伊東市長の不信任可決 不誠実な態度に議会「ノー」 田久保氏、進退明らかにせず

中島議長(左)から通知書を受け取る田久保氏=伊東市役所で

 静岡県伊東市の田久保真紀市長に対する不信任決議案が1日、全会一致で可決された。度重なる不誠実な態度に、議会から「ノー」が突き付けられた。混乱を続ける伊東市政は一つの節目を迎えたが、田久保氏は今後の態度を明らかにせず、行方は見通せない。(岩崎加奈)

 一般傍聴人は10人程度とまばらな中、午前9時50分すぎ、田久保氏が議場に入ってきた。市幹部に会釈をしたが、会話はない。

 午前10時、本会議が始まった。市議会調査特別委員会(百条委員会)の井戸清司委員長が報告で、田久保氏の「うそ」を指摘したが、田久保氏はメモを取りながら、顔色を変えずに聞いている。

 同10時半、「卒業証書」とされる書類を提出しなかったことなどについて、地方自治法違反容疑で刑事告発する議案が、全員の挙手で可決された。田久保氏の表情は変わらず、前をじっと見据えている。

 午前11時10分、本会議が再開し、不信任決議案の採決へ。「市民の声に耳を傾けるべき市長は耳を閉ざし、事実をねじ曲げたでたらめをSNS(交流サイト)で発信し続けている」「市民の間には失望や憤りの声が広がっている。市政の混乱が市民の分断を生んでいる」。各会派が賛成討論で、田久保氏を次々と指弾する。同11時半ごろ、全員起立で不信任決議案が可決された。田久保氏はやはり顔色を変えず、数回うなずくようなしぐさを見せた。

全員起立で可決された不信任決議案=伊東市議会で

 田久保氏は閉会後に取材を受けないとの意向が伝わり、報道陣が説明責任を果たすよう迫ったが、今後については「議会の決定に関しては受け止めさせていただき、内容も承ったので検討して参ります」と話した程度で、その場を後にした。中島弘道議長から議決についての通知を手渡された後も、「持ち帰って不信任決議の中身を確認して考えたい」と話すにとどまった。

 議会側は、不信任決議案の可決にこぎ着けたことにひとまず安堵(あんど)の表情だが、議会解散となれば、自分たちが市議選を戦わなければならない。青木敬博副議長は報道陣の取材に「現職議員は全員が戻って来られるようにしたい。もう一度戻ってきて、同じメンバー全員で不信任を突き付けることを考えている」と決意を込めた。

◆議会解散か失職か 市長の対応が焦点

 不信任決議案が可決されたことで、当面は田久保氏の対応が焦点となる。

 地方自治法では、首長は不信任の議決の通知を受けた日から10日以内に議会を解散できると定められている。議会を解散しない場合は、10日を経過した日に失職する。

 公選法の規定で、議会を解散した場合は40日以内に市議選を実施し、失職した場合は50日以内に出直し市長選となる。「田久保派」の市議を送り込もうと、田久保氏は議会解散を選択するとの見方が強い。

 今回の不信任決議案の可決は、全議員の3分の2以上が出席した上で、4分の3以上が賛成することが条件だった。議会が解散された場合、新たに議員が選ばれた議会で再度、不信任決議案が提出され、全議員の3分の2以上が出席した上で、過半数が賛成すれば、失職となる。(佐藤大)

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