米が輸入医薬品に100%の関税、トランプ氏が表明…年4000億円規模を輸出の日本の製薬業界に衝撃
【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ大統領は25日、10月1日から米国に輸入される医薬品に100%の関税を課すと表明した。輸入大型トラックや家具類にも、それぞれ新たに関税を課すと明らかにした。自身のSNSに相次いで投稿した。

トランプ大統領(25日)=AP
トランプ氏は医薬品への関税について「米国内に医薬品の製造工場を建設中の企業でない限り、医薬品に100%の関税を課す。建設が始まっている場合、関税はかからない」と説明した。ジェネリック医薬品(後発薬)は対象外とみられる。
トランプ氏は8月、「医薬品は我々の国で作られるべきものだ」として医薬品への関税を最長でも1年半後に150%とし、その後、段階的に250%まで引き上げる考えを示していた。

トランプ政権は今月、日米の関税措置に関する大統領令に署名した。日本から輸入する乗用車の関税率を従来の27・5%から15%に引き下げ、「相互関税」の負担を軽減する特例措置を16日から適用している。
医薬品に対する関税については、日米が公表した共同声明で他国に課される税率を超えない関税率が適用されることが盛り込まれたが、トランプ氏が署名した大統領令には明記されなかった。日本から米国への医薬品の輸出額は、年間4000億円規模に上る。
日本の製薬業界には衝撃が広がった。米国事業を手がける製薬大手の関係者は「詳細が分からず困惑している。米国は市場が桁違いに大きく、影響は避けられないだろう」と語った。
トランプ氏は10月1日から大型トラックに25%の関税を課すことも表明した。SNSでは「我が国の偉大な大型トラックメーカーが外部からの猛攻撃から守られることになる」と強調した。大型トラックは自動車に対する追加関税の対象外としていた。
家具類に関しては「全てのキッチンキャビネットと洗面化粧台などに50%の関税を課す。布張り家具は30%とする」と投稿した。いずれも外国製品の流入に伴う国内製造業への打撃を防ぐためだと説明している。
今回表明した関税が導入されれば、自動車や鉄鋼・アルミニウム製品、銅に続く分野別の関税となる。トランプ政権は新たな関税措置を視野に、半導体や航空機、木材などの調査も進めている。
「内容がわかり次第、影響を精査」厚労相

福岡厚労相
福岡厚生労働相は26日午前の記者会見で、米国のトランプ大統領による医薬品に関する追加関税の表明について、「具体的な措置内容が明らかではなく、影響について予断を持って答えるのは困難だ」と述べた。その上で、「内容がわかり次第、我が国への影響を十分に精査しながら、関係省庁と連携して適切に対応していきたい」と語った。