多忙な心臓専門医が実践する、心臓の健康を保つための4つの習慣

アラスカを拠点にする心臓専門医ジェイク・ケリー医師
- アラスカを拠点にする心臓専門医のジェイク・ケリー医師は、長年にわたり心臓に良い習慣をいくつか身につけてきた。
- 3児の父親として忙しい日々を送るケリー氏は、十分な運動量を維持するために、朝のワークアウトと週に2度の筋力トレーニングを取り入れている。
- また、心血管の健康を高めるため、主にホールフード(未加工の食品)を食べ、睡眠を最優先している。
心臓専門医のジェイク・ケリー医師は食事においてタンパク質や炭水化物といった主要栄養素(マクロニュートリント)を重視し、自身の患者にもこれと同じアドバイスを伝えている。「一見すると些細な、あるいは悪い習慣は、時間が経つにつれて蓄積していきます」と彼は言う。
「20代の頃はそれほど問題にならなくても、30代になるとその影響が目立ち始めます。そして40代、50代、60代を迎える頃には、悪い習慣のツケが健康数値の悪化という形で現れるわけです」
それには心血管疾患の発症リスクの上昇も含まれる、と彼は続けた。
ケリー氏が、多忙な仕事と育児のスケジュールの合間を縫って実践している、心臓の健康のために最優先している4つの習慣を明かしてくれた。
1. 朝一番にワークアウトをする

ケリー氏は毎朝、自転車に乗るかランニングをして一日を始める
30代や40代の多くの患者と同じように、ケリー氏もまた、家庭と自分のルーティンとのバランスを取らなければならない。「自分のための時間なんて全くないです」と彼は言う。
そこで彼が行った大きな変化の一つが、妻にならって朝一番にワークアウトをすることだった。「妻が私をその気にさせるのに15年もかかったよ」と彼は笑う。
ケリー氏は朝の1時間を、自転車に乗るか、犬と一緒に走ることに充てている。また、週に2回、それぞれ20分ほどの筋力トレーニングの時間もなんとか捻出している。「その時間だけは死守しています」と彼は語る。
2. こまめなリセットとスタンディングデスクで「座りっぱなし」を防ぐ

子どもがいるおかげで、自然とアクティブな状態を保てるとケリー氏は語る
朝のワークアウトに加え、ケリー氏は自身が「エクササイズ・スナック(手軽な運動)」と呼ぶ方法を取り入れ、1日1万〜1万5000歩を目指している。
「座りっぱなしは“現代の喫煙”です。喫煙率は非常に低くなりましたが、私たちは皆、極度に座りっぱなしの生活を送っています」と彼は指摘する。これは心血管疾患の重大なリスク要因だ。
これに対抗するため、彼は1日の中でこまめなリセットを心がけている。オフィスの中を早歩きで歩き回る、トイレに立つ、あるいは道具を使わないスクワット(エアスクワット)を10回行うといった具合だ。この休憩は通常15分以内で、1時間ほどの間隔で行うことを目指している。
また、子どもたちの存在も彼を活動的にさせている。「子どもたちは1マイル(約1.6km)歩いたりジョギングしたり、サッカーボールを蹴ったり、自転車に乗ったりします。子どもたちと一緒に動くことで、プラスアルファの運動ができるんです」
さらに、ケリー氏はランナーによく見られる慢性の過度使用障害(オーバーユース)である「近位ハムストリング腱障害」と、下半身に鋭い痛みを引き起こす「神経圧迫症候群」を患っているため、長時間座っていることができない。
そのため、彼は可能な限りスタンディングデスクを使用し、その合間にもできるだけ歩き、体を動かすようにしている。
3. シンプルで心臓に優しい食事法を実践する

ケリー氏はすべての食事において、タンパク質、食物繊維、炭水化物のバランスを維持するよう心がけている
食事に関して言えば、ケリー氏は極めてシンプルに考えている。
「今は誰も彼もが『タンパク質、タンパク質、タンパク質』と言っていますよね」
しかし彼は、特定の食品を過剰にもてはやしたり、逆に悪者扱いしたりすべきではないと考えている。
「私は患者にこう伝えています。『1日3食、タンパク質、炭水化物、脂質がバランスよく含まれた食事を摂ってください』と。私たちはこれら3つの主要栄養素のすべてを必要としているからです」
ケリー氏の朝食は通常、タンパク質が豊富な無脂肪のギリシャヨーグルトに、食物繊維と追加の栄養素を補うためのミックスベリーをトッピングする。さらに、加工を最小限に抑えたKashi(カリフォルニア発のオーガニック食品メーカー)のシリアルやチアシード、ピーナッツバターを加えて、食物繊維や良質な脂質、タンパク質を補強する。日中の満腹感を維持するために、プロテインパウダーを加えることもある。
昼食は、鶏肉や豆腐、ローストした野菜、穀物などの残り物を使って作るサラダで、オリーブオイルと酢で作ったシンプルなドレッシングを和える。
夕食の主役はタンパク質だ。「ここアラスカでは、サケやオヒョウ(ハリバット)をよく食べます」とケリー氏は言う。そこにローストした野菜や、追加のタンパク質源にもなるキヌアやファロ(古代小麦)などの炭水化物を組み合わせる。
間食には通常、ナッツや果物を食べるが、筋トレを行う日にはチョンプス(Chomps)のミートスティック(スティック状のジャーキー)を食べることもある。
ケリー氏のこだわりとして、午後6時から8時の間に食事を終えるようにしている。これにより10〜12時間の絶食(ファスティング)期間を設け、消化を助け、胸焼けを軽減させている。
「夜8時までに食事を済ませたら、翌朝まで何も食べないようにしています」と彼は言う。
もし猛烈にお腹を空かせて目が覚めたときは、ワークアウトの前にリンゴを1個食べる。「ただ自分の体の声に耳を傾けているだけです」と彼は付け加えた。
4. 睡眠に向けて心身を落ち着かせる

ケリー氏は就寝の1時間前に画面を消し、代わりに本を読む
ケリー氏は睡眠のルーティンをできるだけ一定に保つよう心がけており、毎日同じ30分の時間枠の中で就寝するようにしている。
「睡眠は最高のパフォーマンス向上薬だ」と彼は言う。睡眠は夜の間に体が組織を修復し、脳の老廃物を除去するのを助けるからだ。また、睡眠は心血管疾患のリスク低下にも直結している。
彼は就寝の数時間前に食事を終え、夜中に目が覚めるのを防ぐために寝る2時間前からは水分摂取を控える。そして、ベッドに入る1時間前にはスマホなどの画面を見るのをやめる。
「こうしたリセットを行うことで、翌日のための万全な準備が整うんです」と彼は語った。