パン食べ放題なのに「店員が全然来てくれない」と炎上…実はサンマルクが運営「鎌倉パスタ」実際に行って見た"意外な光景"
人気パスタチェーン「鎌倉パスタ」がネット上で話題となっている。
【画像で見る】サラダ、パン食べ放題のセットで2000円弱…炎上中の「鎌倉パスタ」のメニューや外観
発端となったのは、3月末のことだ。生パスタ専門のチェーン店として知られる鎌倉パスタは、パン食べ放題が楽しめることも魅力の一つだが、ここ最近、X(旧Twitter)でこの“パン食べ放題”に関する投稿が大きな物議を醸している。その内容は、鎌倉パスタのパン食べ放題を注文したにもかかわらず「好きなタイミングでおかわりできない」というものだ。
発端となった投稿は2026年4月12日時点で2384万回表示、リポスト3077件、いいね7.8万、保存数3155と、大きな反響を呼んだ。共感なのか驚きなのかは定かではないが、いわゆる“大バズり”状態となっている。
さらに、「食べ放題料金を払いたくないと伝えたところ、単品価格にされ、食べ放題セットより高くなった」「厨房を覗き込んで『パンっていつ焼けますか?』と言いまくらないとパンは出てこない」などなど、関連投稿でも大きな話題に。現在、Xで「鎌倉パスタ」と検索すると「炎上」という関連ワードが上位に表示される状況だ。
パン食べ放題を注文したにもかかわらず、おかわりできないとなると、不満が飛び交うのは非常によく理解できる。果たして本当なのだろうか。
鎌倉パスタを運営する「サンマルクホールディングス」

運営会社はサンマルクカフェで知られるサンマルクホールディングス(写真:筆者撮影)
そもそも、鎌倉パスタの運営会社をご存じだろうか。運営しているのは、あの「サンマルクカフェ」で知られているサンマルクホールディングスだ。コロナ禍では控えめな出店だったものの、その後は継続的に店舗数を拡大。現在、鎌倉パスタは全国に200店舗以上を展開している。
同社の飲食店の中でも知名度・人気共に高い鎌倉パスタだが、SNS上ではネガティブな声が目立つ。本稿では「パン食べ放題なのに一度もおかわりできなかった」といった鎌倉パスタに関しての指摘は事実なのか、そもそも接客やオペレーションは本当に整っていないのか、実際の店舗で検証した。
平日ランチなら、+250円でパン食べ放題

タッチパネルで注文。平日ランチは+250円でパン食べ放題が付けられる。平日ランチ以外の場合は+528円(写真:筆者撮影)
筆者は鎌倉パスタ大井町店を訪れ、平日限定のランチセットを注文した。パン食べ放題は「ドリンク+パン3種セット」または、本日のサラダ+ドリンク+パン3種の「鎌パスセット」を選択し、そこに+250円を追加することで利用できる。なお、平日ランチ以外は+528円で提供されている。

店内では、明太子ロールやミニクロワッサンなど8種類以上のパンが焼き上げられていた(写真:筆者撮影)
あれだけXで批判されていた鎌倉パスタ。筆者は、接客やオペレーションに注目していたのだが、注文後1分も経たずにパン食べ放題用の皿が提供され、セットのサラダとドリンクも3分以内に到着。のんびりしている店員や無愛想な店員は一人もいなく終始丁寧で、対応に不満は感じなかった。
肝心のパン食べ放題についてはどうだろうかと厳しい目線でいたのだが、筆者が訪れた店舗は全てセルフサービス。店内に並んでいるパンから自由に選ぶスタイルで「店員が持ってこない」という状況自体が発生しない仕組みだった。どうやら、店舗によって店員がおかわりを配布する形式と、セルフサービス形式の店舗があるようだ。
となると、そもそもパンが陳列されないのか……と疑うもそんなこともなかった。筆者は1時間滞在していたが、焼きたてのパンの補充タイミングは4回。その都度ベルを鳴らして知らせてくれるため、取り逃すこともなかった。

平日ランチ限定の「鎌パスセット」は、本日のサラダ、ドリンク、パスタに加え、+250円でパン食べ放題が付く(写真:筆者撮影)
実際に食べてみると、焼きたてならではの温かさとモチモチとした食感は絶品。明太子ロールやチーズパンなどのしょっぱい系のパンから、デニッシュメロンパンなどの甘い系のパンまで種類豊富だ。何個も食べられるようにしているのか、1つひとつのサイズはやや小ぶり。複数種類を食べやすいことも魅力である。
ちなみにパスタも注文から10分以内に提供され、全体的にオペレーションはスムーズだった。今回の訪問に限れば、SNSで指摘されているような問題は確認できなかった。これはXで炎上後だったから改善されていたのか、Xの投稿者が訪れた店舗の接客がたまたまよくなかっただけなのか、その両方なのか、真相は不明だ。だが26年4月の大井町店のオペレーションは何の不満もなく、むしろ丁寧な接客で素晴らしいと感じた。
他チェーンとの比較で見えた特徴

人気メニュー「厚切りベーコンのカルボナーラ 鎌倉風」単品の場合は1210円(写真:筆者撮影)
鎌倉パスタの人気メニュー「厚切りベーコンのカルボナーラ 鎌倉風」をセット注文した場合1710円、パン食べ放題を付けると合計1960円となる。生パスタ特有のもちもちと弾力のある食感に、とろっと溶けるたまごの黄身とクリームソースがよく合い、厚切りベーコンは肉厚で食べ応え抜群だ。パスタの味は、他のパスタチェーン店と比べても申し分なし。他店よりも具材がたっぷりで、満足感が高いと感じた。

五右衛門のカルボナーラ(カマンベールチーズとカリカリベーコンのカルボナーラ)は単品1230円(写真:筆者撮影)
ちなみに同規模のパスタチェーンとして知られる「洋麺屋五右衛門」には、パン食べ放題はない。そのため、パスタとパン食べ放題の両方を楽しみたい場合は、鎌倉パスタ一択だろう。オペレーションに関しては、提供スピードはさほど変わらない印象。接客に関しても、同じようなレベル感だと感じた(余談だが、五右衛門は席が空いているにもかかわらず、暑い中、外で待たされたことがある。が、これは筆者が五右衛門によく足を運んでいるため、起きた不幸だろう)。
メニュー数は鎌倉パスタが約45種類、五右衛門が約28種類とメニュー数に関しても鎌倉パスタの方が豊富。価格帯はカルボナーラの場合、鎌倉パスタは単品1210円、五右衛門は単品1230円とさほど変わらない。ただし五右衛門は、単品でもスープがついてきたり、ハーフ&ハーフというメニューがあり、価格は単品とほぼ変わらずにハーフサイズで2種類のパスタが楽しめるなどの魅力がある。またお箸でパスタを食べるという独特の楽しみ方も他にはない。
パスタをどのように楽しみたいのか、何を食べたいかによっても消費者のお店を選ぶポイントは変わってきそうだ。
サンマルクHDの、次の成長軸は「牛カツ専門店」
ところで、サンマルクホールディングスでは近年、買収が積極化されている。中でも牛カツ業態を持つ企業2社を買収しており、多角化に余念がない。
出店数にも、旺盛な拡大意欲が表れている。26年3月第3四半期時点で、24店舗を新規出店しているのだが、そのうち「牛カツ京都勝牛」が11店舗、「牛かつもと村」が2店舗。新規出店の過半数を、牛カツ専門店が占めているのである。
日本の和牛は、インバウンドとの相性も良い。「サンマルクカフェ」や「鎌倉パスタ」など、どちらかと言えば日常食を提供してきた同社にとって、ハレ要素の強い牛カツは、新たな挑戦と言えるだろう。
なお、「牛カツ京都勝牛」を運営していた会社(旧・ゴリップ社、現・京都勝牛社)は、もともと別の業態も持っていたのだが、26年2月に売却されてしまった。
リリースを見ると「「牛カツ京都勝牛」へ経営資源を集中し事業ポートフォリオの最適化を図ることにより、対象事業の成長加速及びブランド価値の最大化を図るべく」とのこと。合理的な経営判断に見える一方で、「京都勝牛」より前に始めたブランドも含まれるため、少しシビアにも思えなくもない。
こうした中で、鎌倉パスタの食べ放題という付加価値が炎上したことについてはどう見ているのか。炎上したからといって、「食べ放題をなくす」といった合理化だけはしないでほしいところである。