独占・高須クリニック高須克弥氏「働けば働くほど罰=税金が重くなるのはひどい」「直美、あんなのクズですよ」

高須クリニック統括院長の高須克弥さんにインタビュー。今、言いたいことを言いまくってくださった。遠慮ゼロで痛快。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2026春号」から抜粋しています】
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高須克弥さんは美容外科医として有名だ。昭和・平成世代なら「YES!高須クリニック」のテレビCМを一度は見ているのではないだろうか。
Xのフォロワーは約94万人(2026年1月20日現在)と、医師のアカウントとしては多い。政治や現代社会への厳しい指摘が喝采を呼んだかと思えば、大規模災害時には物心両面での貢献を惜しまない篤志家でもあり、僧侶や馬主の顔も持つ。
81歳となった今も八面六臂(ろっぴ)の活躍を続けている。
なお、高須さんは2014年に尿管がん、2018年に複数箇所にがんが転移したことを公表した。現在もフルパワーで治療中だ。
2025年10月には『高須の遺言』を出版し、売れている。
■元祖お金ばらまき屋
高須さんの印象は、人をしっかり見て包み込む「お医者さん」そのものだった。よって本稿では高須先生と呼ばせていただく。
「アエラさん? アエラマネー? 僕、金融商品に投資って一切しないんだけど。お金をチマチマ貯めたりするの、一番弱いから。豪快に稼いで豪快にばらまくのが今までの生活。元祖お金ばらまき屋は僕ね!」
ガハハッと笑った。
高須先生のお金の使い方にはブレない哲学がある。
「人間にはいっぱい投資してきました。僕のおかげで医者になったり科学者になったり政治家になったりした人がたくさん」
ウクライナ出身の大相撲の力士、安青錦(あおにしき)のタニマチ第1号になり安治川(あじがわ)親方を喜ばせた。
「親方は当初、外国人の力士に消極的だったけど、強くなるぞってプッシュしたの」
安青錦は2025年11月の九州場所で優勝し、年6場所制以降、初土俵から最速の14場所で大関昇進を決めた。
「モンゴル出身の豊昇龍(ほうしょうりゅう)のタニマチもやっていますよ。横綱昇進のときに龍をモチーフにした化粧まわしを贈ったんですけど、喜んでくれました」

高須先生は馬主としても知られる。愛馬「タカスタカスタカス」は2025年8月にJRAに競走馬登録され、翌9月のデビュー戦(阪神競馬場)でいきなり優勝した。
超富裕層は馬を持ちたがるものなのか?
「順番が違いますよ。お金をいっぱい持っていないと競走馬を買えないだけ。
馬券を買うのは貧しい人が多いけどね、ワハハハ」
それ、そのまま書くと炎上しそうですが……と言っても、高須先生はどこ吹く風。
「炎上? 燃えたら変な人がいろんなこと言ってくるからおもしろいですよね! 僕は正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると言っているだけ」
でも、ネットできつい言葉を投げつけられると多少はしょんぼりしますよね?
「いやいや、楽しいです。僕にダメージを与えるつもりでSNSに書き込む人たちを歓迎して、相手をしているうちに、アンチ勢が来なくなっちゃった。つまらない」
攻撃してくる人も、ブロックしない。逆に高須先生のほうからフォローしてしまう。
すると敵は、たいてい高須先生をブロックしてくる。結果的に見事な撃退法。
「ただし、高須クリニックや関係者への誹謗(ひぼう)中傷や営業妨害となれば見過ごしません。僕個人への攻撃はOKですけどね。
たとえばクリニックに火を付けてやるなんて言われたら、患者や職員の安全に関わりますから。
そういうときは黙って秒速で訴えます。
訴えた相手が実刑を食らい、減刑嘆願書を書いてあげたこともあります」
きつい言葉とは裏腹に、最後に救いの手を差し伸べるところが高須先生らしい。
■高市推し
日頃から高市早苗首相への支持を表明している。2025年10月29日にXで「これから間違いなく景気がよくなる。強い日本(日本の旗のイラスト)が帰ってくる。力を合わせて高市内閣を支えよう」と呼びかけるなど、全面的に「高市推し」だ。
高市内閣で財務大臣を務める片山さつきさんのユーチューブにも幾度となく出演し、国防や教育について語っている。
税金に対する意見を聞いてみよう。消費税について、どうお考えですか?

「10%と言わず、税率をもっともっと上げていいと思っています。使ったお金にかかるから、わかりやすいでしょ」
全員に2割課税でも、なんなら全員に5割課税でもいいとのこと。
「でもね、累進課税は悪い制度ですよ。刑罰並みですよ。働けば働くほど罰が重くなるやつね。
僕は最も多いときで稼ぎの9割を納税していました。国税が課税所得の75%、地方税が15%だったかな。
もうね、税率95%でもいいから、せめて名誉くらいはほしいんだけど。
高額納税者って、名誉どころか、どちらかというと悪者みたいな報道をされたりしますよね」
悪者かどうかはさておき、「こんなに税金をたくさん払って素晴らしい人! 表彰します!」という報道は見たことがない。
「命は平等で、生きている期間が同じなら同じ地球で同じ空気を吸っていますよね。
どうしてたくさん稼いだ人からたくさん税金を取るんでしょうね。平等に税金を取っていたのでは回らないから?」
このセリフも炎上の薪になりそう……。
「僕はすぐに寄付しちゃうから、その分は税金がかかりません。国や日本赤十字社なんかに寄付すれば税控除がありますが、人への投資は税金的にはいいことがない」
子どものように口をとがらせる。
「この間、自衛隊員の方たちに寄付しようとしたけど、国家公務員にお金を贈ったらダメだと。しょうがないので遺族会に寄付しました」
■高須版ノーベル平和賞
今、特に一生懸命なのは「篤志家」だ。
「お金をばらまくだけの財団を3つ持っています。ノーベル平和賞の高須版をつくりたいと思って、2017年に『高須平和賞』を創設しました。事業主体は私財を投じた一般財団法人『高須克弥記念財団』です。
ノーベル平和賞のメダルは約200グラムで表面だけ24金、中身は18金なんだけど、高須平和賞のメダルはすごいよ。
僕の横顔がデザインされているんですが、3個つくって合計約1キロで、オール24金。田中貴金属さんにつくってもらいました」
1キロ! 金の価格だけでも約2600万円(※)の価値があるメダルを受賞者は受け取ることになる。
※2026年1月20日現在、田中貴金属の1グラム当たり店頭小売価格(税込み2万6191円)から算出

高須先生は今の美容外科医療についてどう考えているのだろう。
救命救急等の担い手不足が深刻化する一方、医師免許取得後の2年の義務研修を終えてすぐ(専門研修はせずに)美容クリニックに就職する「直美(ちょくび)」が急増している。
経験の浅い「直美の人」による激安ボトックス注射でトラブルになったケースも散見される。
なぜ、ここまで報道されるほど美容クリニック直行の医師が多いかは医療の素人でもなんとなく想像はつくが、高須先生は直美に対してどう思っているか聞いたら、きっつい一言。
「直美? あんなのクズですよ。
『職業に貴賤(きせん)の別なし。だから診療科は何であっても助けたい心は同じ』とか言ってるみたいですけど。
バカじゃないのかと思いますね」
ビシッ。今日、一番厳しい口調(顔は怒っていない)。
「医者には長い修業期間があります。安い給料で夜遅くまで手術して、予想外のトラブルをなんとか切り抜けて、一人前になっていくの。
直美って、車の免許を取ったばっかりでF1マシンに乗る感じよ」
■美容外科は「デザート係」
高須先生は美容外科を「デザート係」に例えた。
「レストランでおいしいステーキが出てきたら、最後のデザートって、わりとどうでもいいでしょ。満腹であればデザートはなくてもいいかもしれない。
ステーキが生き死にに関わる病気、デザートが美容外科ですよ。
がんや心筋梗塞(こうそく)、脳出血の患者さんを治すほうが大事。感染症への対応のほうが大事。
それができる医者が増えたほうがいいのに、医学部での6年の勉強と卒業後の2年の研修をしてボトックスとヒアルロン酸ばかり打つ医者が増えるなんて、国家的な損失ですよ。
正直に言いなさいよ。他科は労働時間と給料のバランスが悪いから美容外科医が増えてるんでしょ?
コスパがいいから、儲かるから美容外科? 本当にバカ」
本日2回目のバカが出た。一応書いておくが、バカにしているバカではなく、叱っている感じのバカであった。
先ほどボトックスという言葉が出たが、ボトックス注射をシワ改善に応用したのは高須先生が初だ。

「ボトックスは筋肉の神経伝達をボツリヌス菌由来の毒素でブロックする作用があります。
自分の意に反して筋肉が動く『ジスキネジア』など限られた症例にしか認められていませんでしたが、僕が最初に試しました。
筋肉の動きを抑制することを目的としますから、一時的に(打ってから3~6カ月の間)シワが消えます。その後、基本的な安全が確認され、普及しました」
簡単にシワが消えたらうれしい……。
「打つのは簡単だけど、きれいに仕上げるのは難しいのよ。
誤ってまぶたを上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)に打つと、まぶたが下がったままになり、片目だけ一時的に開かなくなったりします。
その差は0.1ミリ。完全に技術がモノを言う世界」
ボトックス注射のトラブルの数だけ、未熟な医師の施術があるということか。
ちなみに、シワやたるみ改善のヒアルロン酸注射や痩身(そうしん)目的の脂肪吸引も高須先生が日本にはじめて持ち込んだ、パイオニアである。
■本業は愛知県の地域医療
ところで冒頭、高須先生を美容外科医として有名と書いたが、ご本人いわく「副業なんです」と。どういうことですか?
「誤解が多いのですが、僕のベースは銀座の高須クリニックではなく愛知県西尾市の高須病院。祖母が明治時代につくった病院です。
僕が理事長を務める医療法人全体で700人ほどのスタッフを抱え、地域医療や救急患者の受け入れ、高齢者福祉を通じて地域に役立っています。
美容外科もやっているのは、単純に楽しいから。報道も『美容外科医の高須』ばかりだから、本業が美容外科と思われがちなんですけどね」
生まれたのは終戦直前の1945年1月、防空壕(ごう)の中だった。
「熱が出た、下げてほしい。子どもが生まれる、助けて。
医師の家だけあって、夜間だろうが休日だろうが、父も母も祖母も、僕を放りっぱなしで往診に出かけていました。医者は肉体労働ですよ。
高須家はもともと地主でお金持ちだったのが、農地解放でほとんど取られちゃった。
それでも、患者にとって『治してくれる人』は神様です。
患者から尊敬され、感謝されることが、お金よりよっぽど大事な医者の勲章です」

高須先生は2014年からがん治療を続けている。体調はいかがですか?
「よくはないです。どちらかというと悪くなっていますが、がん細胞は減ってるの。ひたすらたたいているから。
がんがよくなったと周りは喜んでくれるけど、がんなんてどうでもいいんですよ、僕が長生きできれば。そのことがみんなわからないみたい」
2026年は何をしますか?
「やりたいこと? 生きていたら、そのとき考えますよ! 永遠に現役だからね!」
取材・文/中島晶子(AERA編集部)、大場宏明
高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。高須クリニック統括院長。医師(美容外科、整形外科、形成外科/学位は医学博士)。1969年に昭和大学医学部医学科卒業、1973年に同大学院医学研究科博士課程修了。1974年、愛知県で高須病院を開業。1976年、自由診療の高須クリニックを開設。1977年、著書『危ない美容法』がベストセラーになり、美容整形の専門家としてブレーク。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。現在も治療を続けつつ、現役医師として施術する日々。最新刊『高須の遺言』(講談社)が売れている
編集/綾小路麗香、伊藤忍
『AERA Money 2026春号』から抜粋
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