【偏食克服レシピ:ほうれん草】子どもの偏食の原因を知って克服! 思わずおかわりしたくなるとっておきレシピ
野菜嫌いの克服をテーマに料理家・越野美樹が、「子どもの偏食が克服できるコツとレシピ」を提案する連載。今回のテーマは、ほうれん草。クリーミーでなめらかな「ほうれん草入りさつまいもマッシュポテト」と、ふわとろ食感の「ほうれん草入りカニカマ卵」を紹介します。

下ごしらえや調理を工夫して、ほうれん草の甘味やうまみなどの長所を引き出すコツを覚えれば、ぐんと食べやすくなります。 手前:ほうれん草入りカニカマ卵 右奥:ほうれん草入りさつまいもマッシュポテト 写真:越野美樹
野菜の苦手克服をテーマに、料理家・越野美樹が「子どもの野菜嫌いを克服するコツとレシピ」を大公開!
第8回のテーマは、「ほうれん草」。
ほうれん草の偏食ポイントは、主に次の2点です。
1「苦みやえぐみ」
2「繊維」
今回は、ふたつの偏食ポイントを克服する、クリーミーでなめらかな「ほうれん草入りさつまいもマッシュポテト」と、ふわとろ食感の「ほうれん草入りカニカマ卵」の2種をご紹介します。
ほうれん草の苦みやえぐみを抑えて偏食を克服!
ほうれん草は、栄養価が高い一方で、独特の苦みやえぐみがあり、苦手な子どもが多い食材です。

ほうれん草の苦みやえぐみの原因は、アクの成分であるシュウ酸です。シュウ酸は水溶性のため、ゆでて水にさらすことで減らすことができます。 写真:越野美樹
ほうれん草は、β‐カロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、鉄、カリウム、マグネシウムなど、多くのビタミンやミネラルを含む栄養豊富な緑黄色野菜です。
特に食物繊維は生のほうれん草100gあたり2.8g含まれており、腸内環境を整え、便秘の予防や改善に役立ちます。
また、ほうれん草に豊富な葉酸は、赤血球の形成や細胞増殖に必要なDNA合成に関係する栄養素で、鉄分とともに貧血予防に効果的です。
このように栄養面では優秀な食材ですが、ほうれん草を嫌いな子どもはたくさんいます。嫌いな理由のひとつが、独特の苦みやえぐみです。
ほうれん草は、3つのコツを取り入れて調理すると、苦みやえぐみが感じにくくなります。
【子どもの偏食克服ポイント1 ほうれん草の苦みやえぐみを抑えて偏食を克服】
●下ゆでと水にさらすことでアク抜きをする
→ほうれん草を沸騰したお湯で1~2分ゆでて水にさらすと、シュウ酸がゆでたお湯やさらした水に溶け出し、苦みやえぐみが減ります。
●油や乳製品と合わせる
→ほうれん草を乳製品の脂肪分でコーティングすることで、苦み成分が舌に直接触れにくくなります。
●甘みやうまみのある素材と合わせる
→かぼちゃ、さつまいも、コーンなど甘みのある野菜や、ベーコン、ツナなどのうまみのある食材と組み合わせることで、苦みやえぐみより甘みやうまみが際立ち、食べやすくなります。
ひとつめのレシピは、マッシュしたさつまいもでほうれん草の苦みやえぐみを包み込んだ「ほうれん草入りさつまいもマッシュポテト」です。
さつまいもの甘みと牛乳やバターの脂肪分でほうれん草の苦みやえぐみを感じにくくするので、子どもでも食べやすい味わいに仕上がります。
「ほうれん草入りさつまいもマッシュポテト」のレシピ

とろとろでなめらかな食感のマッシュポテトでほうれん草の苦みやえぐみがやわらぎ、とろける口溶けが楽しめます。 写真:越野美樹
【材料】2人分
ほうれん草 80g
さつまいも 1本(約250g)
しょうゆ 小さじ1/2
有塩バター 10g
牛乳 200ml
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
【作り方】
1.さつまいもは一口大に切る。水を入れたボウルにさつまいもを入れて5分ほどおき、ざるにあげて水気を切る。
2.鍋に1と水200ml(分量外)を入れて中火にかけ、沸騰したらふたをして弱火にし、10分ほど蒸し煮する。
3.鍋にたっぷりの湯を沸かして沸騰させ、塩小さじ1/2(分量外)を入れる。ほうれん草を加えて再沸騰したら、裏返し、ざるにあげる。冷水にとってさらしてから水気を絞り、ボウルに入れる。しょうゆをかけて全体を混ぜ、さらに水気を絞り、1cm幅に切る。
4.2のさつまいもが柔らかくなったらふたを開けて水気を飛ばし、火を止める。有塩バターを加えてマッシャーでつぶす。

さつまいもが十分柔らかくなったら、ふたを開けて鍋の水分がなくなるまで混ぜながら水気を飛ばします。 写真:越野美樹
5.別の鍋に牛乳を入れて弱火にかけ、人肌程度に温める。
6.4に3と塩、こしょうを入れ、5を少しずつ加えて混ぜる。

写真:越野美樹
アク抜きしたほうれん草を甘みがあってクリーミーなマッシュポテトで包み込むと、「これ、ほうれん草なの?」と驚きのマイルドさに! ほうれん草克服への第一歩となります。
ほうれん草の繊維をやわらげて偏食を克服!
子どもがほうれん草を嫌いなもう一つの理由は、繊維の食感です。
ほうれん草には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれており、健康にはいいものの、繊維が口に残る感覚を苦手と感じる子どもも少なくありません。
また、加熱が不十分で繊維が硬く残ったり、逆に加熱しすぎて全体が水っぽくなったりすると、食感が気になって箸が進まなくなることもあります。

ほうれん草はゆで加減によって食感が大きく変わるため、ほどよい食感になるよう調理することが大切です。 写真:越野美樹
ほうれん草の繊維をやわらげるコツは、3つあります。
【子どもの偏食克服ポイント2 ほうれん草の繊維をやわらげて偏食を克服】
●細かく刻む
→ほうれん草を細かく刻むことで繊維が短くなり、口に残りにくくなります。みじん切りにして他の食材と混ぜると、さらに気にならなくなります。
●ゆで時間を調整する
→ほうれん草をゆでる時間は1~2分が目安ですが、繊維が気になる場合は少し長めにゆでると柔らかくなります。ただし、ゆですぎると水溶性ビタミンが流出するため注意が必要です。
●とろみのある料理にする
→卵とじ、あんかけ、クリーム煮など、とろみのある料理にすることで、ほうれん草の繊維が気にならなくなり、飲み込みやすくなります。
ふたつめのレシピは、ほうれん草をたっぷり使った「ほうれん草入りカニカマ卵」です。ふわふわの卵ととろみのあるあんが、ほうれん草の繊維を包み込み、食感が気にならなくなります。
ほうれん草入りカニカマ卵

子どもの好きなふわふわ卵にほうれん草を混ぜ込み、とろとろのあんをかけることで、繊維を感じさせずつるんと食べられます。ご飯が進む一品です。 写真:越野美樹
【材料】2人分
ほうれん草 80g
かに風味かまぼこ 3本(約30g)
卵 2個
塩 少々
ごま油 大さじ2
【あん】
だし汁 150ml
本みりん 大さじ1
酢 大さじ1/2
しょうゆ 大さじ1
片栗粉 小さじ2(同量の水で溶く)
【作り方】
1.鍋にたっぷりの湯を沸かして沸騰させ、塩小さじ1/2(分量外)を入れる。ほうれん草を加えて再沸騰したら、裏返し、ざるにあげる。冷水にとってさらしてから水気を絞り、1cm幅に切る。
2.かに風味かまぼこは手で細かくほぐす。
3.ボウルに卵を割り入れてよく溶きほぐし、1、塩を加えて混ぜる。
4.フライパンを中火で熱してごま油を入れ、3を一気に流し入れる。大きく混ぜながら半熟状になったら裏返し、器に盛る。

フライパンをしっかり温めてから卵液を入れます。大きく混ぜて半熟状になったら混ぜるのをやめて、裏返します。フライパンに皿をかぶせてひっくり返すと、形崩れせずに卵焼きが盛れます。 写真:越野美樹
5.小鍋にだし汁と本みりん、酢、しょうゆ、2を入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、同量の水で溶いた片栗粉をまわし入れ、よく混ぜたら火を止める。
6.4に5をかける。

写真:越野美樹
どんぶりにご飯を入れて、卵とあんかけをのせてもおいしくいただけます。ご飯と一緒に食べることで、ほうれん草の食感がより気にならなくなります。
ほうれん草の偏食を克服するための工夫
ほうれん草特有の苦みやえぐみ、繊維の特徴を知り、下ゆで、切り方、合わせる食材を工夫すると、ほうれん草の偏食が克服できます。
今回ご紹介した料理以外にも、ほうれん草が食べやすくなる料理はたくさんあります。
・ほうれん草のサーモンクリームパスタ
玉ねぎとサーモンを炒めて牛乳を加え、塩・こしょうで味を整えて、ゆでたほうれん草を加えたクリームソースのパスタ。クリーミーでほうれん草の苦みやえぐみが気になりません。
・ほうれん草のツナマヨ和え
ゆでたほうれん草とツナ缶を、マヨネーズで和えるだけ。子どもが大好きな味つけで、思わず箸が進みます。
・ほうれん草のチーズチヂミ
ボウルで卵を溶き、シュレッドチーズ、ゆでたほうれん草、薄力粉を加えて焼いたチーズチヂミ。苦みやえぐみ、繊維ともに気にならなくなります。

ほうれん草のチーズチヂミ。 写真:越野美樹
細かく刻む、アクをしっかり抜く、バターや乳製品の脂肪分でコーティングする。お子さんが「これなら食べられる」と感じる方法を、6つのコツから見つけてみてください。
嫌いな原因さえわかれば、ほうれん草克服への道は開けます!