また同盟国を裏切ったトランプ氏…原油高の苦痛の中で「原油の贈り物」をたっぷり受け取ったプーチン氏
米、ロシア産原油取引を一時緩和…欧州・ウクライナ反発の可能性

引用:Daum
米財務省がロシア産原油について特定国による取引を30日間例外的に認める措置を打ち出した。米国主導で続けてきたロシア産原油制裁を一部緩和する措置となり、中国の低価格原油確保を牽制する狙いがあるとの見方が出ている。
スコット・ベッセント米財務長官は18日(現地時間)「X(旧ツイッター)」で「財務省は現在海上で滞留しているロシア産原油について、最も脆弱な国々が一時的に利用できるよう30日間の一般許可を発給する」と明らかにした。
続けて「今回の措置は実物原油市場の安定化や、エネルギー不足に直面する国々への供給維持に役立つ」とし「中国による低価格原油の備蓄能力を制限し、本当に原油を必要とする国々へ供給を振り向ける効果も期待される」と強調した。
ウクライナ侵攻以降、米国や欧州諸国はロシアの戦費調達を抑えるため、ロシア産原油への制裁を続けてきた。一方、中国はロシア産やイラン産原油を割安価格で大量購入し、備蓄を進めてきた。
ベッセント長官の発言は、米国がロシア産原油取引を一時的に認めることで原油価格が上昇し、中国の安価な原油調達余地が縮小するとの計算が背景にあると受け止められている。
3度目の制裁緩和、プーチン大統領を利するとの批判も
米政府は今回の措置について、イラン情勢によるホルムズ海峡封鎖でエネルギー不足に陥った国々への支援策だと説明している。しかし、結果的にロシアの戦費確保を後押しするとの批判も強まっている。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「今回の措置は3回目の制裁免除に当たる」と指摘した。米国はホルムズ海峡封鎖直後の今年3月にも、すでに積み出されていたロシア産原油に対する制裁を一時緩和し、4月にも延長していたという。

引用:Daum
実際、ベッセント長官は先月の議会証言やメディア取材でロシア産原油制裁の一時解除に関して「これ以上の延長はない」と述べていたが、今回方針転換した形となった。
米民主党のジーン・シャヒーン上院議員とエリザベス・ウォーレン上院議員はFTに対し「プーチン大統領への危険で正当化できない贈り物だ」と批判した。
専門家からは、米政権の戦略的優先順位が揺らいでいるとの指摘も出ている。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所のカリ・ヘアマン上級研究員は、米メディアのアクシオスに対して「米政府は危機管理の中で優先順位を選ばざるを得ない状況にある」とし「結果的に米国は低いガソリン価格維持とイラン対応を優先した形だ」と分析した。
FTも「今回の措置は原油高による米国内インフレ圧力とも無関係ではない」と報じた。
ウクライナや欧州同盟国に波紋
ウクライナや欧州諸国はロシア産原油制裁をロシアの戦費調達を断つ重要手段と位置づけており、今回の米国の対応に反発が広がる可能性がある。
米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのチャールズ・リッチフィールド地政学センター副所長は、ロイター通信に対し「ロシア経済が悪化している今こそ、制裁で圧力を強める局面かもしれない」と指摘し「しかし、米政権がそうした結論に達したようには見えない」と述べた。
米国内でも、民主党上院議員14人がベッセント長官に対して「直ちに制裁を復活させるべき」と求めるなど論争が続いている。
「トランプ政権がロシアに戦費を与えている」との批判も
イラン戦争以降、トランプ政権によるロシア産原油制裁緩和については「敵対国を利する措置だ」との批判が続いている。

引用:CNN
金融犯罪専門家でオブシディアン・リスク・アドバイザーズのブレット・エリクソン代表は、今年3月に米紙ワシントン・ポストに対し「米国は長年かけて構築してきた対イラン制裁体制を自ら崩している」とし「これは短期的な調整を超えた戦略そのものの崩壊だ」と指摘した。
ロシアと戦争状態にあるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も米国の制裁緩和について「ロシアの立場を強化するだけだ」と懸念を表明し「今回の措置だけでも、ロシアは約100億ドル(約1兆6,000億円)を確保できる」と警告していた。
こうした懸念は現実となりつつある。国際エネルギー機関(IEA)によると、ロシアの3月の原油輸出量は日量710万バレルとなり、前月比で32万バレル増加したという。石油輸出全体でも日量27万バレル増えた。
さらに、4月の米制裁緩和後には、インドによるロシア産原油輸入量が2倍以上に増加したことが明らかになった。
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