40歳代・50歳代の貯蓄(平均・中央値)はいくら?《ミドルエイジのリアルな貯蓄事情》
初任給は「貯金より投資」?20代も恐れる老後不安。「運用益」が資産の差を生み出すいま

40歳代・50歳代の貯蓄(平均・中央値)はいくら?《ミドルエイジのリアルな貯蓄事情》
風薫る5月も終わりに近づき、4月に入社した新社会人たちも「初任給」を手にし、少しずつ生活のペースを掴み始めている時期ではないでしょうか。
そんなフレッシュな若者たちの「お金の価値観」にまつわる調査結果を見てみましょう。

初任給の使い方について
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社が公表した「新社会人の初任給の使い道に関する意識調査」によると、初任給の使い道として「できるだけ投資に回したい(31.5%)」と答えた人が、「できるだけ貯蓄したい(7.5%)」を大きく上回りました。
さらに、約9割がお金に対する不安を抱え、投資を検討する理由の第1位も「老後への不安(53.2%)」だったのです。
20歳代の新社会人ですら、初任給を手にした時点ですでに「老後」を見据え、資産形成を始めている現代。 一方、そんな彼らとは対照的に、キャリアの責任が重くなり収入面でも一つのピークを迎えているのが40歳代・50歳代です。
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、55〜59歳の平均給与は572万円(男性は734万円超)と、全世代で最も高い水準にあります。
しかし、教育費や住宅ローンといった特有の出費も重なり、「手取りは増えているはずなのに、生活の実感が追いつかない」と感じている方も多いでしょう。
若者たちが老後を見据えて動き出している今、働き盛り世代の家計管理も新たな局面に入っています。
本記事では、最新の調査データをもとに、40歳代・50歳代の貯蓄額の実態(平均・中央値)と、老後に向けた家計収支の現実を詳しく紐解いていきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【二人以上世帯調査】資産増加の要因として「運用益」が上位に
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の金融資産保有額は平均1940万円、中央値は720万円となり、いずれも前年から大きく伸びています。
資産が増えた背景としては、「定期的な収入の増加」や「収入からの貯蓄割合の引き上げ」を上回り、「株式・債券の評価額の上昇(38.7%)」や「配当・金利収入(35.0%)」といった運用による収益が上位に挙げられている点が特徴です。

二人以上世帯「金融資産保有額の推移」
また、働き盛りである40歳代・50歳代に着目しても、資産運用による増加を実感している世帯が一定数見られます。
・定例的な収入が増加したから:40歳代37.5%、50歳代26.6%
・株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから:40歳代38.4% 50歳代34.1%
・配当や金利収入があったから:40歳代33.0% 50歳代29.5%
次章では、40歳代・50歳代に焦点を当て、貯蓄の実態を詳しく確認していきます。
40歳代・50歳代の貯蓄(平均・中央値)はいくら?《ミドルエイジのリアルな貯蓄事情》
40歳代・50歳代の貯蓄状況について、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとに見ていきます。
「40歳代・二人以上世帯」の金融資産保有額をチェック

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成
・金融資産非保有:18.8%
・100万円未満:10.0%
・100~200万円未満:6.2%
・200~300万円未満:5.1%
・300~400万円未満:4.4%
・400~500万円未満:2.6%
・500~700万円未満:7.3%
・700~1000万円未満:6.1%
・1000~1500万円未満:9.7%
・1500~2000万円未満:6.5%
・2000~3000万円未満:8.2%
・3000万円以上:13.1%
・無回答:2.1%
・平均:1486万円
・中央値:500万円
「50歳代・二人以上世帯」の金融資産保有額をチェック

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成
・金融資産非保有:18.2%
・100万円未満:6.5%
・100~200万円未満:6.4%
・200~300万円未満:4.1%
・300~400万円未満:3.5%
・400~500万円未満:2.2%
・500~700万円未満:6.7%
・700~1000万円未満:7.7%
・1000~1500万円未満:9.3%
・1500~2000万円未満:6.1%
・2000~3000万円未満:8.1%
・3000万円以上:18.8%
・無回答:2.2%
・平均:1908万円
・中央値:700万円
両世代ともに、平均値が中央値を大きく上回る結果となっています。
40歳代では平均1486万円に対して中央値は500万円、50歳代では平均1908万円に対して中央値は700万円です。
このような差は、一部の資産規模が大きい世帯が平均値を押し上げていることを示しており、実態に近い水準を把握するうえでは、中央値を参考にすることが重要でしょう。
さらに、50歳代においては、金融資産を持たない世帯が18.2%に達している点も見逃せません。
加えて、貯蓄額が500万円未満(金融資産非保有世帯を含む)の世帯も40.9%に達しており、全体の半数近くを占めています。
その背景には、教育費や住宅ローンなどの固定的な支出が重く、十分な余力を確保しにくい状況があると考えられます。
一方で、3000万円以上の金融資産を保有する世帯も18.8%あり、同じ年代でも資産状況に大きな差があることがわかります。
こうした状況を踏まえると、将来を見据えた計画的な資産形成の重要性は、これまで以上に高まっているといえるでしょう。
65歳以上の夫婦世帯、リタイア後の1カ月の生活費はいくら?
老後の生活を具体的に設計するためには、公的なデータから実際の資金状況を把握することが第一歩です。
ここでは、総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」を参考に、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支をみていきましょう。

65歳以上の生活費
65歳以上・無職夫婦世帯における毎月の収入と内訳
収入合計:25万4395円
・うち社会保障給付(主に年金):22万8614円
65歳以上・無職夫婦世帯における毎月の支出と内訳
支出合計:29万6829円
・消費支出:26万3979円
・非消費支出:3万2850円
このモデル世帯の家計を整理すると、1カ月の収入は25万4395円です。そのうち約9割にあたる22万8614円が、公的年金をはじめとする社会保障給付で占められています。
他方、支出の合計は29万6829円です。内訳は、食費や光熱費といった日常生活に必要な「消費支出」が26万3979円、税金や社会保険料などの「非消費支出」が3万2850円となっています。
結果として、毎月およそ4万2000円が不足する計算になります。
この赤字分は、現役時代に築いた貯蓄などを取り崩して補填する必要があります。リタイア後の生活を安定させるには、現役のうちから計画的に資産を準備しておくことがいかに重要かがわかります。
まとめにかえて
今回見てきたように、65歳以上の無職夫婦世帯では毎月およそ4万2000円が不足し、決して少なくない貯蓄の取り崩しが必要となるのが現実です。
冒頭で触れた通り、食卓の物価高は夏以降に再び上昇に転じるリスクを孕んでおり、私たちの家計を取り巻く環境はさらに厳しさを増していくかもしれません。
とくに教育費や住宅ローン、親の介護といったライフステージ特有の出費が重なる40歳代・50歳代にとって、将来を見据えた資金準備は急務と言えます。
「貯め時」「使い時」は世帯ごとに異なりますので、焦って周りと比較するのではなく、まずは丁寧な家計管理をおこない、「わが家のペース」でお金の出入りを見える化していくことが大切です。
その上で、目前に迫る夏のボーナスなどを機に、新NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用し、預貯金と投資を上手に組み合わせた資産づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
「自分が働く」だけでなく、「お金にも働いてもらう」仕組みを取り入れることが、長引くインフレと長寿時代の老後を乗り切るための心強い備えとなるでしょう。
参考資料
・インベスコ・アセット・マネジメント株式会社「【インベスコ 新社会人200名 初任給使い道に関する意識調査】初任給の使い道、「投資派」が「貯蓄派」の4倍以上に約9割がお金に対する不安を抱え、投資理由の第1位も「老後への不安」」
・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
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