マクラーレン、設置が義務付けられた”クラッチ解除ボタン”をテープで覆う大失態! FIAは厳罰……約550万円の罰金を科す
F1モナコGPのフリー走行2回目で、マクラーレンのランド・ノリスのマシンがヌーベルシケインで突如ストップしたため、赤旗中断となった。ノリスはマシンを退避路に入れたため、通常であればバーチャル・セーフティカーが宣言されるだけでマシンの回収が済むはずだ。
しかしマーシャルはマクラーレンのマシンを迅速に移動させることができず、セッション中断を余儀なくされた。
コースマーシャルがマシンを動かせなかったのには理由があった。それは、マシンをニュートラルにするために取り付けが義務付けられているボタンが、テープで覆われていたため、マーシャルが押すことができなかったのだ。これによりチームには、3万ユーロ(約550万円)もの罰金を科された。
ノリスとチームの代表者は、フリー走行2回目が終了してから2時間後、モナコGPのレーススチュワードに呼び出され、前述の状況が確認された。
なお今回の状況は、カナダGPのフリー走行1回目開始早々、コース上に停止したリアム・ローソンのマシンのクラッチ解除システムが故障していたことで、レーシングブルズに科されたペナルティに似ている。
この時レーシングブルズにも3万ユーロの罰金が科されたが、そのうち2万ユーロは12ヵ月の執行猶予となった。しかし今回の場合は、テープで覆っていたというより人為的な要素があったため、執行猶予額は1万ユーロに下げられている。
なおノリスとマクラーレンのスポーティングディレクターであるウィル・コートニー、テクニカルディレクターであるニール・ホールディングが出席した聴聞会には、FIAのシングルシーターディレクターのニコラス・トンバジス、テクニカルデレゲートのジョー・バウアーも同席。罰金の裁定について、以下のように説明された。
「チームは空力的な目的で、クラッチ解除システム(CDS)を作動させるために必要ばボタンに透明なテープを貼っていたことを認めた」
「FIA代表の見解およびチーム自身も認めたように、これはCDS本来の目的を完全に損なう行為であった。CDSは保護手袋を着用したマーシャルが迅速に作動させることを前提にして設計されている。チームは、工具を使わずにテープを破ってボタンを押すことは不可能だったと認めた」
「スチュワードは、前回のレースにおける同様の規則違反と比較して、執行猶予額を少なくすることを決定した。その前回の違反と、それに対して科されたペナルティによって、全てのチームがCDSの重要性を認識しているべきだったと判断したからだ」
マクラーレンは今回、F1のテクニカルレギュレーション、C9.3条に違反したということになった。この条項では、以下のように規定されている。
「全ての車両は、エンジンが停止してマシンが停止してしまった場合に、最短でも15分間クラッチを切断できる装置を装備していなければいけない。この装置は、車両の主要な圧力、空気圧、または電気系統が故障した場合でも、レース中は常に正常に作動していなければいけない」
この装置は、モノコックに上向きに装備され、ドライバーもしくはマーシャルが5秒以内に操作できるボタンで作動するようになっていなければいけない。しかしマクラーレンは、このボタンをテープで覆ってしまったわけだ。つまりこの装置を使う必要性が生じないことに賭けていたわけだ。
また、執行猶予額が減額されたことで、FIAが今回の問題を大変重要視していることがわかる。今後における抑止力になるだろう。

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