来月、6月15日支給分から年金が増える【国民年金+厚生年金】「月30万円以上受給する人」はどれくらい?
年金についての「よくある誤解」3つ

来月、6月15日支給分から年金が増える【国民年金+厚生年金】「月30万円以上受給する人」はどれくらい?
令和8年度の年金額改定が適用される中、「自分はいくら受給できるのか」と気になる方もいるでしょう。
来月、6月15日支給分から令和8年度の年金額が適用され、前年度と比較して国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%増額改定となります。
受給額はできるだけ高額なのが理想ですが、例えば「月30万円以上」受給している人はどのくらいいるのでしょうか。
本記事では、国民年金と厚生年金を合わせて月30万円以上受給している人の割合や、年金制度についてのよくある誤解について解説していきます。
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厚生年金と国民年金の平均受給額
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の平均受給額は以下の通りです。なお、厚生年金には国民年金分も含まれます。

厚生年金・国民年金の平均受給額
【厚生年金】の平均受給額
・全体:15万289円
・男性:16万9967円
・女性:11万1413円
【国民年金】の平均受給額
・全体:5万9310円
・男性:6万1595円
・女性:5万7582円
厚生年金の平均受給額は15万289円で、国民年金は5万9310円とされており、厚生年金の方が9万円強多いです。
国民年金のみの受給となる場合、老後の生活費を年金だけで賄うのは難しいでしょう。年金以外の方法で老後の生活費を確保しておく必要があります。
ただし、厚生年金の平均受給額を男女別に見ると、女性は男性より約5万8000円も少額になっています。
これは、厚生年金保険への加入期間や現役時代の収入が関係しています。
厚生年金は、加入期間が長いほど、また、年収が高いほど受け取れる年金額が高額になるのが一般的です。
現在年金を受給している世代の女性は、結婚後は家庭に入ることが多く、専業主婦や、働いていても扶養の範囲内に収めている方が多い傾向にあります。
そのため、厚生年金への加入期間が短くなり、収入も男性より少ないことから、厚生年金受給額も少額になると考えられます。
一方、国民年金受給額は保険料の納付月数によって決まり、現役時代の年収に大きな影響は受けません。そのため、男女間の差も少ないと考えられるでしょう。
月額30万円を受給している人はわずか0.12%
月額30万円を受給している人はどのくらいいるのか、その割合を解説する前に、「月額1万円未満」から「月額30万円以上」までの受給額ごとの受給権者割合をチェックしましょう。

厚生年金月額ごとの受給権者数
・1万円未満:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上:1万9283人
30万円以上の人は、厚生年金受給権者1608万5696人のうちわずか1万9283人で、その割合は約0.12%です。
約1000人に1人の割合という、ごく少数の限られた人であることがわかります。
厚生年金の平均受給額は約15万円であり、月額30万円以上は平均の2倍以上の金額であることから、受給できる人はまさに一握りの選ばれた層といえるでしょう。
年金についての「よくある誤解」3つ
現在の日本の年金制度について、「破綻する」「払うだけ損する」などの誤った情報を見聞きすることがあります。
よくある誤解3つについて、真相を解説していきます。
【誤解1】将来、年金制度は破綻する
少子高齢化や年金保険料の負担増などの状況から、年金制度はいずれ破綻するという誤解が生じています。
しかし、年金原資は加入者からの保険料や積立金、国庫負担が充てられており、現役世代が存在する限り支給が停止することはないと考えられています。
さらに、社会情勢に合わせて給付水準を自動で微調整する「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されており、100年先を見据えて制度のパンクを防ぐ工夫がなされています。
また、基礎年金の給付費の半分(2分の1)は国が税金で負担しているため、国が存続する限り年金がゼロになることはありません。
加えて、世界最大級の規模を誇る「年金積立金(GPIF)」による運用益も将来の給付を支える大きなクッションとなっており、多層的な仕組みで持続可能性が保たれています。
【誤解2】保険料を払うだけ損する
納めた保険料の総額よりも受給できる総額の方が少ない、ということも良く見聞きします。
しかし、老齢基礎年金の場合、65歳から受給を始めると、約10年(75歳前後)で支払った保険料の元が取れる計算になります。
現在の日本人の平均寿命を考えると、多くの方が納めた保険料以上の給付を受けられる設計になっています。
もちろん、寿命は人それぞれ異なるため絶対とは言い切れませんが、「長生きリスク」に対する保険と考えることもできるでしょう。
民間の個人年金とは異なり、公的年金は「一生涯」受け取れるだけでなく、社会情勢に合わせて給付額が調整されるため、物価上昇(インフレ)にも強いという特徴があります。
さらに、万が一の際の「障害年金」や「遺族年金」という保障もセットになっており、老後だけでなく現役世代のリスクもカバーしています。
【誤解3】年金は老後だけにもらえるもの
こちらも良くある誤解の一つです。
年金には「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の主に3つがあり、原則として65歳以上に支給開始されるのは老齢年金です。
しかし、現役世代の方でも、一定の障害状態にあることが認められると障害年金が支給されたり、一家の大黒柱に万が一のことがあった際に遺族年金が支給されたりします。
これらは、現役世代のためのセーフティーネットとなるものです。
このように、年金は老後だけでなく現役世代の生活を守るためにも役立つものであることがわかるでしょう。
おわりに
国民年金と厚生年金を合わせて月30万円以上受給している人は0.12%とされており、約1000人に1人の割合となっています。
厚生年金の平均受給額は約15万円であることから、2倍以上の受給額の人はごく一部の人に限られることがわかります。
現在の日本の年金制度については、将来的な不安から誤解を持たれていることがあります。
将来の年金制度を維持するためには、一人ひとりが正しい知識を持つことも大切といえるでしょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方_第2_公的年金制度の財政方式」
・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
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