50代60代の体に差がつく「更年期の過ごし方」。時間があるときの“歩きだめ”も有効、転倒予防にも

更年期による心身のゆらぎが増えてくる40~50代。症状がつらいときは医療機関を受診することも大切ですが、日々の暮らしのなかで、心身を整えることができる工夫もたくさんあります。今回、『50歳からは、やっぱり体力がほしい!』(扶桑社刊)の著者であり、漫画家・イラストレーターの森下えみこさんが、医学博士・産婦人科専門医の高尾美穂先生に話を聞いた「更年期をラクに過ごすための生活習慣」を紹介します。

※ この記事は『50歳からは、やっぱり体力がほしい!』(扶桑社刊)に掲載された内容を抜粋・再編集しています

【漫画を読む!】更年期不調を解消する「治療法」は?

※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)

食事の基本は「3食バランスよく」

更年期に入ると、体のエネルギー、脂質、骨の代謝が変化していきます。摂取エネルギーが過剰になったり、逆に必要な栄養素がたりていなかったりして、調子を崩しやすくなるのです。

朝食を必ず摂る、甘いお菓子の食べすぎに注意する、食事時間をなるべく一定にするなど、1日3食を心がけ、そのなかで更年期世代に必要な栄養素をバランスよく摂るように心がけましょう。

まずは糖質、タンパク質、脂質をきちんと摂ること。その上で緑黄色野菜、キノコ類などで、食物繊維やミネラルも補っていきましょう。

糖質はエネルギーの源。タンパク質は筋肉や臓器の栄養素になります。そして脂質はホルモンや細胞膜を構成すると同時に、体に必要なビタミン群の吸収を促します。

●大豆イソフラボンで更年期症状を改善

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また、近年の研究で、大豆に含まれる「大豆イソフラボン」も腸内細菌に分解・代謝されることで、エストロゲンに似た働きをすることがわかってきました。

大豆イソフラボンを継続的に摂取することで、更年期症状の改善も期待できるので、1日50~75mgを目安に摂取するとよいでしょう。たとえば、納豆1パックで36.8mg、豆乳ならコップ1杯で51.1mgを摂取できます。

無理なく組み入れられる量だと思いますので、そのほかの栄養素も意識しながら、上手に摂取するようにしましょう。ただし、大豆イソフラボンを分解・代謝する能力には個人差があります。

睡眠力アップのカギは「入眠から3時間」

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更年期に入ると増えてくる悩みのひとつに「不眠」があります。なかでも、とくに多いのが、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」といわれる症状。そこから再び眠りに戻れれば問題ありませんが、何度も覚醒をくり返すと、睡眠の質や満足度が大きく低下してしまいます。

睡眠には、脳を休めるノンレム睡眠と、筋肉を休めるレム睡眠があります。この脳を休めるノンレム睡眠のうち、もっとも深い眠りを得られるのは、入眠してから3時間とされています。

この時間帯に深い眠りに入ることで、抗ストレスホルモンや成長ホルモンが十分に分泌され、寝ている間に心身の回復が得られます。逆にこの3時間の眠りが浅いと、途中で目が覚めたり、朝起きても疲れが残りやすくなってしまいます。

●太陽の光を浴びると入眠しやすくなる

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心身のバランスが不安定になりがちな更年期世代は、とくによい睡眠を意識したいところ。理想的なのは、朝に太陽の光を浴びること。

太陽の光を浴びると14~16時間ほどでメラトニンという睡眠を促すホルモンが分泌されます。たとえば朝7時に太陽の光を浴びたら、夜の23時頃には、メラトニンの作用で入眠しやすい状態になります。

さらに昼寝は30分以内にし、夕方以降は強い光を浴びないのも大切。スマホやPCのブルーライトは脳を覚醒させるので、ベッドへの持ち込みは控え、中途覚醒で目が覚めた際もスマホは見ないようにしましょう。

まずは「1日8000歩」から

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エストロゲンの量が激減する更年期以降は、筋肉量が減り、筋力も落ちていきます。ただし、エストロゲンを補えば筋肉が簡単に増えるかというと、それはまた別の話です。

その一方で、筋肉は体のなかではとても素直な組織で、使えば使った分だけ応えてくれる部位でもあります。

たとえば、骨を強くするには長い時間がかかりますが、筋肉は比較的短い期間で変化を実感しやすいのが特徴。実際、90代でもトレーニング次第で筋肉量を増やせることがわかっています。

●更年期以降の過ごしやすさのカギは「運動習慣」

更年期以降の体は、「運動習慣があるかどうか」で、その後の50代、60代の過ごしやすさが大きくわかれます。

筋肉量が減ると姿勢がくずれ、つまずきや転倒が起こりやすくなり、骨折や活動量低下につながる悪循環に。逆に、筋肉を使い続けていれば、姿勢が保たれ、転倒予防にもなります。

運動が苦手な人におすすめなのが、ウォーキング。65歳未満の人は1日8000歩を目安に、軽く息がはずむぐらいの速度で歩きましょう。

10分あたり1000歩ちょっと歩くぐらいが理想的。細ぎれでも大丈夫です。買い物の往復で10分歩く、エスカレーターではなく階段を使うなどして、歩数を稼いでみましょう。

週末の時間のあるときに多く歩く、“歩きだめ”から始めてみるのもいいでしょう。1週間のトータルで5万~6万歩歩けば、十分なトレーニングになりますよ。