外国人の強制送還、さらに強力に推進 非正規滞在「ゼロプラン」の強化版を発表 「不法就労」ネット監視も

 非正規滞在の外国人の減少を目指す「ゼロプラン」について、平口洋法相は22日、「強制送還(護送官同行)のさらに強力な推進」など、規制・管理を強化する「強力推進パッケージ」を発表した。仮放免者らの再収容による帰国説得、「不法就労」に関するネット情報を監視するサイバーパトロールも盛り込んだ。識者は非正規滞在者の人権がさらに軽視されないか懸念を深めている。

◆「通報」の促進、雇用主の摘発にも力

 プランは、出入国在留管理庁(入管庁)が昨年5月23日、「国民の安全・安心のため」として発表。強化策は、高市早苗首相が同11月、平口法相に「ゼロプランの強力な推進」を指示したことなどを受けとりまとめ、随時実施していく。

22日午前、「ゼロプラン」の強化策を発表する平口洋法相=東京・永田町で

 強化策では、不法就労について公務員に義務化されている通報を周知するなど、情報提供や通報の促進策を検討する。雇用主の不法就労助長の摘発にも力を入れる。

 強制送還は手法として、複数の人の同時送還やチャーター機の利用、送還国の官憲の同行を検討。仮放免中の人らの再収容による説得は、病気療養など収容を解いた際の要件を満たさなくなった人を対象とした。サイバーパトロールは、就労先の紹介といった交流サイト(SNS)などの情報を収集・分析し、不法就労の摘発につなげる。実施は2027年度以降。

◆「排除、排除は人気取りにしか思えない」

 入管問題に詳しい児玉晃一弁護士は「人手不足など非正規滞在者の根本的な原因に向き合わず、表面的な現象の対応に追われている。排除、排除は人気取りにしか思えないし、排外的な風潮が悪化しかねない」と指摘した。

5月15日、参院本会議で入管難民法改正案の趣旨説明をする平口洋法相

 昨年の強制送還は、前年より69人増え、過去最多の318人。プラン発表後の6~12月は月平均約33人で、1~5月の同約16人から倍に増えた。難民申請3回目以降の「例外規定」による送還は前年比3倍の52人。非正規滞在者は約6万8000人(1月1日現在)。(飯田克志)

東京出入国在留管理局(資料写真)

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