メタ社員の私は年収4800万円だが、テレビもソファも車もない。すべては30歳までにFIREするためだ

レイモンド・ゼン。

  • レイモンド・ゼン(Raymond Zeng)はサンフランシスコのベイエリアに住む、メタ(Meta)のソフトウェアエンジニアだ。
  • 年収は30万6500ドル(約4800万円)だが、積極的に貯蓄し、30歳までの退職を目指している。
  • ゼンは物より旅行や趣味を優先し、クレジットカードの特典を活用して旅費を節約している。

本稿は、サンフランシスコのベイエリアに住むメタのソフトウェアエンジニア、24歳のレイモンド・ゼン(Raymond Zeng)との対話をもとに編集したエッセイである。

多くの友人が、私のライフスタイルは非常に「スパルタ式だ」と言う。車もソファも、テレビさえも持っていないからだ。

私はこのライフスタイルを意識して行っている。望めばさらに家具を揃え、もっとお金を使う生活に切り替えることもできるのに、だ。

私はメタ(Meta)のソフトウェアエンジニアで年収は30万6500ドル(約4800万円)である。ダラスで2年間過ごした後、約8カ月前にサンフランシスコ・ベイエリアへ移住した。

パーソナルファイナンスで重要なのは、どこにお金を使い、どこに使わないかを選択することだと思う。

アパートのリビングで過ごすレイモンド・ゼン。

今の私は、あまり使わないものでアパートを埋め尽くしたり、充実した生活につながらない体験にお金を使ったりするよりも、投資や旅行、趣味を優先したいと考えている。

総報酬の約60%を占めるボーナスやストックオプションを除くと、平均月収は7000ドル〜8000ドル(約110万円~約126万円)で、税金と退職金拠出を差し引いた手取りは月額でおよそ4000ドル(約63万円)だ。月によって異なるが、5000ドル〜2万ドル(約79万円~約316万円)を貯蓄しているのだ。

私の目標は30歳前後に退職することだが、退職計画には多くの変動要因が絡んでいる。

コスト削減のためのミニマルな生活術

レイモンド・ゼン。

私が住むアパートはベッドルームが1つだけであり、家賃は月額2600ドル(約41万円)とこの地域としては割安だと思っている。オフィスに近い同様のアパートは月3500ドル〜3700ドル(約55万円~約58万円)ほどする。この物件を選んだもうひとつの理由は、ベイエリア高速鉄道(BART)の駅から徒歩5分という立地で、カフェや食料品店、タピオカドリンクショップも近くにあるからだ。

私は意識してかなりミニマルな生活を送っている。リビングルームは仕事と趣味のスペースを兼ねており、ほとんど見ることのないテレビは買わずにパソコンで代用している。また、人を招くことも少ないため、最低限の家具しかそろえる必要性を感じない。

寝室の状態も同じくシンプルで、ベッド、毛布、枕、そしてナイトスタンド代わりのファイリングキャビネットだけだ。唯一奮発したのは400ドルのビデ(温水洗浄便座)で、生活の質を高めるものとして十分な価値があると感じている。

寝室もミニマルな家具で統一されている。

車も持っていないため、交通費は極めて低い。ほぼ毎月ゼロで、たまにライドシェアや公共交通機関に約30ドル(約5000円)使う程度だ。それ以外は徒歩か、会社のシャトルサービスを利用している。

食費も抑えるよう心がけている。食料品に月約300ドル(約5万円)、外食に75ドル(約1万円強)の予算を設けているが、会社が朝食と昼食を補助してくれるため、上限を超えることはほとんどない。

週末の多くは、遠方に住んでいて頻繁に会えない友人たちとVR空間で過ごしている。実際に顔を合わせるのは数カ月に1度ほどだ。ある意味、これが思わぬ節約につながっている。バーやレストラン、その他の社交活動にほとんど行かなくなったからだ。

実際にお金を使うもの

シンガポール空港で。

旅行と趣味には月に400〜500ドル(約6万円~約8万円)ほど使っており、年間約1000ドル(約16万円)のクレジットカードの年会費もその中に含まれる。ポイントやトラベル特典を活用して航空券代を補填しており、家賃以外の日常的な支出が比較的少ないため、日々の買い物でポイントを貯めるよりも入会ボーナスが高いカードを重視している。

その戦略が成功した。昨年、ポイントを使ってロサンゼルス〜シンガポール間のビジネスクラス航空券を父と私の2人分予約し、航空運賃代を5000ドル(約80万円)以上節約できたのだ。

裁量的支出の多くは、ファーリー(furry)コミュニティ(擬人化された動物を愛好するコミュニティ)での活動に充てている。キャラクターをデザインしたり、アートワークを発注したり、VRで交流する同じ友人たちとコンベンションに参加したりしている。このコミュニティでは、自分の分身である擬人化された人格を、クリエイティブなアバターとして使う。私にとっては、ハイテク企業での日々の仕事では見いだせない自己表現の場なのだ。

ロボット犬のような、ゼンのファーソナ(擬人化された動物キャラクター)。

また、カスタムのファースーツ(fursuit)購入のために貯蓄している。メーカーによっては7000ドル(約110万円)にもなる代物だ。

もうひとつの贅沢はひとり暮らしだ。ルームメイトと住めばもっと節約できることはわかっているが、自分だけの空間は、節約には代えがたい価値がある。

資産の管理と投資の方法

株式付与やボーナス、退職金拠出の状況によって、1カ月に5000ドルから2万ドルを貯蓄できる。

毎年、401(k)、ロスIRA(Roth IRA)、健康貯蓄口座(HSA)への拠出を上限まで行い、さらに証券口座にも拠出している。現在の投資配分は、米国株式市場が約80%、海外が20%だ。

また、あらゆる支出を細かく記録している。毎月、自分で作った予算管理スプレッドシートを更新する。テンプレートは使わない。追跡が必要な項目に応じてカテゴリーを追加・削除できる、自分だけのシートが適切だからだ。

ゼンの資産管理用スプレッドシート。

これ以外に税金、給与予測、投資の成長用のより大きな管理スプレッドシートもある。一部のシートでは、投資リターンや拠出率に応じて、将来の財務状況を試算している。

現時点では、計画通りに進めば30歳までに200万ドル(約3億1600万円)以上を投資に回せると試算している。40歳までにはその額が700万ドル超(約11億円)に成長すると見込んでいるが、退職計画や市場のパフォーマンスに関しては、まだ不確定な要素が多い。

また、常に計画を最新の状態にアップデートして、率直なフィードバックを受けるよう心がけている。いくつかのレディット(Reddit)やディスコード(Discord)、のコミュニティに積極的に参加して、自分の数字や計画をYouTubeチャンネルで公開している。

FIREコミュニティから得た最も重要な考え方のひとつは、「自分が望む生活を設計し、そのために貯蓄する」ということだ。ただし、状況が変われば柔軟に対応し、退職計画も変えるつもりである。