定されたファンドといえます。2018年10月から、現在(2026年4月)までの約8年間を振り返ると、投資信託の歴史の中でも極めてドラマチックな動きを経験しました。ガチンコ視点で深掘りします。

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス, 2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?, 「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由, 「レバナス」の「毒と薬」, 3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス

2018年10月にそれぞれ投資を開始し、現在まで保有し続けた場合の「体感値」はざっくりと以下の通りです。

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス, 2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?, 「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由, 「レバナス」の「毒と薬」, 3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

より具体的に、ファンドの設定月である2018年10月末に91万円(2018年10月~2026年4月まで毎月1万円つみたて投資の累積投資額)を投資して現在まで持ち切った場合の収益と、2018年10月末から毎月1万円をつみたて投資した場合の収益を比較します。

収益の比較は、資産運用業協会の投資シミュレーションを参照しました。

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス, 2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?, 「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由, 「レバナス」の「毒と薬」, 3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

【ガチ比較の結果】

トータルリターン(利益)では、「レバナス」が「オルカン」を圧倒的に上回っています。一括投資の投資評価額は「レバナス」が約683万円に対し、「オルカン」は約331万円です。つみたて投資でも「レバナス」の評価額は約286万円に対し、「オルカン」は約207万円です。投資収益は「レバナス」が「オルカン」の約2倍という成績になりました。

しかし、「レバナス」は2018年からの約8年間で「資産が半分以下になる」という絶望を2回(コロナ時と2022年)経験しており、「レバナス」に投資する精神的負荷は「オルカン」の数倍に及びます。

2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?

「資産を増やす力」だけでなく、「投資を続けられるか」という視点が重要です。

「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由

• 圧倒的な低コスト: 2018年以降、信託報酬の値下げ合戦により運用コストは極限まで下がりました。「オルカン」の運用にかかるコスト(信託報酬)は年0.0525%(税抜き)です。「レバナス」の年0.90%(同)と比較すると17分の1以下になります。長期ではこの「数ミリの差」が数十万円、数百万円の差になります。

• 「負けない」構成: 米国株が10年停滞する時代が来ても、他国がカバーします。2018年以降、GAFAM以外の銘柄や日本株の復活なども柔軟に取り込めたのはオルカンの強みです。

「レバナス」の「毒と薬」

• 強気相場での加速: 指数が2%上がれば4%上がる。このスピード感は資産形成の「ブースター」になります。

• 複利の逆回転: 暴落時に「レバレッジがかかった状態で下がる」と、元の価格に戻るために必要な上昇率はすさまじいものになります(50%下がると、元に戻るには100%の上昇が必要)。「NASDAQ100」が下落する局面では、せっかく積み上げた収益をあっという間に吐き出し、その収益を再度積み上げるにも時間がかかります。

3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

2018年からの8年間が教えてくれたのは、「相場に居続けることが最強の戦略」だということです。

1. 2018年からのシミュレーション・パフォーマンス, 2. 長期資産形成で「役立つ」のはどっち?, 「オルカン」が長期投資の「正解」といわれる理由, 「レバナス」の「毒と薬」, 3. 結論:あなたが選ぶべき「ガチ」な道

※徳永氏によるまとめ

「オルカン」を選ぶべき人(王道・鉄板)

「20年後に確実に、今の購買力を維持した資産を持ちたい」ならこちらです。2018年から積み立てていれば、含み益がクッションとなり、暴落時も「マイナスにならない」という心理的余裕を持って継続できます。

「レバナス」を組み入れるべき人(攻撃的布陣)

「リスクを理解した上で、平均点以上の成功をつかみたい」人です。ただし、「全財産レバナス」は心臓が持ちません。資産の10〜30%程度を「サテライト(攻撃役)」として「レバナス」に割り振り、残りを「オルカン」で固めるというような持ち方が、結果的に「レバナス」で大きな収益を稼ぐことができる道といえます。

2019年に「レバナスこそ最強!」と叫んでいた人の多くが、2022年の下落で退場しました。一方、「オルカン」を淡々と積み上げた人は、今、過去最高の含み益を笑いながら眺めています。長期戦において、最後に笑うのは「大勝ち」した人ではなく「退場しなかった」人です。最後に笑うために「退場しなくても済む方法」を考えましょう。

現在の資産状況や、あと何年運用できるかによって、「レバナス」への投資比率は変わります。想定される運用期間が短いほど「レバナス」に投資可能な比率は小さくなります。あなたの場合、あと何年くらいの運用期間(ゴール)を想定していますか?

徳永 浩/投信ライター/記者

株式専門新聞社で株式・投信市場、上場企業を担当し取材活動をスタート。日本金融通信社『ニッキン』にて地方銀行をはじめ地域金融機関を担当し、投信の銀行窓販の黎明期を取材。日銀記者クラブ、兜倶楽部に所属した。モーニングスター社において投信市場に特化した取材活動を行った後に独立し、投信や年金などウェルビーイングの観点から取材を続けている。

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