『鬼武者 Way of the Sword』には自由に探索できるエリアがあって、どんどん広がっていく? 開発者インタビュー

『鬼武者 Way of the Sword』の体験版を遊んだプレイヤーなら、本作をリニアなステージ構成のゲームだと認識しているかもしれない。確かに、体験版でプレイできる清水寺は多少の探索要素こそあれど、おおむねにリニアなルートを辿り、最後にボスが待ち構えているという、いわゆるステージクリア型のゲームである。

しかし、実をいうと本作にはより広いエリアを自由に探索できる、いわゆるワイドリニアなエリアも存在する。しかも、このワイドリニアのエリアはゲームを進める過程でどんどん広がっていくという、興味深い構造を持っているようだ。

筆者はSummer Game Fest 2026でこのワイドリニアを実際にプレイし、幻魔に浸食された金毘羅宮を浄化するミッションに挑んだ。さらに、六道珍皇寺でも同時のミッションを開発チームのメンバーがプレイする画面も見せてもらった。

金毘羅宮と六道珍皇寺は実在する神社仏閣であり、本作のミッションは実在する伝承に基づいている点が興味深いところだ。

なお、浄化に成功すると、どうやらこうしたロケーションはワイドエリアに含まれる形になるらしい。本作のプロデューサーを務める門脇章人氏とディレクターの二瓶賢氏にインタビューする機会を得たので、ワイドリニアなエリアの構成を中心に聞いた。

――今回プレイさせていただいた部分について聞く前に、まずは体験版へのフィードバックについてお聞かせください。

二瓶氏(以下、敬称略):「早くやらせてくれ」というご意見や、「発売はまだか」という声があったので、発売日と体験版を同時に発表できてすごくうれしかったですね。侍としてのアクションがのカッコよさや「鬼武者」シリーズを代表するアクション「一閃」の気持ちよさなど、比較的ポジティブなフィードバックが多くてうれしかったです。一方で、一部のユーザーからは簡単すぎるという意見もありました。

――えっ……。僕と逆なんですけど(笑)

二瓶:(笑)。まあ、今回の体験版は序盤ということもあるので、馴染んでもらうために触りやすくなっています。

――みなさんすごいですね……。

※公式Xアカウントの投稿した門脇プロデューサーの動画メッセージによると、体験版は序盤を独自にカスタマイズしたもとのこと。アクションのバリエーションを楽しんでもらいたいという意図もあり、製品版の後半で使えるようになるスキルが体験版では使えるようになっているのだという。

門脇:本編では敵が徐々に強くなりますし、プレイヤーはしっかりとアクションを覚えながら強敵と戦っていける作りにしていますので、ぜひ楽しんでいただきたいですね。

本作には「剣戟」と「活劇」というふたつの難易度設定を用意しています。歯ごたえのある体験を求めるユーザーは「剣戟」から触っていただければと思います。「剣戟」でどうしても先に進めないようであれば「ボタンガイド」をONにするという手もあります。これは、あるのとないのではだいぶ難しさが変わると思います。それでもクリアできなかったら「活劇」に変えることもできますし、もちろんその逆もできます。いろんな楽しみ方ができるようにしていますので、あまり心配しなくても大丈夫かと思います。

――今回はワイドリニアなエリアを体験できましたが、よりリニアなステージとどのように作り方を変えているのでしょうか。

二瓶:リニアステージは本当に物語に沿って、その場所でしかできないことを意識しながら作っています。ステージごとに明確なテーマがあるので、それを最大限に体験できるような作りにしています。

ワイドリニアなエリアは探索しながら寄り道をして、アイテムを集めたりサイドクエストに挑んだりできます。これらを通して物語や世界観により詳しくなったり、エピソードが見られたりします。

門脇:倒せない強敵がいると、ワイドリニアなエリアでいろんなものを集めて、自分を強化してもう一回チャレンジができるという側面もあります。

――ワイドリニアなエリアには任意のボスもいるのでしょうか?

二瓶:ワイドリニア専用のボスはいますが、任意のボスはいないですね。

――ワイドリニアエリアには村人もいますが、どのようなやりとりがあるかも気になります。

二瓶:一部の村人は困りごとがあったりして、プレイヤーが話しかけるとクエストが発生します。クエストは単純なおつかいではなくて、京都に実在する伝承などに基づいた不気味なエピソードを体験できます。

――そういえば、金毘羅宮では「縁切り」というクエストに挑んだのですが、調べてみるとこの神社は現実世界でも縁結びや縁切りで知られているんですね。しかも、クエストに出てくる八大力尊という仏像群も実際にあって驚きました。そういう実際にある伝承に基づいたものが多いんですね。

二瓶:そうですね。コンセプトがそこからスタートしているので。

金毘羅宮や六道珍皇寺といった実在する場所や実際にある伝承に基づいてゲームを作ればすごく面白くなるなと思いました。意外と日本でも知られていない伝承がたくさんあるので、それをゲームで体験してもらえたらフックになるなと考えました。

六道珍皇寺の井戸は地獄に繋がっているという伝承があるのは僕も知らなかったですね。そうした伝承をゲームとして体験できるような設計にしています。

――お寺や神社にも相談して取材したそうですね。

門脇:はい。お寺さんや神社さんに話を持っていくと、まずは「ゲームって何?」という話から入ることが多かったです(笑)。実際に取材にいって、その当時のことについても聞き取り調査をして作り込んでいるので、かなり時間をかけました。

――お寺や神社の方に出来上がったゲーム映像を見せるとどんな反応があったのでしょうか?

門脇:すごく驚かれます(笑)。なかにはそのまま映像を使わせてほしいというお寺さんもいらっしゃいました。「何に使うんやろ」と思いましたけどね(笑)。

――金毘羅宮を浄化させてから再び人が暮らせるようになるような描写があったのですが、ワイドエリアの範囲がどんどん広がる感じでしょうか?

二瓶:いい質問ですね(笑)。まさにそのような形です。ワイドリニアなエリアは京都の一部を切り取っているんですけど、最初はちょっと狭い範囲からスタートします。でも、ゲームの進行にあわせてどんどん広がっていきます。「ここも行ってみたいな」といった場所にも、物語を進めると行けるようになるかもしれません。とはいえ、オープンワールドではなく、あくまでワイドリニアとして作っています。

――金毘羅宮を浄化させる前、実はすごくきれいな色になっているのが印象的でした。一方で、六道珍皇寺はむしろすごくダークな感じですね。

二瓶:金毘羅宮は縁切りや縁結びで有名な神社なのですが、調べてみると結構不気味で怖いエピソードがあるんですよ。縁切りをお願いしたら、とんでもない形で縁切りが起きたといった怖いエピソードがあって、それをゲームでは極楽浄土という形で落とし込んでいます。指を切り落とされても「ありがとうございます」と言う人がいたりして。ビジュアルの表現もそうした設定とマッチするような作りにしています。

――六道珍皇寺では人魚のような敵がいるのが印象的でした。水に浮いているときれいな女性に見えるんですが、陸に上がるとすごく不気味な存在で……。

二瓶:相手を惑わせてから殺すとい妖怪がモチーフになっていますね。女性キャラの幻魔(本作における敵)が原作では少なかったので、女性の幻魔を作りたいということもありました。

――最後に、本作のおよそのボリュームについても教えてください。

門脇:15時間から20時間くらいのゲームになるように作っています。ただ、ワイドリニアなエリアを探索しつくすともう少し長くなるのかもしれません。

――何周もしたくなるような要素もあったりして?

門脇:そうですね。まだ詳しくはお伝えできませんが、1周やって終わりにはしたくないと思っています。

――楽しみにしています! ありがとうございました。

『鬼武者 Way of the Sword』は、2026年9月25日にNintendo Switch 2/PC/PS5/Xbox Series X|Sで発売予定だ。