年金本体と同じ日、別振込でもらえる上乗せ給付「年金生活者支援給付金」を知っていますか? 金額・支給要件・手続き方法をチェック
【来週、6月15日支払い分より3.2%増額】老齢・障害・遺族《3種類の年金生活者支援給付金》制度のイロハを解説します

年金本体と同じ日、別振込でもらえる上乗せ給付「年金生活者支援給付金」を知っていますか?金額・支給要件・手続き方法をチェック
長引く物価高により、家計の負担は増すばかりです。

月別値上げ品目数の推移(2024年以降)
帝国データバンクが2026年6月2日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査の速報によると、2026年の飲食料品値上げは累計1万品目を突破し、5年連続で1万品目を超える事態となっています。
そんなご時世にぜひ知っておきたいのが、公的年金に上乗せで支給される「年金生活者支援給付金」です。
次の年金支給日である6月15日にも、対象者には年金とあわせて支給されます。しかし、この給付金は自動的に受け取れるわけではなく、所得要件を満たした上で請求手続きが必要です。
本記事では、2026年度における給付金の基準額や支給要件、手続き方法を詳しく解説します。
年金の平均受給額や高齢者世帯の所得状況もあわせて確認し、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「年金生活者支援給付金」を知っていますか?制度のイロハをわかりやすく解説
「年金生活者支援給付金」とは、老齢・障害・遺族いずれかの基礎年金を受け取っている方のうち、所得などの一定の条件を満たす場合に支給される恒久的な制度です。

年金生活者支援給付金制度について
受け取っている基礎年金の種類によって、「老齢」「障害」「遺族」の3つの年金生活者支援給付金に分かれています。
【老齢年金】年金生活者支援給付金の支給条件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件
・65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
・同一世帯の全員が市町村民税非課税である
・前年の公的年金などの収入金額(※1)とその他の所得との合計額が、生年月日に応じた基準額(※2)以下である
※1 障害年金や遺族年金などの非課税収入は、ここでの収入金額には含まれません。
※2 基準額は、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下となります。この基準額を少しでも超える方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される場合があります。
【障害年金】年金生活者支援給付金の支給条件

障害年金生活者支援給付金の支給要件
・障害基礎年金を受給している
・前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数に応じて増額あり)
※ 障害年金といった非課税収入は、所得の計算には含まれません。
【遺族年金】年金生活者支援給付金の支給条件

遺族年金生活者支援給付金の支給要件
・遺族基礎年金を受給している
・前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数に応じて増額あり)
※ 遺族年金などの非課税収入は、所得の計算には含まれません。
このように、「年金生活者支援給付金」の受給資格は、どの種類でも前年の所得額が重要な判断材料の一つとなります。
【2026年度】年金生活者支援給付金の基準額はいくら?6月支払い分より3.2%増額
年金生活者支援給付金の支給額は、公的年金と同じく物価変動にあわせて毎年改定されます。
2026年度は、前年度比で3.2%の増額となりました。
この改定後の金額は、2026年6月に支給される4月・5月分から適用されます。
2026年度の支給額は、以下の通りです。

年金生活者支援給付金の支給金額
・老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級は月額7025円、2級は月額5620円
・遺族年金生活者支援給付金:月額5620円
ただし、老齢年金生活者支援給付金の場合、この基準額を基に、個人の保険料納付済期間や免除期間に応じて最終的な支給額が算出されます。
老齢年金生活者支援給付金、年間でいくらもらえる?
年金生活者支援給付金は月額で表記されることが多いですが、実際には2カ月分がまとめて支給されます。
受給額を正確に把握するためには、年間の総額や支給タイミングも知っておくことが重要です。
例えば、老齢年金生活者支援給付金の基準額である月額5620円で計算すると、年間の受給額は合計で約6万7440円です。
支給は偶数月に行われ、4月・5月分は6月に、6月・7月分は8月にと、2カ月分ずつ支給される仕組みです。

年金生活者支援給付金の振込日
この場合、1回あたりの支給額は約1万1240円(※)となり、年6回受け取る計算になります。
月額では少なく感じるかもしれませんが、年間でみるとまとまった金額となり、生活費の助けになります。
支給額やスケジュールを事前に把握しておくことで、計画的な家計管理がしやすくなるでしょう。
※実際の支給額は個人の状況によって変動します。
【申請必須】年金生活者支援給付金の手続き方法をパターン別に解説
年金生活者支援給付金は、公的年金と同じく、自分で請求手続きをしないと受け取ることができません。
ここでは、対象となることが多い2つのケースについて、具体的な手続きの流れを見ていきましょう。
ケース1:すでに年金を受給中で、新たに給付金の対象になった場合

すでに年金受給中で新たに支給対象となった場合
すでに年金を受給している方で、新たに給付金の支給対象者となった場合、例年9月上旬頃に日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。
給付金は請求月の翌月分から支給が始まるため、書類を受け取ったら速やかに手続きをすることが大切です。
はがき型の請求書が届いた場合、郵送だけでなく電子申請も可能で、電子申請なら郵送は不要です。
ケース2:これから老齢年金の受給を始める場合

新規に老齢年金の受給が始まる人が支給対象となった場合
これから65歳を迎えて老齢年金の受給を開始する方は、65歳になる約3カ月前に「年金請求書(事前送付用)」が送られてきます。
この封筒に「年金生活者支援給付金請求書」が同封されています。
必要事項を記入の上、年金受給が開始される誕生日の前日以降に、年金請求書と一緒に年金事務所へ提出します。
一度請求書を提出して受給が認められれば、支給要件を満たしている限り、翌年以降は原則手続き不要で継続して受け取れます。
※給付金の支給継続は、毎年度、前年の所得などに基づき判定されます。その結果は毎年10月分(12月支給)から1年間適用されます。
【ご参考】厚生年金・国民年金の平均月額はいくら?
ここでは、厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金と国民年金の平均受給月額を全体・男女別に確認します。

年金の個人差
厚生年金の平均受給月額
<全体>平均月額:15万289円
・<男性>平均月額:16万9967円
・<女性>平均月額:11万1413円
国民年金の平均受給月額
<全体>平均月額:5万9310円
・<男性>平均月額:6万1595円
・<女性>平均月額:5万7582円
会社員や公務員などが加入する厚生年金(国民年金部分を含む)は、現役時代の加入期間や収入に応じて受給額が大きく変わります。
その結果、月額2万円未満から25万円以上まで、受給額には大きな個人差があります。
一方、自営業者などが加入する国民年金のみの場合、平均月額は男女とも5万円台となっています。
もし満額受給できたとしても、2026年度の基準額は月額7万608円です。
国民年金は厚生年金ほど受給額に差は出にくいですが、老後の生活資金はより計画的に準備する必要があるといえます。
まとめにかえて
この記事では、2026年度の年金生活者支援給付金について、基準額や支給要件、申請の流れを解説しました。
この給付金は、所得が一定基準以下の基礎年金受給者にとって大切な制度ですが、対象者でも自ら請求しなければ支給されない点に注意が必要です。
また、公的年金の受給額は個人差が大きく、特に国民年金のみを受給する方は金額が限られる傾向にあります。
多くの高齢者世帯では、公的年金を主な収入源としながら、就労収入などで家計を支えているのが実情です。
こうした状況を踏まえ、制度の仕組みを正しく理解し、ご自身が対象かどうか、申請は済んでいるかを確認することが大切です。
利用できる公的制度とご自身の家計状況を、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・株式会社帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査―2026年6月速報 今年の飲食料品値上げ、累計1万品目を突破 調査開始から5年連続 中東情勢悪化で「価格見直し」続く 前年並み2万品目到達も想定
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
・神戸市「年金生活者支援給付金の振込みはいつですか?」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
関連記事
【75歳以上の生活費】後期高齢夫婦《ふたり暮らしの生活費》標準世帯ならひと月どのくらい必要?《年金・貯蓄》みんなの平均&後期高齢者医療制度《1割~3割》自己負担割合ルールも解説!
【年金生活者支援給付金】6月15日支給分から3.2%増額へ。手続きしないともらえない「追加給付」の仕組み
なぜ三菱UFJ株は金利上昇で逆行高に?元機関投資家が最新決算から読み解く