【国の給付金】6月15日支払い分から増額される「年金生活者支援給付金」ふつうの年金と同日、別振込で上乗せ支給がある人とは?
【2026年度4月分~】年金生活者支援給付金《老齢・障害・遺族》給付基準額は3.2%増額へ

【国の給付金】6月15日支払い分から増額される「年金生活者支援給付金」ふつうの年金と同日、別振込で上乗せ支給がある人とは?
物価高騰の波が収まらない昨今、日々の生活費のやりくりに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
特に年金で生計を立てるシニア世代にとって、この状況はより深刻な問題です。実際に、どれくらいの世帯が家計に厳しさを感じているのでしょうか。

70歳代世帯の生活実感
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、70歳代の世帯では、二人以上世帯・単身世帯のどちらにおいても87%が「ゆとりがない」と感じており、大多数を占めることがわかります。
さらに、その主な要因として半数以上の世帯が「物価上昇」を挙げており、私たちが直面している経済的な不安が、数字にもはっきりと表れています。
このような状況下で、家計の安定化のために知っておきたいのが、公的年金に上乗せして受け取れる「年金生活者支援給付金」という制度です。
次回の年金支給日は6月15日です。
この6月の支給日には、2026年度の改定率が適用された4月・5月分の年金が支給されます。この機会に、ご自身が給付金の対象となるか、また、いくら受け取れるのかを把握しておくことは、物価高の時代を乗り切るうえで非常に大切です。
この記事では、多くの世帯が直面する物価高への対策として、改めて確認しておきたい「年金生活者支援給付金」の仕組みと、受給のためのポイントを詳しく解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の受給額に個人差が生じる理由とは?
厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均的な月額は、国民年金(老齢基礎年金)で約5万円、厚生年金(国民年金部分を含む)で約15万円です。

国民年金の平均月額(男女全体・男女計)

厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)
しかし、これらの図が示すように、実際の受給額は人それぞれ大きく異なります。厚生年金を月に30万円以上受け取る方がいる一方で、国民年金・厚生年金ともに月額3万円に満たない方もおり、受給額は広範囲にわたっています。
公的年金とそれ以外の所得を合計しても、所得が一定の基準を下回る場合、「年金生活者支援給付金」の対象となる可能性があります。
【2026年度4月分~】年金生活者支援給付金は3.2%増額。老齢・障害・遺族ごとの基準額を確認
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定基準額に満たない年金受給者をサポートするため、2019年に始まった制度です。この給付金は、2カ月に1度、公的年金に上乗せする形で支給されます。
受給している年金の種類に応じて、以下の3つの給付金が用意されており、それぞれに支給要件や支給額が定められています。
・老齢年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
2026年度の年金生活者支援給付金、月額はいくらになる?
2026年度の年金生活者支援給付金の額は、物価の変動などを反映して、前年度から3.2%の引き上げが決まりました。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成
【2026年度の月額】
・老齢年金生活者支援給付基準額:5620円
・障害年金生活者支援給付金:1級 7025円・2級 5620円
・遺族年金生活者支援給付金:5620円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額をもとに、保険料の納付済み期間などに応じて実際の支給額が計算されます。
これらの金額は月額のため、実際の支給時には2カ月分がまとめて年金に上乗せされます。例えば、基準額通りに受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円、年間では約6万7000円が支給されることになります。
なお、厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月時点での平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金が4146円、障害年金生活者支援給付金が5727円、遺族年金生活者支援給付金が5228円でした。
※2025年3月時点で認定されている方の平均給付額です。
「年金生活者支援給付金」ふつうの年金と同日、別振込で上乗せ支給がある人とは?
それでは、年金生活者支援給付金を受け取るための具体的な要件を見ていきましょう。
まず、「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の対象となるのは、それぞれの基礎年金(障害基礎年金または遺族基礎年金)を受給していて、なおかつ前年の所得が479万4000円以下の方です。
この所得の判定には、障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。また、扶養親族の人数に応じて所得基準額は上がります。
一方で、「老齢年金生活者支援給付金」は、所得以外にもいくつかの要件を満たす必要があります。
「老齢年金生活者支援給付金」の具体的な受給条件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
老齢年金生活者支援給付金は、以下の要件をすべて満たす方が対象です。
・65歳以上で老齢基礎年金を受給していること
・同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
・前年の公的年金などの収入金額と、その他の所得(給与所得や利子所得など)の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下であること
老齢年金生活者支援給付金の所得判定においても、障害年金や遺族年金などの非課税収入は計算に含みません。
また、所得が基準額を少しだけ超えてしまい給付の対象から外れる方との公平性を保つため、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という制度も設けられています。
補足的老齢年金生活者支援給付金とは
前年の所得合計額が基準額を超えていても、昭和31年4月2日以降生まれの方で90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方で90万6700円以下の場合には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
この給付金は、所得額が上がるにつれて支給額が段階的に減っていく仕組みになっています。
【注意点】年金生活者支援給付金は申請手続きが必須
重要なポイントとして、年金生活者支援給付金は自動で支給が開始されるわけではなく、ご自身での請求手続きが必要です。対象になったとしても、何もしなければ年金に上乗せされることはないため注意しましょう。
現在すでに年金を受け取っている方で、所得の減少などによって新たに給付金の対象となった場合、毎年9月1日以降に日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送付されます。
9月頃に届く「緑の封筒」とは?年金受給中の方向けの手続き案内

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
また、これから65歳になり老齢基礎年金の請求手続きをする方には、誕生日の3カ月前に送られる年金の請求書に、給付金の請求書が同封されています。必要事項を記入し、年金の請求書とあわせて提出してください。
申請は初回のみ?年金生活者支援給付金の手続きの流れ
この給付金は、一度申請して受給が決まれば、支給要件を満たし続ける限り、翌年度以降に改めて手続きをする必要はありません。
継続して支給されるかの判定は、前年の所得にもとづいて毎年行われ、その結果は10月分(12月支給分)から1年間適用されます。もし対象外となった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送で届きます。
なお、毎年度(4月分から)の支給額については、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。
まとめ:物価高に備え、利用できる公的支援制度を把握しよう
この記事では、物価高騰下で家計を支える一助となる年金生活者支援給付金について、その仕組みや手続きを解説しました。この給付金を受け取るには請求手続きが不可欠ですので、ご自身が対象かもしれないと思う場合は、忘れずに申請しましょう。
年金額も物価上昇に応じて改定されていますが、上昇率に追いついていないのが実情です。今後も物価の上昇が続くと見込まれるため、インフレへの備えはますます重要になるでしょう。
公的な支援制度を活用しつつ、ご自身の状況にあわせて株式や投資信託などを通じた資産運用を検討することも、インフレに負けない老後資金を準備する一つの方法といえます。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・総務省「個人住民税」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
関連記事
2026年度「厚生年金・国民年金」ひと月いくら増える?6月支給分からのモデル年金&ライフコース別《65歳以降の年金目安》
【2026年度最新版】2カ月に一度、基礎年金に上乗せされる【年金生活者支援給付金】を知っていますか?〈支給要件・手続きなど制度の基本を徹底解説〉
SpaceX上場で時価総額300兆円?巨額赤字なのに評価される“宇宙データセンター”の全貌