「とりあえず電話を切りましょう」詐欺電話…繋いだまま“SOS” 特殊詐欺被害防いだ信用金庫勤務の男性に感謝状 大阪府警

 大阪府警は5日、顧客の高齢男性を特殊詐欺の被害から未然に防いだとして、信用金庫に勤める男性(40)に感謝状を贈りました。

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 5月18日昼過ぎ、豊中市内にある信用金庫のオフィスで、1本の電話が鳴りました。相手は顧客の70代の男性で、電話の声は動揺している様子でした。

 男性「パソコンがフリーズしていて、画面に出てきた番号に電話をしている。お金をとられるかもしれない。相手には“IDとパスワードを教えてください”と言われた。まだ電話がつながっている」

 電話に応対したのは、北おおさか信用金庫神崎川支店・次長の薮内健士郎さん(40)。男性は、詐欺電話を繋いだまま、もう1台の電話機で、契約している信用金庫のオフィスに電話をかけていました。

 男性は詐欺を疑いながらもどう対応していいかわからず、パニック状態だったといいます。薮内さんは、男性の話を聞き、「詐欺だと思います。とりあえず(詐欺の)電話を切りましょう。」と伝え、すぐさま店の自転車に乗り、男性の自宅へと急いで向かいました。

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 薮内さんが自宅に到着し、男性から詳しく話を聞くと、男性はパソコンを操作していたところ、画面にウイルス感染を装う表示が現れたうえ、「解除には電話での手続きが必要」などとして、見知らぬ電話番号が表示され、男性はこの時点では疑いをもたずにその番号に電話をかけてしまったといいます。

 すると「マイクロソフト社」を名乗る男が電話に出て、片言の日本語で、「インターネットバンキングを契約しているか?」、「預金残高はいくらか?」などと尋ねてきたということで、男性は男に誘導されるがまま、契約している信用金庫のインターネット口座のIDとパスワードを教えてしまいました。

 その後、口座から男性の預金を引き出そうとしているのか、男から何度も二段階認証の番号を聞かれたため、不安に思った男性は、口座のある信用金庫の支店に電話をかけました。

 男性宅に到着した薮内さんがすぐに男性の口座を確認すると、男性の口座からはまだ預金は引き出されていなかったため、薮内さんはすぐに、現金を引き出せないよう手続きをし、男性に被害はありませんでした。

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 薮内さんは、「事件の数日前に支店長と詐欺被害の防ぎ方について話したばかりだった。“ひと手間を惜しまない”ことを今後もモットーにしていきたい」と語りました。

 大阪府警によりますと、2025年の府内の特殊詐欺の被害総額は約130億円と過去最悪で、2024年よりも2倍以上に増えています。2026年に入っても被害件数は4月末までで1578件と、去年と同じ水準で増えていて、警察が注意を呼び掛けています。